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10tトラックを運転する上で、積載量の管理は安全運行の大前提です。しかし、積載量の正しい計算方法から違反時の罰則まで、知っておくべき知識は多岐にわたります。本記事では、10tトラックドライバーに必須の積載量の基礎知識から実務のコツまでを余すところなく解説します。
- 10tトラックの種類と最大積載量の計算方法
- 車両形状ごとの積載量の目安
- 過積載のリスクと罰則
- 積載前点検の重要ポイント
- 高さ・幅・危険物など重量以外の積載制限
- 違法改造車両の危険性
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10tトラックとは?積載量の基礎知識
10tトラックの定義と積載量の基礎知識について解説します。
10tトラックの定義と種類
10tトラックとは、最大積載量が10t前後のトラックの総称です。「10トン車」とも呼ばれますが、積載できる重量は車両によって異なります。代表的な形状としては以下の4種類があげられます。
バンボディ:箱型の荷台を持つ一般的な形状
ウィングボディ:側面に観音開きの扉がある形状
冷凍冷蔵車:温度管理機能を備えたバン車
平ボディ:荷台が平面のオープンな形状
積載量の基準となる車両総重量と最大積載量
10tトラックの積載量は、車両総重量と最大積載量という2つの基準値によって規定されています。車両総重量とは、車両本体や燃料、積荷、乗員の重量を全て合計した値のことです。一方、最大積載量は車両に積載できる貨物の重量の上限を指します。
法律上、10tトラックの最大積載量は軸重が10t以下、輪荷重が5t以下と定められています。最大積載量は、車両総重量から車両重量と乗員の体重を差し引いて求められます。車両総重量と最大積載量は似た概念ですが、前者は車両全体の重量、後者は積載貨物の限界を表すという違いがあるのです。
10tトラックの運行にあたっては、貨物の重量が最大積載量の範囲内に収まっているか細心の注意を払う必要があります。超過すると法令違反となる他、車両の故障や事故のリスクが高まるからです。安全運転のためにも、10tトラックの積載量の考え方をしっかりと理解しておくことが求められます。
10tダンプの積載量に関しては、下記の記事で詳しく解説してますので、参考にしてください。
10tダンプの積載量は何キロまでOK? 法律、罰則、注意すべきポイントを解説10tトラックの最大積載量を正しく理解しよう
10tトラックの最大積載量はどのように計算するのでしょうか。ここでは最大積載量の計算方法と車両形状別の積載量の目安を紹介します。
最大積載量の計算方法
10tトラックの最大積載量は、以下の式で計算することができます。
最大積載量 = 車両総重量 – 車両重量 – (乗車定員 × 55kg)
車両総重量は、貨物を含めたトラック全体の重量を表します。これから車両本体の重量と乗員の体重を引くことで、貨物の積載可能量が求められるのです。なお乗員1名あたりの体重は平均55kgとして計算します。
また、荷台に備え付けられたクレーンなどの重量も差し引く必要があります。これらの装置は車両重量の一部とされるため、搭載分だけ貨物の積載量が減ってしまうのです。
例えば、車両総重量が20トン、車両重量が10トン、乗車定員が2名の10トン車の場合、最大積載量は以下のように計算できます。
最大積載量 = 20 – (10+ 2×0.055) = 9.89トン
車両総重量が20トンを超えない場合、最大積載量は10トン弱程度が最大積載量になります。
車両形状別の積載量の目安
10tトラックと言っても、車両の形状によって積載量の目安は異なります。一般的なバンボディの場合、最大積載量は10t前後となります。一方、ウィングボディやクレーン車は車両重量が重くなる分、積載量は8tほどに減る傾向にあります。
以下は代表的な10tトラックの形状と積載量目安の一覧表です。
車両形状 | |
---|---|
