長距離トラック運転手の平均年収は500万円！給料アップのコツを解説

「長距離トラックの運転手になれば、かなり稼げるんじゃないか？」「今の仕事よりも収入を増やしたい」とお考えのあなた。本記事では、長距離トラックドライバーの年収の実態と、高年収を目指すためのポイントについて詳しく解説します。ドライバー志望の方も、すでに働いている方も必見の内容ですので、ぜひ最後までご一読ください。

長距離トラック運転手の仕事内容と特徴

ここでは、長距離トラックの定義やドライバーの仕事内容、必要な免許と資格について解説します。

長距離トラックの定義と運行距離

長距離トラックとは一般的に片道300km以上運転する業務のことを指します。例えば東京ICから名古屋ICまでの約300kmが長距離の一つの目安となります。それ以下の距離は短距離・中距離トラックに分類され、運転手の担当範囲は半径およそ50~200kmとなります。

長距離トラック運転手の主な仕事内容

長距離トラック運転手の仕事は主に以下の3つのフェーズに分けられます。

①集荷/積込：配送元の会社や自宅を訪問し、荷物を預かってトラックに積み込む
②輸送/配達：積み込んだ荷物を配送先まで届ける
③荷下ろし：配送先に到着し、運んできた荷物を下ろす

特に積込みと荷下ろしの際には重量物を扱うこともあり、体力を使う作業となります。トラックドライバーの仕事に就く、または転職を検討する際は、運送会社が主に扱う荷物の内容について事前に確認しておくことが大切です。

必要な免許と資格

長距離トラック運転手として働くためには、大型免許か中型免許の取得が必須条件となる場合がほとんどです。加えて、フォークリフトやクレーン、玉掛けなどの資格を持っていれば、荷役作業を含めたより幅広い業務に携われるようになります。スキルアップを重ね、高収入を目指すドライバーには資格取得がおすすめです。

下記の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

2024年6月19日 大型免許取得が難しい5つの理由｜実際の取得条件・合格率・費用を解説

2024年6月19日 【玉掛け技能講習】費用はいくら？お得に資格を取るコツも伝授！

長距離トラック運転手の平均年収はいくら？

長距離トラック運転手の年収はいくらなのか、全国の平均給与と比べると高いのかを解説します。

長距離トラック運転手の平均年収は500万円

長距離トラック運転手の平均年収は約500万円となっています。国税庁の調査による令和4年度の全国平均給与が458万円ですので、長距離トラック運転手の平均年収はそれを上回っています。また、会社の選び方や働き方次第では500万円以上の稼ぎが見込めます。

※参考：国税庁「令和４年分 民間給与実態統計調査」

1990年頃からの規制緩和により、運送業界全体で賃金水準が下がったことに加え、近年は労働基準法の改正で以前ほどの長時間労働ができなくなったこともありますが、依然として高年収を狙える職種です。年収800万円以上を提示する求人も稀にありますが、大型免許や中型免許の取得が必須条件となっていたり、歩合制のため給料の安定性に欠けるといった条件がつく場合が多いので注意が必要です。

長距離トラック運転手の年収は高いと言える？

運輸業・郵便業内の他の職業と比較した長距離トラック運転手の年収水準

長距離トラック運転手の平均年収(500万円)は、運輸業・郵便業に限定した平均年収約470万円と比較しても、業界内で比較的高収入な職種だと言えるでしょう。
ただし、高い年収を得るためには大型免許の取得が必須であり、安全運転の徹底と事故の回避、体力の維持と健康管理など、クリアすべきハードルが数多くあります。

長距離トラック運転手の労働時間と拘束時間

長距離トラック運転手の平均労働時間は年間約2,100時間と、全産業平均の約1,700時間よりもかなり長くなっています。長距離を運転するため、運転時間のほかにも荷待ち時間などの拘束時間が長いのが特徴です。
他の職業と比べると高い収入を得られる一方で、不規則な勤務体系や長時間拘束などの厳しい労働環境に適応できるかどうかが、高年収ドライバーへの分かれ目となるでしょう。

高年収を稼ぐためのハードルと課題

高年収を稼げる長距離トラック運転手になるためのハードルは以下の通りです。

・大型免許の取得が必須
・事故を起こさない安全運転の徹底
・体力の維持と健康管理
・不規則な勤務への適応力

特に大型免許の取得にはコストと時間がかかるため、まずはこの資格取得が高年収への第一歩となります。さらに重大事故を起こせば、ドライバーとしての信頼を失ってしまうため、安全運転の意識を常に高く保つ必要があります。
不規則な生活が続くことで、体調を崩すドライバーも少なくありません。規則正しい生活習慣を心がけ、疲労やストレスに負けない健康な体作りも欠かせません。
長距離トラック運転手の仕事はつらく厳しい面もありますが、これらの課題を着実にクリアしていくことが、高年収ドライバーへの近道です。

