2024年問題のドライバーへのメリット3選！デメリットもあわせて解説！

2024年問題は、トラックドライバーの働き方に大きな変革を迫る出来事です。労働時間の上限規制によって、ドライバーの収入減少が懸念される一方、長時間労働の是正によるメリットも期待されています。本記事では、2024年問題がドライバーにもたらす影響を多角的に解説し、ドライバーが給与アップを実現するための方策についても探ります。

2024年問題によるドライバーへのメリット3選

長時間労働の禁止によるワークライフバランス改善

2024年問題により、年間960時間を超える時間外労働ができなくなるので、これまでの長時間労働の常態化に歯止めがかかることが期待されます。過重な労働によって蓄積する疲労は、ドライバーの心身の健康を脅かす大きな要因となってきました。

一方、所定労働時間の短縮は生活時間の増加につながります。結果として、十分な睡眠時間の確保や趣味・家族との時間を持てるようになるなど、ワークライフバランスの改善が見込めます。

また、長時間労働の是正は、ドライバーのモチベーション向上にもつながる可能性があります。運転以外の時間で自己研鑽に励んだり、資格取得に挑戦したりと、自身のスキルアップに振り向けられる時間が増えることで、仕事へのやりがいを高められるかもしれません。

下記の記事でも朗像時間に関係して、走行距離について解説してますので、参考にしてください。

【2024年問題徹底解説】トラックドライバーの走行距離はどう変わる？生き残るための方法を探る

勤務中にしっかりと休息が取れる

以前の改善基準告示では連続運転時間(4時間)の途中における「運転の中断」(合計30分)は従来、「運転を離脱していれば作業をしていてもよい」とされており、「積込」「荷おろし」「待機」なども「休憩等」に含まれていましたが、新基準では「原則休憩」に変わりましたので、純粋に30分以上休憩時間が確保できるようになります。

待機時間が減る

ドライバーの長時間労働になっている現状の理由の一つである、「待機時間」の削減が進む見込みにあります。2024年問題で労働者の働き方改革をテーマにしている中、今後待機時間の長い荷主に対して労働基準監督署が直接ヒアリングして要請することが決まり、すでに各県の労働局に「荷主特別対策チーム」ができている現状です。様々な課題がまだ残されていますが、今後も「待機時間」の削減の取り組みはより一層加速していくと思われます。

2024年問題に伴うドライバーへのデメリット

収入減少

2024年問題により、ドライバーの収入が減少するリスクは少なくありません。特に歩合給部分の減少は深刻で、稼働時間の短縮によって、これまでの収入水準を維持するのが困難になるケースも予想されます。

加えて、物価上昇による生活費の圧迫も無視できません。エネルギー価格の高騰などを背景に、消費者物価指数は2022年に入り前年比2%台の伸びが続いています。収入減少と支出増加のダブルパンチによって、ドライバーの生活が一層厳しさを増す恐れがあります。

ドライバーが給与を上げるためにできること

ITツールを使いこなし、配送量UP

2024年問題によって、運送業界ではデジタル式運行記録計の導入が加速しています。人件費の高騰を吸収するには、業務の効率化が欠かせません。そこで、ドライバーがデジタル機器を使いこなし、生産性向上に貢献することが重要になります。

具体的には、運行記録の自動化によって事務作業の負担を減らしたり、AIを活用した配車システムで無駄な走行を減らしたりと、ITの力を徹底的に活用することが求められます。デジタルリテラシーの高いドライバーは、会社にとって貴重な戦力となるでしょう。

業務効率化によって生み出されたコスト削減分が、ドライバーの待遇改善につながることも期待されます。デジタル化の恩恵を給与面で還元するよう、会社側に働きかけていくことも大切です。将来を見据え、デジタル技術のスキルアップに努める姿勢が、ドライバー一人一人に求められていると言えるでしょう。

適切な賃上げ交渉を

ドライバーが給与アップを実現するには、会社との賃上げ交渉が欠かせません。ただし、一律○%の引き上げを要求するだけでは、交渉は難航するかもしれません。大切なのは、自分の成果を客観的に評価し、適切な賃上げ額を提示することです。
加えて、賃上げの原資を生み出すための具体策を提案するのも効果的です。例えば、前述したデジタル化の推進などで業務を効率化し、浮いたコストを賃上げに回すよう求めるのです。建設的な提案によって、会社との合意形成を図ることが重要だと言えるでしょう。

同業他社への転職で条件の良い職場を見つける

給与アップの方法として、同業他社への転職も選択肢の一つです。ドライバー不足が深刻化する中、条件の良い求人も増えてきました。自社よりも高い賃金を提示する会社があれば、そちらに移ることも検討に値するでしょう。

転職を考える際は、賃金だけでなく労働時間や福利厚生など、総合的に待遇を比較することが大切です。例えば、所定労働時間が短く副業もしやすい会社や、財形貯蓄制度や社宅補助など福利厚生が充実している会社などが狙い目だと言えます。

また、キャリアアップのチャンスが豊富な会社を選ぶのもおすすめです。大手運送会社の中には、ドライバーの中から管理職を登用したり、海外で活躍する人材を育成したりと、様々なキャリアパスを用意しているところもあります。

ただし、転職には慎重な見極めが必要です。求人票の条件と実態が乖離していないか、面接時にしっかり確認することが大切。労働条件を見る目を養いつつ、自身に合った職場を粘り強く探し続けることが、給与アップへの近道になるのではないでしょうか。

まとめ：2024年問題を好機に変えるプロドライバーの心構え

2024年問題は、ドライバーにとって収入減少のリスクがある一方で、業界変革の転換点にもなり得ます。運送業界の構造変化を自身の成長機会と捉え、前向きな意識改革を図ることが何より重要だと言えるでしょう。

特に、デジタル化の波に取り残されないようスキルアップに励むことが欠かせません。IT機器の操作に習熟し、作業の効率化やコスト削減に貢献することこそ、ドライバーに求められる資質と言えます。デジタル技術を味方につけることで、2024年問題をチャンスに変えていく視点を持ちたいものです。

加えて、会社との良好な関係構築にも努めましょう。自社の経営状況を正しく理解し、建設的な提案を通じて労使の合意形成を図ることが、給与アップの実現にもつながります。

仲間との情報共有も大切です。ドライバー同士で課題を共有し、解決策を探ることで知見の幅を広げられます。前向きな仲間と切磋琢磨できる環境があれば、どんな逆境もチャンスに変えられるはずです。