バンボディ | 9~10t |
ウィングボディ | 8~9t |
平ボディ | 9~10t |
クレーン車 | 7~8t |
あくまで目安ではありますが、車両形状や装備品による重量差を把握しておくことが大切です。
10tトラックの積載量に関する法律と罰則
積載量に関わる主な法律
10tトラックの積載量は、道路交通法や道路運送車両法など複数の法律によって規制されています。道路交通法では、車両の安全運行に必要な積載制限について定められており、道路運送車両法では、車両の構造や設備に関する保安基準が規定されています。
具体的には、道路運送車両法の保安基準第4条により、車両総重量は20t以下、軸重は10t以下、輪荷重は5t以下と定められています。また、大型車の高さ制限を3.8m以下、幅を2.5m以下に制限する規定もあります。10tトラックの積載量は、これらの法律に基づいて管理する必要があります。
違反の種類と罰則
積載量に関する違反は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
・積載物の重量制限違反(過積載)
・積載物の大きさ制限違反(高さ・幅制限超過)
・特殊な貨物の積載制限違反(危険物積載違反など)
これらの違反をした場合、運転者には以下のような罰則が科せられます。
過積載:6月以下の懲役または10万円以下の罰金
高さ・幅制限超過:3月以下の懲役または5万円以下の罰金
危険物積載違反:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
懲役刑や高額な罰金刑を科される可能性があるため、積載量違反は軽視できない犯罪です。
違反点数と行政処分
積載量違反を犯した場合、運転者には違反点数が付加されます。過積載の場合は最大6点、高さ・幅制限違反は3点が加算されます。
違反点数の累積により、運転者には免許停止などの行政処分が下されます。また事業者に対しても、違反車両の使用停止や事業の一部停止などの処分が科せられる可能性があります。
特に悪質な違反や違反の常習性が認められた場合は、事業許可の取り消しを含む厳しい処分が適用されるケースもあります。
社会的責任と企業リスク
積載量違反は、何よりも交通の安全を脅かし、重大な事故を引き起こすリスクがあります。違反車両が事故を起こした場合、運転者だけでなく事業者の社会的責任も厳しく問われます。
加えて近年は、企業の法令順守に対する社会の目が一層厳しさを増しています。積載量違反を黙認したり、違反を常習的に繰り返したりする事業者は、社会からの信頼を大きく損なうことになるでしょう。
10tトラックを運行する事業者は、関連法規の知識を深め、違反防止の仕組みを構築することが強く求められます。日々の運行管理の中で積載量の順守を徹底し、担当ドライバーの安全意識を高める取り組みが重要です。
積載量違反は法的にも社会的にも許されない行為です。ルールを順守し、安全運行を追求する姿勢こそが、運送事業者の存在意義であり、持続的発展の基盤となるのです。
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10tトラックの過積載を避けるための積載前点検のポイント4点
過積載を避けるために積載前に気を付けるべきポイントがいくつかあります。ここでは主なポイント4点を解説します。
1.全体重量の事前計算と車両総重量の確認
積載作業の前には、まず積荷の総重量を計算し、車両重量と乗員体重を加えた車両総重量が制限値以下に収まることを確認します。重量計算にはフォークリフトのメーターや荷札の数値を活用するほか、貨物のサイズから才数を割り出して重量換算する方法もあります。
一つ一つの貨物重量を把握し、車両に乗せる前の段階で総重量を算出しておくことが大切です。計算の結果、最大積載量をオーバーしそうな場合は、貨物を減らすか他の車両で運ぶなどの対策を講じる必要があります。
2.軸重と輪荷重の偏りをチェック