長距離トラック運転手の年収を左右する要因2つ

長距離トラック運転手の年収は、性別、年齢、経験年数などの要因によって大きな差が生まれます。ここでは主要な2つの要因について詳しく見ていきましょう。

1.男女差

長距離トラック運転手の年収を男女別に見ると、男性が500~550万円であるのに対し、女性は400~450万円と差があります。
この差が生まれる主な理由は、結婚や出産によって女性ドライバーの平均勤続年数が男性より短くなる傾向にあるからです。
ワークライフバランスを重視する女性ドライバーにとっては、長距離トラックよりも拘束時間の短い中・短距離トラックの方が働きやすいでしょう。

2.年齢・経験年数による差

長距離トラック運転手の給与は勤続年数に比例して上がっていく仕組みのため、若手ドライバーの給与水準はそれほど高くありません。
ただし運送業界は高卒でもやる気と体力次第で活躍できる数少ない業界の一つです。大卒との給与差はほとんどないため、学歴よりも経験を積むことが重要になります。
一方、ベテランドライバーは経験を積んで給与水準が上がる一方で、徐々に体力の衰えが出てくるのがネックです。
若手時代の経験を活かしつつ、体力の低下を補うノウハウの蓄積が求められます。

長距離トラックドライバーが給料をアップして高年収を稼ぐためには

高年収を稼げる長距離トラックドライバーになるためには、どのようなスキルや経験、心構えが求められるのでしょうか。また転職するなら、どのタイミングでどんな会社を選ぶべきなのでしょう。

求められるスキルと経験

高年収ドライバーに必須のスキルは、大型免許の取得です。加えて、交通ルールを遵守し、常に安全運転を心がける姿勢も評価されます。
荷主から信頼されるためには、確実に納品をこなし、時間を厳守することも大切。車両トラブルが発生した際の適切な対応力も求められます。
経験を積むことで、ルートごとの特性や渋滞回避の方法など、効率的な配送のコツをつかめるようになります。
体力の維持と健康管理を怠らず、安定的に稼働を続けられる経験豊富なドライバーが評価され、高収入を得られるのです。

高年収ドライバーになるための心構え

高年収ドライバーとして活躍し続けるには、規則正しい生活習慣を身につけることが何より重要です。睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事で体調管理を徹底しましょう。
荷主や同僚、管理者とのコミュニケーション能力も欠かせません。ストレス耐性を高め、トラブル対応の際にも冷静さを失わない心の強さが求められます。
常に向上心を持ち、新しい知識やスキルを学び続ける姿勢も高く評価されるポイントです。
家族の理解と協力を得られるかどうかも、長距離ドライバーを続けられるかの分かれ目になるでしょう。

転職のタイミングと転職先の選び方

大型免許の取得後は、早めに長距離トラックドライバーへの転職を決断するのがおすすめです。
大手運送会社であれば教育体制が整っており、着実にステップアップできる可能性が高まります。
高単価の長距離路線を多く持つ会社を選ぶのも重要ですが、業界の将来性や会社の安定性も考慮しましょう。
自分のライフスタイルに合った働き方ができる環境かどうかも大切な判断材料になります。
高収入を得られるドライバーになるためには、まずは一歩一歩着実にスキルと経験を積み上げていくことが何より重要です。
ステップアップのために必要なタイミングで、自分に合った会社へ転職する勇気も持ちましょう。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください

2024年6月19日 トラック運転手で年収1000万円は可能?給与の実態と稼ぐため方法を解説

長距離トラックドライバーの年収アップ事例

実際に長距離トラックドライバーとして年収アップを果たした事例を2つ紹介します。
経験を積んでキャリアアップする方法と、スキルアップで高単価の仕事を獲得する方法、それぞれの具体例を見ていきましょう。

経験を積んで管理職へキャリアアップした例

Aさんは長距離トラックドライバーとして10年の経験を積んだ後、運行管理者へとキャリアアップしました。
ドライバー時代の平均年収が600万円だったのに対し、管理職となった現在は年収800万円を得ています。
ドライバーとしての経験を活かして配車のコツを心得ており、部下からの信頼も厚いAさん。
管理職としてのやりがいを感じながら、安定した収入を得ることができています。

