軽貨物運送事業は儲かる？年収事情と儲からない理由、おすすめの代替案を解説！

軽貨物ドライバーとして独立を考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、軽貨物運送業界は厳しい競争環境にあり、利益を出し続けるのは容易ではありません。本記事では、軽貨物ドライバーの平均年収や業界の収益性など、独立前に知っておくべき業界の実情を詳しく解説します。また、厳しい環境下でも独立を成功させるためのコツや、軽貨物以外の運送・配送系の仕事についても紹介します。

軽貨物運送事業の厳しい収益性の現実

軽貨物ドライバーの平均年収は300〜400万円程度

軽貨物ドライバーの平均年収は、全国平均で300〜400万円程度といわれています。トラックドライバー全体の平均が450万円前後であることを考えると、かなり低い水準であることがわかります。
労働時間が長いわりには、収入が伴っていないのが実情です。中には頑張って高収入を得ているドライバーもいますが、業界全体としては厳しい状況が続いています。
特に個人オーナーの場合、売り上げからガソリン代や車両の維持費を差し引くと、手元に残る収入は少ないというケースが多いようです。

事業者の利益率は5%程度と非常に低い

軽貨物運送業界は、参入障壁が低く新規参入が相次いでいるため、価格競争が激化しています。その結果、事業者の平均的な利益率はわずか5%程度。
さらに軽油価格の高騰により、運送コストが上昇。それでも運賃への価格転嫁が難しいため、事業者の収益はさらに圧迫されています。
財務体質の弱い中小零細事業者は、恒常的な収益悪化に苦しんでおり、経営難に陥るケースも少なくありません。

車両コストや燃料代などのランニングコストがかさむ

軽貨物運送事業を行う上で、車両コストや燃料代などの固定費が重くのしかかります。
車両は定期的なメンテナンスや車検が不可欠で、架装費用もかかります。燃費の良くない車種が多いため、燃料代もかさみます。
駐車場代、保険料、高速道路料金など、ランニングコストは小さくありません。
売上が伸び悩むなか、コスト削減が難しいのが現状です。事故のリスクもあるため、運転手の人件費を抑えるわけにもいきません。
コストに見合った運賃設定ができないと、いくら売上を伸ばしても利益確保が難しいのです。

それでも軽貨物ドライバーとして独立・成功するための7つのコツ

厳しい業界環境の中でも、しっかりと利益を出し独立を果たしている軽貨物ドライバーが存在するのも事実です。彼らに共通しているのは、以下のような工夫と努力。マネできる部分はマネしつつ、自分なりの強みを見つけることが大切だと言えるでしょう。

付加価値の高いサービスを提供し、単価を上げる

1件あたりの運賃単価を上げるためには、何らかの付加価値が必要です。例えば、緊急配送や深夜・早朝配送など、特殊な時間帯の配送を請け負うことで、割増運賃を狙うのも一案。
また、納品時の検品作業や商品の設置、梱包・開梱など、運送以外の付帯サービスを充実させることでも、顧客の満足度を高め、運賃アップにつなげることができます。
総合物流サービスの提供を目指し、顧客ニーズに幅広く応えていくのが理想的です。

効率的なオペレーションで無駄をなくす

限られた時間の中で収益を上げるには、効率的なオペレーションが欠かせません。
配送ルートの最適化や、デジタコを活用した運行管理の徹底、庫内作業動線の見直しなど、ムダをなくす努力が必要不可欠。
ITツールも上手に活用し、稼働率を高めることが重要です。
さらに、伝票処理の自動化や、事務作業の効率化にも目を向けたいところ。
無駄な時間を徹底的に排除し、トラックを動かしている時間を増やすことが、売上アップのカギとなるでしょう。

法人顧客との長期契約を獲得する

スポット的な仕事だけでは、売上が不安定になりがち。可能な限り、法人顧客との長期取引を狙うべきです。
メーカーや商社、小売店など、継続的に配送を依頼してくれる顧客を開拓し、安定受注につなげたいもの。
長期的かつ計画的に売上を積み重ねることで、将来の設備投資や事業拡大の選択肢も広がっていきます。
単発の仕事で小銭を稼ぐよりも、長いお付き合いのできる顧客を大切にするという姿勢が成功の秘訣と言えるでしょう。

ラストワンマイル配送など専門性の高い分野を狙う

EC市場の拡大により、宅配の最終区間を担うラストワンマイル配送のニーズが高まっています。
重量物の配送や、大型商品の配送など、専門性の高いニッチな分野を狙うのも賢明な選択肢。
ラストワンマイルでは、即日配送や時間指定配送などのニーズも高く、高単価での受注が見込めます。
パソコンやオフィス用品など、商材を絞った専門特化戦略で他社との差別化を図るアプローチもアリでしょう。
常に新しい物流ニーズをキャッチし、最先端のサービスを提供し続けることが重要です。

