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トレーラーは大型トラックよりも大きな荷物を運べるのが魅力ですが、そのサイズは法律によって細かく規定されています。この記事では、トレーラーのサイズについて、種類ごとの特徴や法律上の制限、メーカー別の車種、大型トラックとの違いなど、さまざまな角度から詳しく解説します。また、サイズアップがトレーラードライバーのキャリアにどう関わってくるのかについてもご紹介しましょう。
・セミトレーラー、フルトレーラー、ポールトレーラーの特徴と一般的なサイズ
・日野自動車、三菱ふそう、UDトラックスの車種別トレーラーサイズ
・トレーラーのサイズを規制する道路運送車両法、道路法、道路交通法の内容
・トレーラーと大型トラックのサイズの共通点と違い
・規制緩和によるトレーラーのサイズアップの可能性と条件
・大型トレーラーの運転スキルがキャリアアップにつながる理由
・トレーラードライバーとしてスキルを活かすための仕事の選び方
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トレーラーの主な種類3つと各特徴
トレーラーには主にセミトレーラー、フルトレーラー、ポールトレーラーの3種類があります。各トレーラーの特徴やサイズを解説します。
セミトレーラーの特徴と一般的なサイズ
セミトレーラーは、トラクターヘッドと呼ばれる運転席のある車両と、トレーラー部分が分離可能な構造が特徴です。トラクター部分とトレーラー部分を連結させて走行します。日本で最も一般的なトレーラーで、全長は16.5m以内、トレーラー部分の長さは12m以内に規定されています。トラクター部分の全長は特に決まりはありませんが、通常は5〜6m程度です。全幅は2.5m以内、全高は3.8m以内と定められています。
フルトレーラーの特徴と一般的なサイズ
フルトレーラーは、トラクター部分とトレーラー部分が固定された構造が特徴です。連結部分を含めたトレーラー部分の全長が12m以内に規定されているため、セミトレーラーよりも積載スペースが小さくなります。その代わり、安定性に優れ、トラクター部分とトレーラー部分が一体化しているため、セミトレーラーよりも小回りが利きます。フルトレーラーの連結時全長は18m以内、トラクター部分の全長は12m以内と定められています。全幅と全高はセミトレーラーと同じく、それぞれ2.5m以内、3.8m以内です。
ポールトレーラーの特徴と一般的なサイズ
ポールトレーラーは、鉄道車両や建設機械など、非常に長い不可分割の貨物を運搬するために使用される特殊なトレーラーです。トレーラー部分に積荷を直接載せるのではなく、積荷自体がトレーラーの一部として組み込まれるため、積荷の長さによってトレーラーの全長が変わるのが特徴です。積載する貨物によっては、連結時の全長が40mにも及ぶことがあります。ポールトレーラーは、特殊な用途に限定して使用されるため、一般的なサイズを定めることは難しいですが、道路を通行する際は、各道路の通行可能な最大サイズの規定に従う必要があります。
主要メーカーの車種別トレーラーサイズ規格
トレーラーは各メーカーの車種によってサイズが異なります、ここでは主要メーカーのトレーラーのサイズについて解説します。
日野自動車のトレーラーラインナップとサイズ一覧
※引用:トラクター | ラインアップ | 日野プロフィア | 日野自動車
日野自動車は、セミトレーラー用のトラクタヘッドを中心にラインナップしています。主力モデルのプロフィアシリーズは、運転席の居住性や燃費性能に優れ、全長5,775mm、全幅2,490mm、全高3,150mmとコンパクトなサイズが特徴です。トレーラー部分は、用途に応じて様々なサイズや形状のものを連結できます。
三菱ふそうトラック・バスのトレーラーラインナップとサイズ一覧
三菱ふそうは、セミトレーラー用トラクタヘッドのスーパーグレート シリーズを主力としてラインナップしています。スーパーグレートの車両サイズは、全長約6,000mm、全幅2,490mm、全高約3,200mmで、日野自動車のプロフィアシリーズと同等のサイズ感です。
UDトラックスのトレーラーラインナップとサイズ一覧
※引用:UD TRUCKS
UDトラックスは、トレーラー用のトラクタヘッド クオンシリーズを展開しています。セミトレーラー用のトラクタは、GK系とGW系の2種類があり、いずれも全長約5,900mm、全幅2,490mm、全高約3,200mmとなっています。
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トレーラーのサイズを規定する3つの法令とは
トレーラーのサイズは3つの法令により規定されています。以下で詳しく解説します。
1.道路運送車両法の目的と規定内容
道路運送車両法は、自動車の構造・装置について定めた法律です。その目的は「自動車の安全運行を確保し、もって公共の福祉を増進すること」にあります。この法律では、車両そのもののサイズについて規制しており、原則として全長12m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内と定められています。ただし、セミトレーラーとフルトレーラーについては例外規定があり、それぞれ連結時の全長16.5mと18mまでが認められています。道路運送車両法では、トラクター部分とトレーラー部分を切り離した状態で、それぞれが基準に適合しているかどうかを判断します。
2.道路法の目的と規定内容
