トレーラー運転手の給料はいくら？年収アップのコツも完全解説！

トレーラー運転手は、運送業界の中でも特に高度な運転技術が求められる”花形”的な存在です。大型トラックよりもはるかに大きなトレーラーを操り、長距離輸送を担うトレーラー運転手の仕事は、重要な責任と使命感に満ちています。本記事では、トレーラー運転手の仕事内容、平均年収、給与アップの方法、必要な免許・資格、転職の際に役立つ求人サイトなどを詳しく解説します。

トレーラー運転手の仕事内容

トレーラーとは?トレーラー運転手の仕事内容

トレーラーとは、トラックの荷台部分に相当する車両のことを指します。トレーラー単体では走行できず、「トラクター」と呼ばれる大型のけん引車によって引っ張られて走行します。トラクターとトレーラーがつながった状態の車両全体を「セミトレーラー」と言います。

トレーラー運転手の仕事は、このセミトレーラーを運転して、大量の貨物を長距離輸送することです。トラックの何倍もの大きさがあるトレーラーを安全に運転するには、卓越した運転技術と経験が必要とされます。また、輸送する貨物は機械部品から食料品までさまざまですが、1度の運行で大量の荷物を任されるため、大きな責任が伴う仕事だと言えるでしょう。

トレーラー運転手の気になる平均年収は?

平均年収は463万円ほど

トレーラー運転手の平均年収は463万円程度と、トラック運転手全体の平均よりも高い水準にあります。内訳としては、月収が平均35.3万円、賞与が年間で31.9万円となっています。ただし、これはあくまで平均値であり、経験年数や勤務先の企業規模などによって、年収は大きく変動します。トレーラー運転手の仕事は大変ハードですが、その分高い収入を得られる可能性があるのです。キャリアを積んで大手企業に転職できれば、年収600万円〜700万円以上を狙うこともできるでしょう。

年齢別で年収は大きくは変わらない

トレーラー運転手の平均年収を年代別に見ていくと、次のような傾向があります。

• 20代:400万円前後
• 30代:450万円前後
• 40代:470〜480万円
• 50代:460〜470万円

年齢を重ねて経験を積むほど、平均年収は上昇していく傾向にあります。一方、50代に入ると体力的な理由などから平均年収はやや下降気味になるようです。ただし、これはあくまで平均的な傾向であり、個人差は大きいと言えるでしょう。

地域別の平均年収比較

トレーラー運転手の平均年収は地域によっても差が見られ、全国で比較すると以下のような特徴があります。

• 関東地方が最も高く平均452万円
• 次いで東海地方が平均440万円
• 北海道・東北地方は低めで平均369万円

輸送の拠点となる大都市圏で平均年収が高くなる傾向にあるようです。しかし、地方でも特定の企業や業種に特化することで、高い収入を得ているケースは数多くあります。年収アップを目指す際は、自分のキャリアプランに合わせて、戦略的に勤務地を選ぶことも重要だと言えるでしょう。

給与を上げるための3つの戦略

トレーラー運転手としてのキャリアを積んでいくなかで、給料アップを実現するためには戦略的な行動が欠かせません。ここでは、市場価値を高めて収入増を狙うための3つの戦略を解説します。

1:配送量アップと長距離配送

トレーラー運転手の仕事は、基本的に「運んだ分だけ収入になる」という特性があります。したがって、配送量を増やしたり、長距離ルートを多く担当することが、収入アップの近道だと言えるでしょう。
まず、トレーラーのサイズアップを目指すのも一つの手です。セミトレーラーの中でも、積載重量が多い大型トレーラーの運転手になれば、1回の運行でより多くの売り上げを稼ぐことができます。

超長距離の輸送ルートを任されるのも、大きな収入増のチャンスです。東京〜大阪や東京〜福岡など、1往復で1000キロを超える長距離便なら、高速代なども別途支給される場合が多くなります。
配送量の目安としては、月間1万キロ以上の走行を安定して行えるようになると、収入面でも大きな差がつくと考えられます。体力的にもハードな仕事ですが、大きく稼ぎたい人にはおすすめの方法です。

