軽トラで雪道を走るときに知っておくべき注意点とコツを4つの観点から徹底解説！

トラック運転手やタクシー運転手、軽トラを所有する個人事業主の方にとって、雪道の走行は避けては通れない仕事のひとつです。しかし、普段から雪道に慣れているドライバーでも、冬の運転には細心の注意が必要不可欠。ここでは軽トラで雪道を安全に走るためのポイントを、準備、運転テクニック、トラブル対処法、車両管理の4つの観点から詳しく解説します。

軽トラの雪道走行に適した装備と準備

軽トラで雪道を走るなら、まず装備を万全にすることが大前提。特に重要なのがタイヤ選びです。雪道ではスタッドレスタイヤの装着が不可欠で、溝が深く柔らかいゴムのタイヤを選び、遅くとも初雪が降る2～3週間前には装着を済ませるのがベストな選択と言えるでしょう。

チェーンの選び方と装着方法

チェーンも必須アイテムの一つ。金属製チェーンは耐久性に優れますが装着に時間と手間がかかるのが難点です。一方、簡単装着タイプのゴム製チェーンならジャッキアップせずに数分で取り付けられるので、装着のしやすさを重視するならこちらがおすすめです。

視界確保のための準備

視界の確保も安全運転には欠かせない要素。フロントガラスの凍結を防ぐには凍結防止ガラスコーティングや雪用ワイパーがお役立ちです。ウォッシャー液は氷点下でも凍りにくいものを使用するのを忘れずに。

万一のトラブルに備えた車内装備

万一のトラブルに備えて、スコップ、長靴、防寒着、非常食、毛布などを車内に常備しておくことも重要。急な故障や立ち往生に備え、車外で作業できる装備を揃えておきましょう。

軽トラで雪道を安全に走るための運転テクニック

軽トラは車体が軽く小回りが利くので、フットワークを意識した運転が重要です。発進時はクラッチをゆっくりつなぎ、静かにアクセルを踏むのが正しい運転操作。1速発進を基本とし、無理な発進は避けるのがセオリーです。

カーブでの運転操作

カーブの手前ではしっかり減速し、ハンドルを切ったあとはアクセルを一定に保つのがコツ。下り坂ではシフトレバーを1速または2速に入れ、エンジンブレーキとフットブレーキを併用して減速します。

朝晩、日陰の路面凍結には要注意

また、日中の気温上昇で一度溶けた雪が夜間に凍結しやすいため、朝晩の路面状況と日陰には要注意。雪が積もった脇道への不用意な進入も控えめにしましょう。

事前に積載量や通行止め情報を確認

事前の下調べも忘れずに。出発前にはスマホなどで気象情報をチェックし、目的地付近の積雪量や通行止め情報を確認しておくのが賢明な選択です。

雪道で起きやすいトラブルと対処法

雪道ではスタックやスリップなどのトラブルに遭遇するリスクが高まります。タイヤが雪にはまって動けなくなったら、まずは前後進を繰り返したり、スコップで周囲の雪を払ったりして脱出を試みるのが定石。タイヤの下にマットやカーペットを敷くのも有効な脱出方法の一つです。

スリップへの対応

カーブなどで横滑りを感じたら、あわてずアクセルを緩め、ハンドルをまっすぐに戻すのがセオリー。いきなりブレーキを踏むと、さらに滑ってしまう危険性があるので注意が必要です。

ホワイトアウトへの対処

吹雪でホワイトアウトに見舞われたら、窓を開けて路肩との距離を確認。視界不良時は早めに車を止め、視界が回復するのを待つのが賢明な判断です。

他車への接触事故への備え

万一他車に接触してしまった場合は、まずは車外への避難が最優先。後続車に追突される危険があるため、安全が確認できるまでは車内にとどまるのが鉄則です。

立ち往生時の対策

エンストや立ち往生に備えて、燃料は半分以下になる前に給油し、こまめにエンジンを切るのを習慣づけましょう。また、マフラーが雪で覆われて排気ガスが車内に流れ込む一酸化炭素中毒にも細心の注意が必要不可欠です。

プロドライバーが実践する冬の車両管理術

安全運転を徹底するためには、日頃からの車両管理を怠らないことが何より肝要です。

出発前点検の重要項目

出発前にはバッテリー液量、ベルト類の亀裂、ワイパーの作動状態、冷却水の凍結の有無などを入念にチェックするのを習慣づけましょう。

運行後の手入れとメンテナンス

運行を終えたら、まずは車体全体の雪を払い落とすことから。特にドアやトランク周りはサビ防止のため、乾いた布で水気を拭き取るのを忘れずに。ドアパッキンにはシリコンスプレーを吹きかけて凍りつきを防ぎます。

ワイパーとオイル・不凍液の管理

ワイパーは、ブレードを立ててガラス面から浮かせておくと、夜間の降雪でも凍りつきを防止できます。エンジンオイルは粘度の低い0W-20などに交換し、不凍液は2年に1度の頻度で定期的に交換するのがメンテナンスのゴールデンルールです。

まとめ：軽トラで雪道を安全に走るためには

軽トラで冬の安全運転を徹底するには、何よりも入念な事前準備が欠かせません。タイヤ、チェーン、ワイパーなど、季節に合わせた装備を整えて、車両を最高のコンディションに保つことが大前提。そして運転中は常に余裕を持ち、ゆっくり運転を心がけるのが肝要です。急発進、急ブレーキ、急ハンドルは安全運転の大敵。万一のトラブルに備えた装備の用意も忘れずに。そして何より大切なのが、基本に忠実な車両管理。出発前の車両状態の綿密なチェックと、運行後の車体の手入れやパーツ点検を怠らない習慣づけが、安全運転の礎となるのです。