道路法は、道路の構造を保全し、安全かつ円滑な交通を確保することを目的とした法律です。道路の種類ごとに、通行できる車両の大きさや重量を定めています。例えば、高速自動車国道や自動車専用道路では、セミトレーラーの長さを18m以内、フルトレーラーの長さを25m以内に制限しています。一般道路では、原則として車両の長さを12m以内に制限していますが、セミトレーラーとフルトレーラーについては、それぞれ16.5mと18mまでが認められています。道路法では、積荷を含めた状態で車両のサイズを規制しているのが特徴です。
3.道路交通法の目的と規定内容
道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ることを目的とした法律です。この法律では、車両の大きさについて「車両の長さ、幅、高さ、重量等の最高限度」を国土交通省令で定めるとしています。具体的には、セミトレーラーとフルトレーラーの連結時の全長について、道路運送車両法と同じくセミトレーラーは16.5m以内、フルトレーラーは18m以内と規定されています。ただし、後部の荷台(トレーラー部分)の長さは、車両の最後部からの突出長さ(オーバーハング)が車両の全長の10%を超えないように規制されています。
トレーラーと大型トラックのサイズを比較!意外な共通点と決定的な違い
ここでは、少し分かりづらいトレーラーと大型トラックのサイズの比較を行います。以下で詳しく解説します。
全長・全幅・全高の比較表で一目瞭然
トレーラーと大型トラックのサイズを比較すると、全幅と全高については共通していることがわかります。道路運送車両法で定められている車両の最大サイズは、全幅2.5m以内、全高3.8m以内となっており、トレーラーも大型トラックもこの規定を満たしています。一方、全長については大きな違いがあります。大型トラックの全長は最大12mまでに制限されているのに対し、トレーラーは連結時の全長がセミトレーラーで16.5m、フルトレーラーで18mまで認められています。つまり、トレーラーは大型トラックよりも長い車両ということになります。
大型トラック | セミトレーラー | フルトレーラー | |
---|---|---|---|
全長 | 12m以内 | 16.5m以内(連結時) | 18m以内(連結時) |
全幅 | 2.5m以内 | 2.5m以内 | 2.5m以内 |
全高 | 3.8m以内 | 3.8m以内 | 3.8m以内 |
※数値はすべて道路運送車両法に基づく最大値
トレーラーならではの「連結機構」の有無が鍵
トレーラーと大型トラックの決定的な違いは、「連結機構」の有無にあります。トレーラーは、トラクター部分とトレーラー部分を連結して走行する構造になっているのに対し、大型トラックは運転席と荷台が一体化した構造になっています。この連結機構の存在がトレーラーならではの特徴で、トラクター部分とトレーラー部分を自由に組み合わせることで、様々な長さや形状の車両を作ることができます。また、トラクター部分とトレーラー部分を切り離すことで、効率的な貨物の積み下ろしが可能になります。一方、大型トラックは運転席と荷台が固定された構造のため、車両の長さを自由に変更することはできません。
規制緩和で拡がるトレーラーの可能性!最大サイズに迫る
規制緩和によってトレーラーのサイズの最大値が変わるケースが存在します。その条件に付いて詳しく解説します。
セミトレーラーの最大サイズと規制緩和の条件
道路運送車両法では、セミトレーラーの連結時の全長を16.5m以内に制限していますが、規制緩和によって最大18mまで認められるケースがあります。この規制緩和が適用されるのは、トラクター部分とトレーラー部分の双方が、より安全性の高い車両として国土交通省が定める基準に適合している場合です。具体的には、トラクター部分に衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置などの安全装備を装備し、トレーラー部分にはABS(アンチロックブレーキシステム)や連結部の安全性を高める装置の装着が義務付けられています。これらの条件を満たすことで、セミトレーラーの連結時全長は最大18mまで認められます。ただし、道路の種類によっては18m以下のセミトレーラーしか通行できない場合もあるので注意が必要です。
フルトレーラーの最大サイズと規制緩和の条件
フルトレーラーについても、規制緩和により連結時の全長を最大25mまで延長することが可能です。ただし、この規制緩和が適用されるのは、トラクター部分とトレーラー部分が一体となった車両で、トレーラー部分の長さが15m以内であることが条件となります。また、セミトレーラーと同様に、安全装備の装着も義務付けられています。25mのフルトレーラーが通行できる道路は限られており、主に高速道路や自動車専用道路といった、一定の条件を満たした道路のみとなります。市街地など一般道を通行する際は、道路管理者の許可を得る必要があります。
トレーラーなら大型トラックの2倍近い積載量も可能に
規制緩和によってサイズアップしたトレーラーは、大型トラックと比べて格段に大きな積載量を確保することができます。最大18mのセミトレーラーなら、12mの大型トラックの約1.5倍、25mのフルトレーラーなら約2倍の貨物を運ぶことが可能です。これは、トレーラーの連結構造ならではのメリットと言えるでしょう。大型トラックでは構造上、車両を長くすることが難しいため、積載量を増やすには車両数を増やすしかありません。しかしトレーラーなら、1台のトラクターで牽引するトレーラー部分を大型化することで、積載量を飛躍的に増やすことができるのです。
トレーラーのサイズアップはキャリアアップのチャンス!
