バス運転手の年収を徹底解説｜路線や観光バスの種類、経験年数による給料の違い

バス運転手の仕事は、人々の生活を支える重要な役割を担っています。そんなバス運転手の気になる年収は、経験や勤務地によって大きく変わるようです。この記事では、バス運転手の年収の実態と、年収アップを目指すためのポイントを解説します。

バス運転手の平均年収はどれくらい？全国と種類別の年収事情

バス運転手の平均年収は約400万円

バス運転手の全国平均年収は約399万円で、タクシー運転手の平均年収より37万円高い水準にあります。バス運転手の仕事は、乗客の安全を第一に考えて運転する責任の重さがある一方、安定した雇用と収入が期待できる職業だといえるでしょう。

バスの種類によって運転手の仕事内容と年収が違う！

バス運転手の仕事内容と収入は、担当するバスの種類によって異なる傾向があります。路線バスは決まった区間を定時で運行するのに対し、観光バスは長距離運転やお客様対応が求められます。また高速バスや夜行バスは、深夜・早朝勤務による深夜手当で収入増加が見込めます。

路線バスの運転手は公営と民営に分かれ、公営バスの運転手は公務員として安定した収入が期待できます。民営路線バスの運転手の収入は、会社の業績に左右される部分もあるため、企業選びが重要だといえます。一方、観光バスの運転手は、経験を積むことで遠距離路線を任され、遠征手当などの収入増加が期待できるでしょう。

このように、バス運転手の仕事は一口にいっても様々です。自分に合った働き方ができるバスの種類を選ぶことが、仕事のやりがいと収入の両立につながります。

バス運転手の年収は地域差が大きい！経験年数でも給料が変わる

勤務地域による年収の違い

バス運転手の平均年収には、地域差が大きいことが分かります。令和4年賃金構造基本統計調査によると、最も高いのは神奈川県の501万円で、最も低い秋田県の278万円との差は223万円にもなります。

この背景には、都市部と地方の経済格差や、バス事業者の規模の違いなどがあると考えられます。年収重視でバス運転手を目指すなら、働く地域の選択も重要な要素だといえるでしょう。

経験を積むほど年収アップ！バス運転手の年齢・キャリア別年収

バス運転手の平均年収は、経験年数によっても大きな違いがあります。20代は300万円台ですが、30代で400万円近くに上昇し、40代には400万円台に乗ります。キャリアのピークとなる50代前半では、442万円に達します。

60歳以降は定年の影響で再雇用などにより年収は下がる傾向にあります。ただし体力面の負担も大きくなるため、バランスの取れたキャリアプランが求められます。

バス運転手としてキャリアを積むことが、年収アップの近道だといえます。ただし一定以上のキャリアを積んだら、次のステップとして運行管理者など管理職を目指すことも視野に入れると良いでしょう。

バス運転手の年収アップのコツは？キャリアアップで高収入を狙う

コツ1：大手企業や都市部の会社に転職する

バス運転手の年収アップを目指すなら、大手企業や都市部の会社への転職が有効です。規模の大きな会社は、福利厚生や教育制度が充実している傾向にあります。年収面でも、給与水準が高いケースが多いでしょう。都道府県ごとの平均年収はこちらに前述しているのでご参照ください。

ただし、人気企業は倍率が高くなりがちです。書類選考や面接でアピールできる経験やスキルを、日頃から意識的に身につけておくことが大切だといえます。

下記の記事も合わせてご確認ください。

2024年6月19日 バス運転手の年収ランキング大解剖！種類・地域別ランキングを解説

コツ2：夜間・長距離便を担当して手当を稼ぐ

バス運転手の年収アップに直結するのが、深夜手当や遠距離手当などの各種手当です。夜間・早朝の時間帯に運転する深夜バスや、長距離運行を担当することで、これらの手当を効率的に獲得できます。