2:資格を取得

トレーラー運転手の仕事の幅を広げ、付加価値を高めるための有力な方法が、各種資格の取得です。なかでもおすすめなのが、「危険物取扱者」と「フォークリフト運転技能者」の2つの資格です。

危険物取扱者の資格を取ると、ガソリンや灯油といった危険性の高い物質の輸送を任されるようになります。危険物取扱の資格取得のハードルは高いですが、その分稼げる運行が増えるため、収入アップが望めます。
一方、フォークリフト運転の資格は、荷積みや荷下ろしの作業を自分で行えるようになるために欠かせません。取得に4日ほどの講習が必要ですが、現場での作業効率が格段に上がるため、企業からも重宝されるスキルだと言えるでしょう。

3:都市部の大手企業への転職

トレーラー運転手の平均年収は地域によって大きく異なりますが、総じて東京や大阪など大都市圏の企業のほうが、地方の企業よりも給与水準は高くなる傾向にあります。キャリアに自信がついてきたら、都市部の大手物流企業への転職を視野に入れてみるのも良い選択肢だと言えます。

トレーラー輸送は、ドライバー不足が深刻な分野の一つです。そのため、経験豊富で即戦力になるドライバーの採用ニーズは常に高く、待遇面でも良い条件を引き出しやすいと考えられます。賃金はもちろん、福利厚生の充実度や労働環境の改善なども、大手企業ならではのメリットだと言えるでしょう。

ただし、転職活動では十分な下調べと慎重な見極めが必要です。自分のキャリアプランとマッチした企業を選ぶためにも、複数の選択肢を比較検討することが大切です。年齢によっては転職のハードルが上がることもあるため、良いタイミングを計ることも忘れずに。着実なスキルアップを続けながら、転職を適切なタイミングで前向きに活用していくことが、高収入の実現につながるでしょう。

トレーラー運転手のやりがいと魅力

トレーラー運転手は大型トラックの中でも特に高度な運転技術が求められる”花形”的な存在です。事故を起こさずに何十トンもの貨物を確実に届けるという使命感とやりがいは、他の運送業の仕事では味わえないものがあるでしょう。

また、トレーラー輸送は長距離輸送が多いことも特徴です。都市間や地域間を結ぶ大動脈として、重要な貨物を任される機会が多くあります。一人で何百キロ、何千キロもの距離を走行するドライバーにとって、大きな達成感と自己成長を感じられる仕事だと言えます。高い運転技術を身につけ、大きな責任を果たすことで、ドライバー人生の新たな可能性を切り拓くことができるでしょう。

トレーラー運転手に必要な2つの資格

大型自動車免許（大型一種免許）

トレーラーを運転するためには、最低限「大型自動車免許（大型一種免許）」の取得が必須です。車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の貨物自動車を運転できる免許で、取得にはそれなりのハードルがあります。 大型一種免許を取るには、普通自動車免許を取得後3年以上の経験が必要です。そのうえで、自動車学校などで所定の教習を受け、技能検定に合格する必要があります。費用は自動車学校の標準料金で45万円程度、最短でも1ヶ月半ほどの期間を要するでしょう。 ただし、大型自動車免許を持っているだけでは、トレーラーの運転はできません。フルトレーラーやセミトレーラーの牽引には、もう一つ別の免許が必要なのです。

