佐川急便は激務？仕事きつい・ブラックって本当？転職前に知るべき実態

佐川急便のドライバーは「激務」「ブラック」といったイメージが根強くありますが、実際のところはどうなのでしょうか。この記事では、佐川急便ドライバーの仕事の実態に迫るとともに、働き方改革の取り組みや待遇面についても詳しく解説。佐川急便で働くことを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

佐川急便が「激務」「きつい」と言われるワケ

佐川急便は本当に激務なのでしょうか。「激務」「きつい」と言われる理由について詳しく解説します。

長年ブラック企業のレッテルを貼られた理由

佐川急便は長らく「ブラック企業」と言われ続けてきました。その主な理由は、ドライバーの長時間労働と過酷な労働環境にあります。以前は1日15時間にも及ぶ勤務が当たり前で、大量の荷物を運んでも給与に反映されないなど、ドライバーにとって非常にきつい職場だったのです。
また、ドライバーへのノルマ設定がかなりのプレッシャーになっていた点も問題視されていました。例えば、決められた数の営業グッズを売らなければならず、自腹で購入するドライバーもいたほどです。「稼げる分、ぎりぎりまで働かせる」のがブラック企業の常とう手段であり、佐川急便もその例外ではなかったのでしょう。

ネット通販急増で荷物量が爆発的に増えた

ここ10年ほどでネット通販市場は急激に拡大し、宅配便の取扱個数は右肩上がりで増加しています。佐川急便も例外ではなく、ドライバー1人あたりの配達物量は以前の倍近くに膨れ上がっています。
荷物量の増加に対し、ドライバーの数が追い付いていないのが現状です。すると、限られた人員でなんとか回すしかなく、必然的に1人1人の業務量が増え、労働時間も長くなってしまいます。特に繁忙期には、ドライバーは休む間もなく働き続けることを余儀なくされています。

人手不足に悩まされ続ける宅配業界の現実

少子高齢化に伴う労働力人口の減少は、宅配業界にも大きな影を落としています。とりわけドライバーの担い手不足は深刻で、佐川急便だけでなく、業界全体で喫緊の課題となっています。
実際、近年の佐川急便の採用倍率は10倍を超えるほどの狭き門だと言います。単にドライバーが不足しているだけでなく、離職率の高さもネックになっているのです。過酷な労働環境を敬遠する若者が多く、定着率の低さが人手不足に拍車をかけているのが実情と言えるでしょう。

佐川急便ドライバーの過酷な1日に密着

佐川急便のドライバーの1日はどのようなスケジュールなのでしょうか。1日のスケジュールについて紹介します。

早朝からの詰め込みスケジュール

佐川急便のドライバーは早朝から詰め込みのスケジュールをこなします。出社後、まず行うのが荷物の仕分けと積み込み作業です。大量の荷物を限られた時間内で正確に仕分けし、トラックに積み込む作業は重労働の連続。朝が早いだけに、体も頭もなかなか働いてくれません。
そのまま配達に出発し、昼食をはさんでひたすら荷物を運びます。1日の配達数は100件以上にもなることも。すると、1件あたりの配達時間はわずか数分。効率を上げるには、トイレ休憩も惜しむほどの覚悟が必要です。

配達だけじゃない！付随業務の多さ

ドライバーの仕事は、荷物を配達するだけでは終わりません。再配達や集荷、営業活動など、付随する業務が非常に多いのです。
再配達は午後から夜にかけての仕事。一度配達に行って不在だった荷物を、再度届けに行く必要があります。また、集荷も配達のついでに行うので、トラックの中は常にパンパン。集荷先を回るたびに、荷物の積み降ろしを繰り返すハメになります。
さらに営業活動。ドライバーは与えられたノルマをクリアするため、休憩時間を削ってまで営業を行うことも珍しくありません。

肉体的にも精神的にも限界ギリギリ？

こうした過密スケジュールをこなすドライバーは、肉体的にも精神的にも常に限界ギリギリ。朝から晩まで座りっぱなしで、運転と荷物の積み下ろしを繰り返す日々は、腰痛をはじめとする健康被害のリスクが高いのです。
精神的にもストレスは大きいです。特に、再配達や集荷で余計に歩留まりが悪くなると、予定の配達数をこなせないことも。すると、どうしても残業になり、自宅に帰れる時間はどんどん遅くなっていきます。不規則な生活は心身をすり減らし、プライベートまで充実させられません。

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激務から脱却！？脱ブラック、佐川急便の働き方改革

昨今多くの会社で働き方改革が進められています。佐川急便でも社員が働きやすくなるように、様々な働き方改革が実行されております。具体的な内容についてご紹介します。

週休3日制という新たな選択肢

佐川急便は2018年から、週休3日の勤務体系を導入しました。従来の週5日・1日8時間勤務に加え、週4日・1日10時間勤務を選択できるようになったのです。
この制度では、勤務時間は変わりませんが、休日が増えるので、ドライバーにとっては大きなメリット。特に、家族と過ごす時間を確保したいという子育て世代の社員から好評だと言います。
慢性的な人手不足が叫ばれる中、こうした柔軟な働き方の選択肢を設けることで、人材の確保と定着率アップを狙っているようです。