スキルを磨いて高単価の仕事を獲得した例

Bさんは大型免許に加えて、クレーン免許とフォークリフト免許を取得しました。
特殊な資格を生かして高単価の配送業務を任されるようになり、資格取得前の年収450万円から650万円にアップしました。
現在はさらなるスキルアップを目指して、液体輸送のタンクローリー免許の取得を検討中です。
新しい分野にチャレンジし、さらなる年収アップを狙います。

地道に経験を積み上げてキャリアアップする方法と、スキルを磨いて高単価の仕事を獲得する方法、どちらも着実に年収アップにつながります。
自分に合ったキャリアプランを描き、目標達成に向けて努力を重ねることが大切だと言えるでしょう。

長距離トラック運転手は未経験からでもなれる？

「長距離トラックドライバーに興味はあるけれど、違う業界で働いているから無理だろう」
そんな風に考えている人もいるかもしれません。しかし、トラックドライバーは未経験からでもチャレンジしやすい職業なのです。

未経験者の長距離トラックドライバーへの転職事情

トラック運送業界は慢性的な人手不足に悩まされており、未経験者の採用にも力を入れています。
大型免許の取得支援制度を設けている企業が数多くあるのも特徴です。

前職は飲食業、建設業、製造業など様々ですが、体力に自信がある人が長距離トラックドライバーに転職するケースが目立ちます。
体を動かす仕事が好きな人にはおすすめの職業だと言えるでしょう。

必要な免許の取得方法と費用

長距離トラックドライバーに転職するには、大型免許か中型免許の取得が必要です。いずれの免許も普通自動車免許を持っていることが取得の必須条件となります。

大型免許の教習期間は最短で15日、約30~40万円の費用がかかります。
一方、中型免許8t限定であれば最短4日で取得でき、費用は13万円程度に抑えられます。
ハローワークや自治体の補助制度、企業の支援制度を活用すれば、費用を大幅に節約できるのでぜひ利用しましょう。

また、一発試験に合格することも費用を抑える手段になります。大型免許の一発試験に合格するコツは下記の記事をご確認ください。

2024年6月19日 大型免許の一発試験完全ガイド！合格率アップのコツ・試験内容・費用を解説

未経験でも長距離トラックドライバーとして採用されるコツ

未経験からトラックドライバーに転職する際は、体力に自信があることをアピールしましょう。
また、安全運転を何より大切にする意識の高さを示すことも採用担当者への好印象につながります。正社員登用を見据えて、長く勤め上げる意欲をしっかりと伝えるのもポイントです。

異業種出身でも、前職で培ったスキルや経験を活かせる部分があればしっかりとアピールしましょう。未経験でも、免許取得へのサポートが充実している今は長距離トラックドライバーへの転職チャンスです。
体力に自信があり、安定した収入を得たい人にはおすすめの職業だと言えるでしょう。

まとめ：長距離トラックドライバーの年収の実態と高年収への道

長距離トラックドライバーの平均年収は500万円程度です。
経験年数を重ねるほど、また大型免許を取得するほど、収入は高くなる傾向にあります。

ただし近年は、歩合制の賃金体系が主流となっており、長時間労働規制の影響で一人あたりの年間走行距離が減少傾向にあるため、年収が上がりにくい状況にあるのも事実です。

そんな中、年収アップを目指すなら、経験を積んで管理職へとキャリアアップするのが王道でしょう。
クレーンやフォークリフトなどの資格を取得して、高単価の仕事を任されるチャンスを増やすのも効果的な方法です。
未経験から長距離トラックドライバーに転職することも十分可能ですが、大型免許の取得を支援してくれる制度が充実した企業を選ぶことが何より重要になります。

他業種で培った経験やスキルを活かせる部分を見つけ、それを存分にアピールすることも採用への近道となるでしょう。
何より体力に自信があり、安全運転を何より大切にする意識の高さは、年齢に関係なく高く評価されるポイントです。
長距離トラックドライバーの仕事は厳しい面もありますが、しっかりとしたキャリアプランを描き、コツコツと経験を積み重ねることで、高年収を実現できる可能性は十分にあります。

ライフスタイルに合った働き方ができる環境を見つけ、自分なりの働き方を見つけられたなら、長距離トラックドライバーとしてのやりがいを感じながら、安定した収入を得ることができるはずです。