牽引免許は難しい?費用や試験内容なども併せて完全解説!

牽引免許は、トレーラーを牽引するために必要な専門的な運転免許です。一見難しそうに思えますが、しっかりとした準備と練習を積めば、合格は十分可能。この記事では、牽引免許の種類や試験内容、受験資格、取得のコツなどを詳しく解説します。

この記事を読んだらわかること

・牽引免許の種類と特徴

・牽引免許の合格率と難易度

・牽引免許試験の内容(技能試験・学科試験)

・牽引免許の受験資格(年齢、経験、身体的条件)

・教習所と一発試験、それぞれの取得費用と所要期間

・技能試験・学科試験それぞれの攻略のコツ

・免許取得後も必要な心構えとスキル

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牽引免許は難しい?

そもそも牽引免許は3種類ある

牽引免許とは、車両(自走しないトレーラーなど)を牽引するための運転免許です。牽引する車両を「牽引車(トラクター)」、牽引される車両を「被牽引車(トレーラー)」と呼びます。被牽引車の車両総重量が750kgを超える場合に、牽引免許が必要となります。

牽引免許には「牽引第一種免許」「牽引第二種免許」「けん引小型トレーラー限定免許」の3種類があります。このうち、牽引第一種免許が一般的に「牽引免許」と呼ばれるものです。牽引第二種免許は、旅客業務(人を乗せての運転)が可能である点が第一種と異なります。けん引小型トレーラー限定免許は、車両総重量が750kg以上2000kg以下の被牽引車のみを牽引できる免許です。

タンクトレーラーやダンプトレーラー、キャンピングカーなどが、牽引免許が必要な代表的な車両と言えるでしょう。

牽引免許の合格率は81%!普通免許よりも高い!

牽引免許は取得が難しいと言われることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

「運転免許統計 令和3年版」では、けん引免許(第一種免許)の受験者は35,249名、合格者は28,757名、合格率は81.6%となっています。「けん引小型トレーラー限定免許」の合格率も77.2%と、ほぼ同程度の水準です。普通免許の合格率が74.2%であることから見ても、受験難易度は決して高くはないようです。

牽引第一種免許の技能試験は、卒業検定のみで修了できます。十分な教習と練習を積めば、一発試験で合格を勝ち取れる可能性は高いと言えるでしょう。統計が示す高い合格率は、教習所での指導と練習の成果と考えられます。

一方、牽引第二種免許は学科試験と技能試験の両方が課され、合格率は20%程度。第一種に比べ、かなりの難関と言わざるを得ません。

卒業検定のみのため難しくない

牽引免許、特に牽引第一種免許の合格率が高い理由は、技能試験が卒業検定のみに絞られていることが大きいと考えられます。

しっかりとした教習所の指導を受け、十分な練習を積んでいけば、試験に合格することは十分可能です。試験では「方向転換」など、トレーラー特有のハンドル操作が求められますが、コツを掴めば難しいものではありません。

もちろん、免許を取得したからと言って安心してはいけません。トレーラーの運転は、一般の車両とは勝手が違います。長大な車体による死角、速度超過時のスレーラー現象、ジャックナイフ現象など、事故リスクは少なくありません。免許取得後も、慎重な運転と経験の積み重ねが欠かせないのです。

とは言え、免許取得自体は統計が示す通り、きちんとした準備をすれば難しくありません。むしろ皆さんにとって、牽引免許は「難関」などではなく、「必須のスキル」「活躍の武器」ととらえるべきでしょう。目指すは、トレーラーを自在に操る運転のスペシャリストです。そのためにも、牽引免許の取得に臆することなく、チャレンジしていただきたいと思います。

牽引免許の試験内容

技能試験の内容と合格基準

牽引免許(第一種・第二種)の技能試験は、牽引車と被牽引車(トレーラー)による走行試験です。試験時間は50分程度。100点満点の減点方式で採点され、牽引第一種免許は70点以上、牽引第二種免許は80点以上が合格ラインとなります。

試験コースでは「右折・左折」「指示速度」「カーブ」「目標に合わせた停止」「S字」「方向転換」など、トレーラー運転に欠かせない基本操作が課題として課されます。

この中でも特に難易度が高いとされるのが「方向転換」です。これは、T字路でいったんバックし、トレーラーを狭い通路に入れる車庫入れの要領の操作が求められます。

トレーラーのバック時は、ハンドル操作がシビアです。トレーラーを押し出すように、進行方向とは逆にハンドルを切る動作が必要になります。この操作に慣れるには、かなりの練習量が必要と言われています。方向転換はまさに、牽引免許の技能試験の山場と言えるでしょう。

各課題での減点対象は、速度超過、わき見運転、指示違反、蛇行、輪だち、ハミ出し、追突など。基本に忠実な、安全運転が求められます。

学科試験の内容と合格基準

牽引第二種免許の受験では、技能試験に加えて学科試験が課されます。試験時間は50分。出題数は、文章問題が90問(各1点)、イラスト問題が5問(各2点)の合計95問。100点満点中、90点以上の得点で合格となる計算です。