取得しやすくなった連続休暇制度

佐川急便では、5日間の連続休暇取得を推奨しています。以前は取得が難しかった長期休暇ですが、計画的に休めるよう、会社側もシフト調整に協力的になってきました。
こうした動きは、ドライバーの心身のリフレッシュに繋がるでしょう。何より、プライベートな時間をしっかり確保することで、仕事に対するモチベーションアップも期待できます。
また、佐川急便では誕生日休暇や記念日休暇など、プライベートな節目に休みを取得しやすい制度も整えています。

ドライバーの負担を減らす最新テクノロジー

佐川急便は最新テクノロジーを活用し、ドライバーの負担を減らす取り組みも進めています。例えば、AIを活用した配車システムの導入。これにより、効率的な配送ルートを自動で割り出し、ドライバーの拘束時間を減らすことに成功しています。

さらにペーパーレス化の推進。これまでアナログに行われていた伝票処理などをデジタル化することで、ドライバーの事務作業を大幅に削減。より配送業務に専念できる環境を整えています。

佐川急便の働く環境については、下記の公式サイトページも合わせてご確認ください。
【佐川急便】働く環境を知る｜中途採用｜採用情報

気になる佐川急便ドライバーの待遇面

気になる佐川急便ドライバーの待遇について詳しく紹介します。

平均年収と賞与の詳細

佐川急便のドライバーの平均年収は約500万円。運送業界の中では平均的な水準と言えます。
内訳を見ると、基本給が約25万円、残業代が月15万円前後、そして賞与が年2回で計50万円ほど。残業代が高めに設定されている分、所定外労働への依存度が高いとも言えます。
賞与はドライバーの頑張りを評価するインセンティブのひとつ。ノルマ達成率に連動するケースが多いですが、会社業績や支店業績を加味する場合も。ドライバー個人の働きを正当に評価できているかは、疑問の残る部分と言えるでしょう。

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残業代も支給される

佐川急便では、ドライバーの残業に対し、きちんと残業代が支給されます。運送業は残業が常態化しやすい業種だけに、会社側の方針として残業代カットは行わない、と明言しているのは好印象。
ただし、業務量に対して人員が足りない状況では、どうしても恒常的な残業が発生します。結果、ドライバーは長時間労働を強いられ、ワークライフバランスを大きく崩すリスクがあるのも事実です。
残業代の支給は当然ですが、ドライバーがゆとりを持って働けるよう、業務の平準化と人員配置の最適化が求められるでしょう。

福利厚生も充実している

佐川急便では、社会保険完備に加え、独自の福利厚生制度も整っています。

佐川急便は、社会保険の完備はもちろん、育児休暇や介護休暇など、ライフステージの変化に応じた休暇制度が整備されています。研修制度やキャリアアップの仕組みも充実しているため、長期的なキャリア形成も可能です。

佐川急便の福利厚生はこちらから詳しくご覧いただけます。

一般ドライバーからの昇進ルート

一般的なドライバーのキャリアパスとして、まずは先輩ドライバーに同行して業務を覚えるルーキー期間が1〜2年。その後、一人前のドライバーとして管轄エリアを任されます。
中堅どころまで経験を積むと、後輩ドライバーの教育係に抜擢されることも。指導や育成を通じ、いずれは主任やマネージャーへと昇格していく流れです。物流のプロとして、現場で培った知見を部下に伝承するのが重要な役目となります。
一方で、管理職を目指さず、あくまでプレイヤーとしてキャリアを極めるのも一興。ベテランドライバーの卓越したスキルと経験は、会社の宝と言っても過言ではないでしょう。

他社との賃金・福利厚生の比較

佐川急便のドライバーの待遇面を、他の大手運送会社と比べてみましょう。
まず年収。ヤマト運輸やSGHグローバル・ジャパンなどと同水準の500万円前後です。日本郵便は600万円近くと少し高め。ただし、佐川急便は歩合給の割合が高く、配達成績次第では平均以上の年収を狙えるのが特徴です。
次に福利厚生。佐川急便の独身寮は家賃補助が手厚く、嬉しい特典と言えます。また、グループ企業の割引制度や厚生施設の利用など、ヤマト運輸に勝るとも劣らない充実ぶり。ベネフィットステーションのようなカフェテリアプランを導入している会社もありますが、佐川急便にはまだありません。

