観光バス運転手はきつい？仕事の実態と未経験からの転職方法を解説

「観光バス運転手の仕事ってきついのかな？」と気になっている方もいるのではないでしょうか。確かに、観光バス運転手の仕事はハードなことで知られています。でも、それ以上にやりがいのある魅力的な職業でもあるのです。この記事では、観光バス運転手の仕事の実態を詳しく解説します。きついと言われる理由から、仕事の内容、向いている人の特徴まで、観光バス運転手の職業の全貌に迫ります。未経験からの転職を考えている方も必見です。

観光バス運転手の仕事はどれほどきついのか？

観光バス運転手の仕事は、他の職業に比べてかなりきついと言われています。その理由の一つが長時間労働と不規則な勤務です。早朝から深夜まで及ぶ長時間の運転は珍しくなく、宿泊を伴う長距離運転になると家族との時間もなかなか取れません。勤務シフトも不規則なため、生活リズムが乱れがちです。

また、大型車両を運転するため事故のリスクが高く、ひとたび事故を起こせば大きな被害につながります。乗客の命を預かるという重大な責任を負っており、事故を起こせば刑事責任や賠償責任を問われる可能性もあるのです。
乗客対応の難しさも観光バス運転手の仕事のきつさに拍車をかけています。乗客からのクレームや要望に適切に対応することが求められ、観光地に関する知識も必要とされます。訪日外国人観光客が増加する中、語学力も重要になってきています。
さらに、長時間の運転がもたらす肩こりや腰痛など身体的負担も小さくありません。飲酒運転など乗客のマナー違反に対応しなければならないこともストレスになります。渋滞による遅延など、思うように運行できない状況下でのプレッシャーも大きいのです。

観光バス運転手はやりがいのある仕事ですが、こうしたきつさがあることを理解しておく必要があります。向き不向きもあるので、自分に合っているかをよく考えることが大切です。

観光バス運転手の仕事の実態に迫る

観光バス運転手の仕事は、運転だけではありません。乗客の乗降時には誘導や荷物の積み下ろしを行い、車内ではアナウンスや料金収受なども行います。運行前には車両の点検や清掃も欠かせません。

運転以外の業務とは？

観光バス運転手は、乗客のサポートに多くの時間を割いています。停留所での乗客の誘導、荷物の積み下ろしのお手伝い、目的地や経由地での案内など、単なる運転手ではなく、サービス業としての役割も果たしているのです。料金収受や乗車券のチェックなども、運転手の重要な仕事の一つです。

バスガイドとの連携

観光バスには添乗するバスガイドが同行することが多く、運転手とガイドの連携が欠かせません。ツアーのスケジュール管理や、緊急時の対応などをスムーズに行うには、普段からのコミュニケーションが重要です。経験の浅いガイドをサポートすることも、ベテラン運転手の仕事です。

車両整備とメンテナンス

観光バスの運転手は、車両の安全運行に責任を持ちます。日常的な整備とメンテナンスを欠かさず行い、法定点検の管理も行います。万が一の故障やトラブルにも迅速に対応できるよう、車両の状態を常に把握しておくことが求められます。

観光バスの運転手の1日のスケジュール

観光バス運転手の1日は、出庫前の点呼とアルコールチェック、車両点検から始まります。出発前には乗客を確認し、定められた行程に沿って運転します。休憩時間には車内を清掃し、給油も行います。目的地に到着したら再び点検と清掃を行い、乗客を見送ります。帰庫後も点呼や書類の整理などの業務が待っています。
このように観光バス運転手の仕事は多岐にわたり、運転技術だけでなく、様々な業務をこなす能力が求められるのです。

観光バス運転手に向いている人の特徴4つ

観光バス運転手に向いているのは、どのような人でしょうか。以下で詳しく解説します。

1.必要なスキルと適性

まず、大型車両の運転スキルと安全運転への高い意識が不可欠です。長距離運転や悪天候など、厳しい条件下での運転を乗り切るための体力とストレス耐性も重要な適性と言えるでしょう。

2.ストレス耐性と忍耐力

長時間の運転はもちろん、道路の渋滞や乗客トラブルなど、様々なストレス要因に耐える忍耐力が求められます。緊急事態にも冷静に対処できる精神力の強さが必要です。

3.コミュニケーション能力

乗客との会話や添乗員とのやりとりなど、コミュニケーション能力も欠かせません。トラブル対応や乗客からの質問にも、親切で適切な応対が求められます。チームの一員として働く協調性も大切です。

4.柔軟性と状況判断力

突発的なトラブルやスケジュールの変更など、状況の変化に柔軟に対応できる適応力が重要です。様々な事態を想定し、安全を最優先しながら臨機応変に判断を下す能力が求められるのです。
観光バス運転手に向いているのは、高い運転技術とストレス耐性を備え、コミュニケーション能力と柔軟な判断力を持ち合わせた人だと言えるでしょう。

観光バス運転手に向いていない人の特徴3つ

観光バス運転手は魅力的な仕事ですが、誰にでも向いているわけではありません。

1.長時間座っているのが苦手な人

運転の仕事は、基本的に座ったままの姿勢が続きます。同じ姿勢を長時間維持することが苦手な人や、運動不足になりやすい人には向いていないかもしれません。定期的なストレッチや運動が欠かせません。