出題範囲は、道路交通法規、車両の構造や装置、安全運転に必要な知識など、トレーラーの運転に関連の深い分野が中心。普通免許の学科試験よりは、やや専門的で難易度は高めです。

ちなみに、牽引第二種免許の受験で、普通自動車第二種免許(タクシー、バスなどの旅客運送用)をすでに取得済みの場合は、学科試験が免除されます。旅客車両の運転に必要な専門知識が、トレーラーの牽引にも共通すると見なされるためです。

以上の通り、牽引免許の技能試験は、難易度の高い課題も含まれますが、しっかりとした教習と練習を積めば十分合格可能な水準と言えるでしょう。一方、牽引第二種免許の学科試験は、出題範囲が専門的で、高得点を取るにはそれなりの対策が必要です。

いずれにせよ、技能・学科両面での実力をつけるには、日々の訓練の積み重ねが欠かせません。目指すは、知識と技術を兼ね備えた、トレーラー運転のエキスパート。一朝一夕には無理でも、コツコツと着実にステップアップしていけば、必ず試験に合格できるはずです。

牽引免許の取得を目指す皆さんには、油断は禁物ですが、過度に身構える必要もありません。目標に向けて、着実に学習と練習を積んでいきましょう。

牽引免許の受験資格

年齢や経験など基本条件

牽引免許を取得するには、まず年齢条件をクリアする必要があります。牽引第一種免許およびけん引小型トレーラー限定免許は満18歳以上、牽引第二種免許は満21歳以上が受験可能です。

年齢だけでなく、すでに普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許のいずれかを取得済みであることも、牽引免許受験の大前提。つまり、免許を全く持っていない状態からいきなり牽引免許を目指すことはできないのです。

さらに、牽引第二種免許の受験資格はより厳しく、上記のいずれかの免許取得から3年以上の経過、または牽引第一種免許の保有が条件となります。二種免許で旅客を運送するには、単に運転技術だけでなく、相応の経験と見識が求められると見なされているのでしょう。

第一種免許満18歳以上普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許のいずれかを取得済み
第二種免許満21歳以上・普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許のいずれかを取得済み
・免許取得から3年以上の経過、または牽引第一種免許の保有が条件
受験資格

以上の通り、牽引免許は、それなりの年齢と運転経験が受験の大前提。ドライバーとしてのキャリアを歩み始めた皆さんなら、おそらくこの基本条件はすでにクリアしているはず。あとは技能と学科の実力を養うだけです。異なる種類の免許証を続けて取得していく。プロの道はそんなステップアップの連続と言えるかもしれません。

視力・聴力などの身体的条件

牽引免許の受験資格には、年齢や経験以外にも、身体的な適性要件が定められています。安全運転に支障のない十分な視力、聴力、運動能力などが求められるのです。

具体的には、下記の基準を満たすことが求められます(技能試験の受験時に適性検査を受けます)。

視力両眼で0.8以上、片眼でそれぞれ0.5以上
色彩識別能力赤・青・黄の識別が可能なこと
聴力10m先で90デシベルのクラクションが聞こえること
運動能力腕・足の動きに異常がないこと
受験にあたっての身体的条件

これらの要件は、牽引免許に限らず、事業用ドライバー全般に求められる身体的適性と言えます。重量物を牽引しながらの長距離運転、複雑な交通環境下での的確な判断と操作。そうした過酷な状況に耐えうる基礎体力と、鋭敏な感覚の持ち主でなければ、プロドライバーとしてはやっていけません。

もちろん、現役ドライバーの皆さんなら、日頃からこうした適性はしっかり自己管理されているはず。定期健康診断などを活用しつつ、常に安全運転に支障のない健康状態・体調を保つよう心がけましょう。

適性検査は、牽引免許の取得を目指す皆さんにとって、改めて自身の心身のコンディションを確認するいい機会と捉えることもできます。単なる “関門” ではなく、プロフェッショナルとしての資質を保ち続けるための “セルフチェック” の一環と考えれば、検査に臨む意識も変わってくるのではないでしょうか。

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受験費用と期間

教習所で取得する場合の費用は10~15万程度

牽引免許(第一種)を教習所で取得する場合、その費用は教習所によって多少の幅がありますが、おおむね10〜15万円程度が相場と言えるでしょう。

所要日数は、教習時限数8時限、技能教習4時限を合わせて3〜4日間。もちろん、これは教習所で拘束される時間だけの話。自主的な練習の時間も必要になりますから、トータルの所要日数はもう少し長めに見積もっておいた方がいいかもしれません。

教習所によっては、他の免許、例えば大型免許や大型特殊免許の取得時に、同時に牽引免許の教習を受けられるプランを用意しているところもあります。単独で教習を受けるより費用を抑えられる場合が多いので、複数の免許取得を計画中の皆さんは、ぜひ教習所に相談してみてください。