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佐川急便で充実したドライバー生活を送るための心構え

佐川急便で充実したドライバー生活を送るためにはいくつかの心構えがあります。以下で詳しく解説します。

ムダのない配送ルート設計のコツ

ドライバーの業務効率を上げるカギは、ムダのない配送ルート設計にあります。まず大切なのが、配達先の住所や受取人の在宅時間を事前にしっかりチェックすること。これを踏まえて、効率的な順路を立てることが重要です。
また、1日のスケジュールは余裕を持って組むのがベター。思わぬトラブルや渋滞など、予期せぬ出来事に備える必要があるからです。セールスや集金などの付随業務も考慮に入れ、決して欲張りすぎないことがコツ。
さらに、配達先周辺の地理には精通しておきたいところ。狭い路地の入り方や駐車スペースの位置など、些細なことが業務効率を大きく左右します。日頃から観察眼を養い、スムーズに動けるルートを確保しておくことが大切と言えます。

ストレスに負けない！オフの過ごし方

ハードワークが続くと、知らず知らずのうちにストレスが溜まるもの。うまく発散できずに爆発してしまっては、仕事にも差し支えます。ストレスに負けないためにも、オフの過ごし方は重要なポイントになります。
まずは趣味の時間を大切に。スポーツ、音楽、読書など、没頭できる何かを持つことが理想的。佐川急便では、社員の親睦を深める野球大会やボーリング大会も開催されているので、ぜひ積極的に参加したいですね。

家族との時間も大切です。子供と遊んだり、家族でショッピングを楽しんだり。日頃、仕事に追われて家族とすれ違いがちなドライバーだからこそ、オフはいっぱい「父親」や「夫」を演じましょう。
そして何より、ゆっくり休息をとること。睡眠時間はしっかり確保し、休日はのんびり過ごすのもよし。心身ともにリフレッシュできてこそ、また1週間がんばれるというもの。メリハリのある生活を心がけることが肝心です。

上司・先輩・同僚との人間関係の築き方

佐川急便は、アットホームな社風で知られています。何かと折に触れて、上司や先輩、同僚とコミュニケーションをとる機会が多いのが特徴。普段から自然に会話を交わし、お互いを知り合うことが人間関係構築の第一歩となります。

わからないこと、困ったことがあれば、上司や先輩に相談するのも大切。経験豊富な彼らなら、きっと的確なアドバイスをくれるはず。担当エリアのこと、得意先のこと、業務の進め方のコツなど、ベテランの知恵は何物にも代えがたい財産です。
一方、自分も後輩の相談に乗れるよう、日頃から知識とスキルを磨いておくことが求められます。現場の厳しさを知っているからこそ、適切なフォローができる。ライバルでもあり、かけがえのない仲間でもある同僚たちとの、良好な関係づくりを大切にしたいですね。

佐川急便に転職するには

ここまで、佐川急便ドライバーの仕事内容や待遇面について詳しく解説してきました。最後に、佐川急便への転職を考えている方に向けて、採用の流れをおさらいしておきましょう。

まずは公式サイトから、ドライバー職の募集要項を確認。年齢や必要な免許、経験の有無など、応募資格をチェックします。書類選考を通過すれば、適性検査や面接を受けることになります。
面接では、志望動機はもちろん、配送業務の経験や運転スキル、地理感など、具体的なアピールポイントを用意しておきたいところ。また、佐川急便の社風にマッチするよう、明るく前向きな姿勢を心がけることも大切です。

内定がもらえたら、いよいよ配属先が決まります。初めは先輩ドライバーに同行しながら、少しずつ業務を覚えていくことに。ゆくゆくは独り立ちし、一人前のドライバーを目指していくのです。

佐川急便は、厳しくも熱い現場です。体力的にもメンタル的にもタフでなければ務まらない仕事と言えるでしょう。その一方で、ロイヤリティの高い社員に支えられ、アットホームさと一体感のある組織でもあります。
大変さを覚悟の上で、ぜひ飛び込んでみる価値は大いにあると思います。佐川急便でプロのドライバーとしての第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

まとめ：佐川急便は昔に比べれば働きやすい会社

佐川急便のドライバーは、長時間労働や過酷な労働環境から「ブラック企業」とのレッテルを貼られてきました。ネット通販の急増による荷物量の爆発的な増加や、慢性的な人手不足などが背景にあります。

実際にドライバーの1日のスケジュールを見ると、早朝からの詰め込みスケジュールで、忙しい状態であることがわかります。

しかし近年、佐川急便は働き方改革に積極的に取り組んでおり、週休3日制の導入や長期休暇の取得推奨、最新テクノロジーの活用などにより、ドライバーの負担軽減を図っています。

待遇面では、平均年収500万円前後で業界平均並みですが、残業代はきちんと支給されます。福利厚生も保養所の利用補助や財形貯蓄制度など充実しています。

ドライバーからマネージメントへのキャリアパスもあり、他社と比較しても遜色のない待遇と言えるでしょう。

充実したドライバー生活を送るには、ムダのない配送ルートの設計や、オフの過ごし方、同僚との良好な関係づくりがポイントです。

佐川急便への転職を考えている方は、まずは募集要項をチェックし、採用プロセスを確認しておきましょう。厳しい現場ではありますが、アットホームな社風の中でプロのドライバーを目指すのも魅力的ではないでしょうか。