10tトラックには前後2つの車軸があり、1つの車軸にかかる荷重を「軸重」、左右のタイヤ1つにかかる荷重を「輪荷重」と呼びます。過積載の判断には車両総重量だけでなく、軸重と輪荷重の限度も守る必要があります。
積載時は貨物を平均的に荷台に配置し、軸重・輪荷重が片寄らないように注意しましょう。車軸やタイヤへの負荷が偏ると、タイヤの異常摩耗やサスペンションの故障につながります。重量物は荷台中央の車軸付近に、重心を低く配置するのが基本です。
数値的な目安としては、軸重は10t以下、輪荷重は5t以下に抑えるよう貨物を配分します。積載後にトラックスケールで実測することも有効な方法と言えるでしょう。
3.荷崩れ防止と重心バランスの確保
貨物の積み方によっては、運搬中の荷崩れが発生し、偏荷重による事故やトラックの不安定化を招くことがあります。積載前点検では、荷崩れ防止と重心バランスの観点からも積み方をチェックする必要があります。
まず貨物の形状に合わせて、隙間なく荷台にピッタリと積み込みましょう。隙間があると荷崩れの原因になります。また貨物の重心が車両中心から大きく外れないよう、左右対称かつ低い位置に重たいものを配置するのがコツです。
積載が完了したら、ロープやベルトで貨物をしっかり固定します。固定作業を怠ると、発進時や加速時に荷崩れが生じやすくなります。2つ以上の固定器具を使い、貨物のぐらつきがないことを確認しておきましょう。
4.運行ルートの積載制限を事前確認
運行ルート上の道路には、橋の設計荷重や高速道路の積載制限など、車両総重量に関わる規定が設けられています。ルートによっては、10tトラックの一般的な最大積載量をオーバーする場合もあり得ます。
運行前には必ず運行経路の積載制限を確認し、必要に応じて貨物量を調整したり迂回ルートを設定したりしましょう。無許可で制限超過車両を通行させると、道路構造物の損傷や交通違反に問われる恐れがあります。
日頃から各道路の情報を収集し、過積載リスクの少ない運行計画を立てることが肝要です。出発前点検の際にも、予定ルート上に重量制限区間がないかを改めて確かめておくと良いでしょう。
10tトラックの最大積載量を増やす方法はあるの?
10tトラックの最大積載量は増やすことはできないのでしょうか。結論、法律で定められているのでそれは不可能です。以下で詳しく解説します。
最大積載量は法律で定められているので増やせない
10tトラックの最大積載量は、道路交通法や道路運送車両法など複数の法律に基づいて規定されています。具体的には、車両の構造や強度、ブレーキ性能などに関する保安基準に適合するよう、車両総重量と軸重・輪荷重の限度が定められているのです。
法定の最大積載量は、車両を安全に運行できる設計上の限界を示したものです。そのため、車両の改造や部品交換などの方法で、最大積載量を簡単に引き上げることはできません。
仮に何らかの方法で積載量をオーバーしても、過積載車両として取り締まりの対象となります。運転手や事業者に罰則が科される他、違反点数の加算により車両の使用制限などのペナルティを受ける可能性が高いのです。
違法な改造は厳禁
中古トラックの中には、サスペンションの交換やリーフスプリングの枚数増加によって、不正に積載量を稼いでいる車両も見受けられます。こうした改造は保安基準に抵触する明らかな違反行為であり、交通機動隊によって厳しく取り締まられています。
違法な改造車両を運行した場合、悪質性が高いと判断されれば、多額の罰金刑や免許停止、事業停止処分など厳しい処分が下される可能性があります。また改造によって車両の安全性が損なわれ、重大事故を引き起こすリスクも高まります。
積載量増加を目的とした違法改造は、どんな理由があっても決して許されません。トラック運送事業者は、法令を順守し、安全運行を徹底することが強く求められているのです。
一方、10tトラックよりも大きな積載量が必要な場合は、増トン車と呼ばれる特殊な車両を導入する方法があります。増トン車は、車両の一部を補強することで、車両総重量と最大積載量の上限が引き上げられたトラックです。