Amazonなどの大手ECとの提携を目指す

Amazonをはじめ、大手のECモールやフードデリバリーサービスとの取引を狙うのも一案。
Uber Eats のような宅配代行サービスでは、主に軽貨物ドライバーが配送を担っています。
ECモールの配送パートナーになることで、安定的な配送量の確保が可能。
単独では難しい大口顧客の開拓にもつながります。
ただし、大手との取引では、運賃交渉力に乏しく、思うようにレートを上げられないことも。
提携のメリット・デメリットをよく吟味し、自社に合ったスタイルを選ぶことが肝要です。

副業として軽貨物をやるのもアリ

軽貨物ドライバーを本業として独立するのは、なかなかハードルが高いのが実情。
リスクを抑えつつ、軽貨物ビジネスに参入する方法として、副業としてスタートするのもアリでしょう。
本業の合間を縫って、空いている時間に配送を請け負う形。
初期投資を最小限に抑えられるほか、本業の安定収入があれば、無理のない運賃設定も可能です。
副業として軌道に乗せつつ、ゆくゆくは本業化を目指すという段階的なアプローチも選択肢の一つ。
いきなりオール・オア・ナッシングで独立するよりも、堅実な起業プランと言えるでしょう。

ガソリン価格の変動リスクにも備えておく

軽貨物ドライバーには、燃料価格の変動が経営を直撃するリスクがつきまといます。
ガソリン価格の高騰が長期化すれば、人件費や車両コストの削減をしても、利益を出し続けるのは難しい。
そこで重要になるのが、燃料サーチャージ制の導入。
運賃とは別建てで、燃料価格の変動分を上乗せする仕組みを、荷主企業との契約に盛り込んでおく必要があります。
また、環境性能の高い最新車両への買い替えを計画的に進めるなど、燃費対策も欠かせません。
さらに、エコドライブの徹底で燃料消費量そのものを減らす工夫も大切。
変動費の削減に総合的に取り組むことが、利益確保のカギを握ります。

軽貨物以外のおすすめ運送・配送系の仕事

軽貨物運送一本で独立するのが難しいと感じたら、同じ運輸業界の他の職種にチャレンジするのもよいでしょう。
トラックドライバーとして働き、ゆくゆくは独立を目指すというキャリアプランを描くことができます。

宅配便ドライバー – ヤマトや佐川などの大手で安定収入を得るのも一つの選択肢

宅配便最大手のヤマト運輸や佐川急便などでは、正社員のドライバーを募集しています。
福利厚生が整っているので、腰を据えて長期的なキャリアを歩むことができるでしょう。
大企業での安定収入を得ながら、将来的な独立の道を模索するという２段階の計画を立てるのも賢明です。
企業の変化に合わせて、転職や独立のタイミングをうかがうことが可能。
ロジスティクスのプロとしてのスキルを積んだ上で、独立するのがベストな選択と言えます。

下記の記事でも詳しく解説してますので、参考にしてください。

【完全版】クロネコヤマトの給料事情を大公開！年収・手当・賞与まで徹底解説

【徹底解説】佐川急便のドライバーの給料事情！手取りはどれくらい？

引越しドライバー – 繁忙期の高収入が魅力的

3月、4月の異動シーズンは、引越しドライバーの稼ぎ時。
慣れてくれば、月収100万円以上を狙える時期もあります。
経験を積んで信頼を得れば、引越しシーズンのみの季節労働という働き方もアリ。
社員登用制度のある会社なら、腰を据えて働くのもよいでしょう。
引越しで得たコネクションを生かし、将来的に軽貨物ドライバーとして独立するというシナリオも描けます。

バスやタクシーの運転手 – 二種免許を取得すれば様々な選択肢が

バスやタクシーの運転手になるには、二種免許の取得が必須。
ハードルは高いものの、大型二種免許があれば、トラックドライバーへの道も開けます。
路線バスの運転手なら、公営交通局への就職も視野に入る安定職。
高速バスなら、長距離輸送のスキルが身につきます。
タクシードライバーとしてのキャリアを経て、個人タクシー経営を目指すのも一案。
ステップアップしながら着実にキャリアを重ねる方法として、二種免許は強力な武器になるでしょう。

下記の記事でも詳しく解説してますので、参考にしてください。

バス運転手の年収を徹底解説｜路線や観光バスの種類、経験年数による給料の違い

タクシードライバーは稼げる？年収・給料事情から働き方まで徹底解説！

おすすめの転職サイト2選

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まとめ：軽貨物ドライバーとして独立する前に知っておきたいポイント

厳しい競争環境にある軽貨物運送業界で独立を果たすには、万全の準備が欠かせません。
参入障壁が低い一方、利益を出し続けるのは容易ではありません。
まずは入念な市場調査を行い、自社の強みを生かせる事業モデルを見極めること。
付加価値の高いサービス提供と効率的なオペレーションの両立を目指しましょう。

軽貨物一本に限らず、宅配便や引越しなど、他の運送業務との組み合わせも視野に入れること。
特に燃料価格の変動など、外的リスクへの備えは怠らないようにしましょう。

変化の激しい物流業界では、常に先を読み、事業モデルを進化させ続ける柔軟性も求められます。
自営の厳しさを知るためにも、まずは勤務ドライバーとしての経験を積むのがおすすめ。
その上で、周到な計画を立て、独立へのステップを踏んでいきたいものです。