下記の記事でも解説しているので参考にしてください。

2024年6月19日 大型免許取得が難しい5つの理由｜実際の取得条件・合格率・費用を解説

大型牽引免許

フルトレーラーやセミトレーラーを牽引するには、「大型牽引免許」の取得が義務づけられています。大型自動車免許とは別の免許で、トレーラーを安全に牽引するための知識と技能の習得が目的です。 大型牽引免許の取得には、大型一種免許を取得後1年以上の経験が必要です。やはり自動車学校等で所定の教習を受け、技能検定に合格しなければなりません。こちらの標準料金は15万円程度、最短でも2週間ほどかかると考えておきましょう。 トレーラーの運転には、この2種類の免許が最低限必要ですが、危険物取扱者やフォークリフト運転技能講習修了証など、あれば活躍の場が広がる資格も数多くあります。プロのトレーラードライバーとして活躍するには、必要な免許をしっかりと取得し、さらに関連資格も取り揃えていくことが肝要だと言えるでしょう。

下記の記事でも解説しているので参考にしてください。

2024年6月19日 牽引免許は難しい？費用や試験内容なども併せて完全解説！

トレーラー運転手におすすめの求人・転職サイト2選

トレーラー運転手としてのキャリアアップや待遇改善を目指すなら、転職は有力な選択肢の一つです。ここでは、トレーラー運転手におすすめの求人・転職サイトを2つ厳選してご紹介します。

ドライバーズワーク

トラックやバスなど、ドライバー職の求人情報に特化した専門サイトが「ドライバーズワーク」です。常時1万件以上もの求人情報を掲載しており、トレーラー運転手の求人も非常に豊富。
各求人の詳細情報が充実しているため、給与水準や労働条件など、気になるポイントを簡単に比較検討することができます。
ドライバー向けの求人しか扱っていないため、応募企業側もドライバーの採用に積極的であるケースが多いのが特徴です。
経験者優遇の求人が多数あるため、ベテランドライバーにもおすすめ。
プロフィールを登録しておけば、条件に合った求人情報が随時届くので、効率的に好条件の企業を探せるでしょう。

マイナビ転職

マイナビ転職は、株式会社マイナビが運営する国内最大級の転職支援サービスです。幅広い業界・職種の求人情報を豊富に取り扱っており、利用者は簡単な登録でそれらの求人を自由に閲覧できます。

また、キャリアアドバイザーによる手厚いサポートが魅力の一つ。経験豊富なアドバイザーが、応募書類の添削、面接対策、年収交渉など、転職活動のあらゆる場面で個別にアドバイスしてくれます。転職のプロによる的確なサポートのおかげで、希望の条件で転職を成功させられる確率がグンと上がるでしょう。

さらに、企業からのスカウト機能も充実。登録しておけば、経歴やスキルに興味を持った企業から直接スカウトが届くことも少なくありません。見知らぬ優良企業との出会いのチャンスが広がるのも、マイナビ転職ならではの強みだと言えます。

まとめ:トレーラー運転手としての活躍と高年収の実現に必要なこと

トレーラー運転手は、高度な運転技術と几帳面な性格、体力と忍耐力が求められるハードな仕事です。その一方で、平均よりも高い年収を得られる魅力的な職業であることも確かです。 トレーラードライバーとして活躍し、さらなる高年収を実現するには、戦略的なキャリア形成が不可欠だと言えるでしょう。

トレーラーのサイズアップ、長距離ルートの担当、危険物取扱者など各種資格の取得といった努力を重ねることが、収入アップの近道となります。それには、体力維持と健康管理への留意も忘れてはなりません。 一人で孤独に耐えながら規則正しく業務をこなすことが求められるため、「孤独に強い」「ルールを守れる誠実さがある」といった適性も大切なポイントです。人間関係の悩みは少ないかもしれませんが、一方でメンタル面での強さが常に試される仕事だと言えます。

トレーラー運転手としてのキャリアに自信がついてきたら、転職という選択肢も視野に入れてみましょう。幅広い求人情報を集める転職サイトを活用すれば、客観的に自分の市場価値を把握することもできます。 ただし、転職はくれぐれも慎重に、タイミングを見計らって行動することが賢明です。「一つの会社にコツコツと勤め上げる」というスタンスでまっとうに働くことを基本に、チャンスを逃さずに転職の可能性を模索していく。それが、着実なキャリアアップと高年収の実現への王道だと言えるでしょう。