ただし増トン車の運行には、各種の許可手続きや通行経路の制限など、クリアすべき条件が数多くあります。増トン車への代替を検討する際は、費用対効果を慎重に見極める必要があるでしょう。10tトラックの積載量を不正に増やすことは論外ですが、合法的な範囲で輸送効率を高める工夫は重要と言えます。
10tトラックのその他の積載制限を解説
高さ制限と幅制限
10tトラックの積載量は重量だけでなく、貨物の大きさにも制限があります。荷台に積める貨物の高さは、道路運送車両の保安基準により3.8メートル以下と定められています。これはトラックの全高が道路法の規定である4.1メートル以下に収まるためです。
また、はみ出し積載を防止し、すれ違い時の安全を確保する観点から、貨物の幅にも規制が設けられています。10tトラックの荷台幅は一般的に2.4メートル程度ですが、左右それぞれ0.15メートルの余裕を見て、積載物の最大幅は車両幅の2.5メートル以下とするのがルールです。
運転手は、貨物の形状を考慮しながら、高さと幅の両方の制限値を超えないよう積み付ける必要があります。長尺物や不定形な貨物を運ぶ際は、特に慎重な確認が欠かせません。
万が一、制限を超える貨物を運搬しなければならない事情がある場合は、特殊車両の通行許可を取得する必要があります。申請には貨物の詳細な寸法や通行経路などの情報提供が必須です。
危険物積載の制限
10tトラックで危険物を運ぶ際は、消防法や危険物運搬時の容器・積載方法に関する基準など、専用の規定に従う必要があります。具体的な制限の例としては、以下のようなものがあります。
・ガソリンは200リットル以下の専用容器に収納し、必ず屋根付き荷台に積載する
・可燃性液体と毒物の混載は原則禁止
・高圧ガスは容器の種類や積載量に応じて区分され、区分ごとに許容本数が定められている
・火薬類の積載には経路や時間帯の制約あり
こうした危険物は、事故発生時の被害が甚大となる恐れがあるため、輸送にはより一層の注意が求められます。運搬前にはコンテナの破損がないか、積載方法は基準に適合しているかをチェックしましょう。
危険物輸送を行う運転手には、国家資格である危険物取扱者の免許が必要です。事業者は、運転手の資格取得を徹底し、社内教育を通して安全意識の向上に努める必要があります。
危険物の種類や数量によっては、所轄消防署への届出や許可申請が必要なケースもあります。書類不備により出発が大幅に遅れることのないよう、手続きは早めに済ませておくことが賢明です。
まとめ:積載量を守り安全運転を心がけよう
10tトラックの積載量管理について、基礎知識から実務的なポイントまで幅広く解説してきました。最大積載量の計算方法をはじめ、車両形状による積載量の違いや過積載のリスクと罰則など、運行管理に欠かせない情報を網羅的にお伝えしました。
積載時の留意点としては、全体重量の事前計算や軸重・輪荷重の平均的な配分、荷崩れ防止と重心バランスの確保などが重要です。これらの点検項目を日々の運行前に確実にチェックすることで、過積載による違反を未然に防げるはずです。
また10tトラックには、高さ・幅・危険物積載など、重量以外の積載制限もあわせて順守しなければなりません。日頃から関連法規の知識を深め、コンプライアンス意識を高く保つ努力が運転手には求められます。
10tトラックの積載量ルールを正しく理解し、決められた手順に沿って点検を行い、安全運転を心掛ける。そうした地道な積み重ねが、交通秩序の維持と事故防止につながっていくのです。
本記事が10tトラックドライバーの安全意識向上の一助となれば幸いです。運送業界の更なる発展のためにも、一人ひとりが積載ルールを順守し、プロドライバーとしての誇りを胸に安全第一の運行を続けていきましょう。
こんなお悩みはありませんか?
- 「年収を上げたい…」
- 「ホワイトな職場に転職したい…」
- 「未経験だけどドライバーになりたい…」
近年、日本ではドライバーの数が減少傾向にあるため、今の職場よりも良い給与や環境で働ける企業から内定を獲得できる可能性が高まっているのです。
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