サイズの大きいトレーラーを運転すると給料面で優遇される
トレーラードライバーにとって、より大きなサイズのトレーラーを運転できるようになることは、キャリアアップの大きなチャンスです。大型のトレーラーを運転できるドライバーは、運送会社から重宝されるからです。18mのセミトレーラーや25mのフルトレーラーは、特殊な運転技術が必要とされるため、それに対応できるドライバーは限られています。つまり、需要に対して供給が少ない状態なのです。そのため、大型トレーラーの運転ができるドライバーは、給与面でも優遇されるケースが多くなっています。キャリアアップと収入アップを同時に狙うことができるでしょう。
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トレーラー運転手の給料はいくら?年収アップのコツも完全解説!ステップアップに必要な準備と心構え
より大きなトレーラーの運転にチャレンジするには、まず免許の取得が必要です。普通免許では運転できるトレーラーのサイズに制限があるため、大型免許や牽引免許の取得が不可欠となります。加えて、トレーラー運転に必要な知識と技術を身につける必要があります。カーブの曲がり方、バックの仕方など、トレーラーならではの運転テクニックを習得しなければなりません。サイズが大きくなればなるほど、運転の難易度も上がっていくので、基本をしっかりマスターすることが大切です。また、事故のリスクも高くなるため、細心の注意を払って運転することが求められます。安全運転を最優先に心がけることが何より重要です。
トレーラーのスキルを活かせる仕事の選び方
一口にトレーラードライバーと言っても、運送業界の中には実に様々な仕事があります。例えば、長距離輸送を専門とする会社なら、18mや25mの大型トレーラーを運転する機会が多くなるでしょう。一方、都市部を中心に配送を行う会社であれば、取り回しのしやすい中型トレーラーが主力となります。タンクローリーやセメントミキサー車などの特殊なトレーラーを扱う会社もあります。自分のスキルや適性を考えて、仕事を選ぶことが大切です。経験を積んで大型トレーラーの運転に自信がついてきたら、さらに高度な輸送を手がける会社にチャレンジしてみるのもよいでしょう。トレーラードライバーとしてのキャリアの可能性は無限大です。
まとめ
トレーラーのサイズは、セミトレーラーで全長16.5m、フルトレーラーで18mが一般的ですが、規制緩和によって、それぞれ最大18mと25mまで延長することが可能です。一方、大型トラックの全長は最大12mまでに制限されているため、トレーラーの積載量は大型トラックの1.5倍から2倍近くに達します。トレーラーサイズの決定には、道路運送車両法、道路法、道路交通法の3つの法令が関わっており、安全性と道路の通行可能性に配慮した規定となっています。
トレーラードライバーにとって、大型トレーラーの運転スキルを身につけることは、キャリアアップのための重要なステップです。より高度な運転技術が求められる分、待遇面でも優遇される可能性が高くなります。ただし、そのためには免許取得や専門スキルの習得が不可欠。安全運転を最優先しつつ、自分に合った仕事を選んでスキルを磨いていくことが、トレーラードライバーとしてのキャリア構築につながるでしょう。
トレーラーの大型化は、物流業界の効率化に欠かせない流れです。今後もさらなる規制緩和が進む可能性があります。それに合わせて、トレーラードライバーの活躍の場もさらに広がっていくに違いありません。大きなトレーラーを自在に操る技術を身につけることが、これからのトレーラードライバーには求められているのです。
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近年、日本ではドライバーの数が減少傾向にあるため、今の職場よりも良い給与や環境で働ける企業から内定を獲得できる可能性が高まっているのです。
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