2.緊急時に冷静に対応できない人

事故やトラブル、乗客の急病など、緊急事態はいつ起こるかわかりません。そんな時、パニックに陥ったり冷静な判断ができない人は、観光バス運転手に不向きでしょう。どんな状況でも冷静さを保ち、適切な行動がとれる人が求められます。

3.車酔いしやすい人

バスの運転では、車特有の揺れや長時間の運転を伴います。乗り物酔いしやすい人にとっては、体調管理が難しい仕事です。万が一、運転中に車酔いの症状が出れば、安全運転に支障をきたしかねません。
自分の特性を理解し、観光バス運転手との相性を見極めることが大切だと言えるでしょう。

観光バス運転手のやりがい3つ

観光バス運転手の仕事にはきつさもありますが、それ以上に大きなやりがいがあります。

1.お客様を目的地まで安全に運ぶ責任とやりがい

観光バス運転手の使命は、乗客を安全に目的地まで運ぶこと。大きな責任を伴う仕事ですが、乗客から直接「ありがとう」と感謝の言葉をかけられた時、その責任の重さ以上にやりがいを感じずにはいられません。

2.観光地の魅力を再発見できる喜び

観光バス運転手は、様々な観光地を訪れる機会に恵まれています。名所を巡る中で、知らなかったその土地の魅力を発見できるのも大きな喜びです。乗客との会話から新たな気づきを得られることもあります。地域の魅力を乗客に伝えられるのも、やりがいの一つと言えるでしょう。

3.チームワークとコミュニケーションの大切さ

観光バスの運行は、運転手一人の力だけでは成り立ちません。添乗員やほかの運転手とのチームワークが何より大切です。お互いの役割を理解し、コミュニケーションを図ることで、より良いサービスを提供できます。チームの一員としての自覚と連帯感が、仕事のやりがいにつながっているのです。
観光バス運転手は単なる運転の仕事ではなく、お客様の安全と満足を守る重要な役割を担っています。大変な仕事ですが、そこに大きなやりがいを感じられる、魅力あふれる職業なのです。

未経験から観光バス運転手への転職は可能か？

「観光バス運転手に興味はあるけれど、未経験だから無理かな」と思っている人もいるかもしれません。でも安心してください。未経験からの転職は十分に可能です。ここでは、未経験から観光バス運転手を目指す際の重要ポイントをご紹介します。

必要な免許と資格

観光バス運転手に欠かせないのが、大型自動車第二種運転免許です。普通自動車免許だけでは観光バスの運転はできません。免許の取得には、ペーパードライバー講習と技能教習、適性診断などのステップが必要で、費用と時間がかかります。しかし、バス会社の中には免許取得を支援する制度を設けているところもあります。

二種免許の取り方については下記の記事も合わせてご確認ください。

2024年6月19日 二種免許は難しい？二種免許の難易度や取得条件・費用を徹底解説

養成所での訓練と心構え

多くのバス会社では、入社後に専門の養成所で研修を受けることになります。座学では交通法規や安全運転の知識を学び、実技訓練で高度な運転技術を身につけます。接客スキルやトラブル対応なども研修の一環です。期間は会社によって異なりますが、厳しい訓練に耐える覚悟が求められます。

未経験者歓迎の求人を探すコツ

バス業界では人手不足が深刻化しており、未経験者を積極的に採用する会社が増えています。応募の際は、経験よりも人物重視の採用を行っている会社を探すことがポイントです。また、先に述べた免許取得支援制度のある会社や、充実した研修制度を用意している会社は特に狙い目と言えるでしょう。

採用時に重視されるポイント

未経験者の採用では、何より安全運転への高い意識と適性が重視されます。

また、明るい人柄や優れた対人スキル、何事にも真摯に取り組む姿勢なども大切な評価ポイントです。「なぜバス運転手になりたいのか」「将来どのようなバス運転手になりたいのか」といった志望動機やキャリアビジョンを明確に持つことも求められます。

必要な資格取得には時間もコストもかかりますが、バス会社のサポート制度を上手に活用しながら、着実にステップアップを目指すことが大切です。未経験だからといって諦める必要はありません。バス運転手としての適性と強い意欲があれば、道は開けるはずです。

まとめ：観光バス運転手の仕事は大変な面もあるが魅力的な仕事

観光バス運転手の仕事は、確かにきついと言われるように大変な面もあります。長時間労働や不規則な勤務、事故のリスク、乗客対応の難しさなど、心身ともに負担の大きい仕事だと言えるでしょう。しかし、その一方で、お客様を安全に目的地までお連れするやりがい、観光地の魅力を再発見する喜び、チームワークの素晴らしさなど、観光バス運転手にしか味わえない魅力も数多くあるのです。

観光バス運転手に向いているのは、高いストレス耐性と忍耐力を持ち、コミュニケーション能力と状況判断力に優れた人です。逆に、狭い空間に長時間いることが苦手だったり、緊急時に冷静さを失ったりする人には不向きかもしれません。

たとえ未経験でも、必要な免許を取得し、養成所での訓練を乗り越えれば、観光バス運転手への道は開かれています。未経験者を歓迎する求人も増えており、バス会社の採用担当者は人物重視の選考を行っています。

観光バス運転手はきついだけの仕事ではありません。やりがいと魅力にあふれた、重要な役割を担う職業なのです。本記事が、観光バス運転手を目指す人の一助となれば幸いです。