シミュレーション設備の充実した大手教習所なら、より効果的かつ集中的に教習を受けられるかもしれませんね。通いなれた教習所で、リラックスしつつ着実に技能を磨く。牽引免許への近道と言えるかもしれません。

一発試験で取得する場合は1万程度

一方、教習所に通わず、直接運転免許試験場で技能試験を受ける、いわゆる一発試験での取得も可能です。この場合の費用の内訳は次の通りです。

  • 申請手数料: 2,850円
  • 運転免許試験手数料: 5,000円
  • 免許証交付手数料: 2,050円

一発試験の最大のメリットは、何と言っても費用の安さ。すべて合わせても1万円程度で免許が取れてしまうのは、教習所と比べると格段に経済的です。

手続き的にも当日で完結。試験に合格すれば、その日のうちに免許証が交付されます。

ただし、いくら費用を抑えられるからと言って、一発試験を甘く見てはいけません。事前の十分な練習は必須です。しかも、その練習は教官の指導を受けられる教習所とは異なり、基本的にすべて独学。自己流になりがちなのは否めません。

下手な練習をして、いざ試験で不合格となってしまっては元も子もありません。一発試験の再試験の手数料は5,000円。2回、3回と不合格を重ねれば、教習所に通った方が安くつく結果にもなりかねません。

牽引第二種免許の場合は、一発試験一択。学科試験の受験手数料1,500円が、技能試験の費用とは別に必要になります。

自信のある人なら一発試験もアリ。でも、トータルで考えれば、教習所できちんと基礎を固める方が確実。牽引免許の取得を目指す皆さんには、まずは教習所のプログラムをじっくり検討されることをおすすめします。時間とお金、そしてモチベーションは、かけた分だけ自分の力になるはず。焦らず、着実に歩を進めましょう。

牽引免許取得のコツ

技能試験で最も重要なのはバック操作

牽引免許の技能試験で最も重要なのは、何と言ってもバック操作、特に方向転換時のトレーラー部分の動きをコントロールする技術です。この場面での減点は非常にシビア。合格点に届くには、徹底的な練習を積むことが不可欠と言えるでしょう。

バック操作のコツは、何より「ゆっくり、慎重に」を心がけること。ハンドル操作は細かく、サイドミラーでトレーラー部分の動きを常に意識しながら行います。

進行方向に対してハンドルを逆に切る、トレーラー特有の操作には、正直慣れが必要です。「切り返し」のタイミングも、経験を積まないと掴みにくいもの。教習所の模擬コースや、試験場のコースをお借りしての練習を重ねるしかありません。

もちろん、バック以外の基本操作も おろそかにできません。左折・右折時のトレーラー車輪の内輪差は、事故のもとにもなりかねません。ミラーでの確認を習慣づけましょう。

「止まる」「曲がる」の合図は、4秒前のウインカーを厳守。指示速度からの著しい逸脱や蛇行、輪踏みなども厳しい採点対象です。「当たり前のことを当たり前にこなす」。その積み重ねが合格への近道なのです。

学科試験ではトレーラーの連結や運行に関する知識が重要

牽引第二種免許の受験では、学科試験での高得点もクリアしなければなりません。出題範囲は運転全般にわたりますが、とりわけトレーラーの連結や運行に関する知識が重要です。

学科試験対策の要は、地道な積み重ねによる体系的な知識の整理と言えるでしょう。イラストや図解を多用した受験参考書などを活用し、知識を視覚的にイメージ化していくのも効果的です。

頻出の「供述式」問題は、選択肢を吟味する慎重さが求められます。特に「以上のすべてが正しい」といった選択肢は要注意。問題文をよく読み、該当しない選択肢がないかをしっかりチェックしましょう。

本番の学科試験では、時間配分も大切です。「これは後でじっくり考えよう」と、難問にこだわり過ぎないことも重要。時間が迫ってからのあわてが、かえって足をすくうこともあるのです。

まとめ

牽引免許、とりわけ牽引第一種免許の取得は、トレーラードライバーを目指す皆さんにとって必須の通過点と言えるでしょう。トレーラー車両の運転には、通常の車両にはない特殊な技術と知識が求められます。牽引免許の取得は、その専門性を証明する第一歩なのです。

しかし、高い合格率の数字に惑わされてはいけません。トレーラー運転の難しさは、けして「簡単」の一言では片付けられないもの。特に牽引第二種免許は、学科試験もあり、その難易度は さらに跳ね上がります。

受験資格についても、年齢や経験、身体的適性など、決して低くないハードルが設けられています。「大型免許は持っている」くらいの甘い考えでは、専門性の高い牽引免許の取得は難しいでしょう。

免許を取得しても、もちろんそれがゴールではありません。现场のトレーラー運転には、試験では問われない数々のリスクが潜んでいます。車体の大きさによる死角、高速走行時の揺れ、ジャックナイフ現象……。常に危険と隣り合わせであることを意識し、慎重な運転を心がける必要があります。

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