ただし、生活リズムが不規則になるなど、体調面の負担は大きくなります。自己管理を徹底し、継続的に乗務できる体調作りを心がけましょう。会社によっては、希望を申請すれば深夜便などを優先的に担当できる制度もあります。アグレッシブに取り組むことが、年収アップのカギだといえます。

コツ3：キャリアアップでステップアップ！運行管理者や営業所長を目指す

バス運転手としてのキャリアを積んだら、運行管理者や営業所長などのマネジメントポジションを目指すのも一つの方法です。バス運転手の経験に加え、部下の育成や運行計画の策定など、管理業務のスキルが求められます。

教育制度の充実した会社なら、社内研修などを通じてこれらのスキルを身につけるチャンスがあるでしょう。昇進によって年収アップが期待できるほか、バス運転手とは違った働きがいを感じられるかもしれません。

バス運転手から運行管理者へ、さらには営業所長へとキャリアアップすることで、バス業界のプロフェッショナルとして活躍の場を広げることができます。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2024年6月15日 運行管理者の給料は？仕事内容や年収、未経験からの転職について解説！

コツ4：定期昇給の仕組みを確認する

バス会社の中には、経験年数に応じて自動的に昇給する制度を設けているところもあります。入社後の年収アップを考えるなら、こうした定期昇給の仕組みがあるかどうかを確認しておくと良いでしょう。

定期昇給の仕組みがある会社なら、無理なく着実に年収を上げていけます。逆に、そうした制度がない会社の場合は、自己アピールによる昇給交渉が必要になることも。

定期昇給制度の有無は、転職先を選ぶ際の判断材料の一つになります。年収アップを長期的に考えるなら、制度の確認を忘れずに行いましょう。給与規定を確認すれば、詳細が分かるはずです。

コツ5：無事故・無違反を徹底して信頼を獲得する

バス運転手にとって、安全運転は絶対に欠かせない心構えです。事故や違反を起こさない安全第一の姿勢は、会社からの信頼獲得にもつながります。

無事故・無違反を長年続けることは簡単ではありませんが、それを実現できれば高い評価を得られるでしょう。表彰制度があれば表彰されるチャンスも生まれます。運転手としての信頼は給与や賞与のアップ、さらには昇進にもつながる可能性を秘めています。

バス運転手の仕事の基本である安全運転。これを徹底することが、実は年収アップの近道だということを忘れてはいけません。日々の運転の積み重ねが、いずれ年収という形で実を結ぶはずです。

バス運転手になるには大型二種免許が必須！なり方を解説

バス運転手に必要な免許は大型二種免許

バス運転手として働くには、大型二種免許の取得が必須条件となります。正式名称は「大型自動車第二種運転免許」で、取得にはいくつかの要件を満たす必要があります。

受験資格は、普通免許を取得してから3年以上経過し、21歳以上であること。また視力や聴力、運動能力など一定の身体条件もクリアする必要があります。免許取得までのハードルは高いですが、バス運転手への第一歩となる重要な関門だといえるでしょう。

大型二種免許の取得方法と費用

大型二種免許の取得は、専門の自動車教習所で所定のカリキュラムを受講する必要があります。教習期間は教習所によって異なりますが、最短で2週間、長くて3ヶ月ほどが一般的です。

費用については、40万円～60万円ほどの教習料が必要になります。普通免許しか持っていない人にとっては、大きな負担だといえます。

一定の技能と知識を身につけて卒業検定に合格すれば、憧れのバス運転手への切符を手にできます。ただし多額の費用を払って教習所に通うことは、誰もがすぐに踏み出せる一歩ではないでしょう。計画的な準備が求められます。

未経験でもOK！バス会社の大型二種免許取得支援制度

バス運転手になりたいけれど教習所の費用が払えない、という人には朗報です。バス会社の中には「大型二種免許取得支援制度」を設けているところがあります。

この制度は、バス会社が教習費用を負担または立て替えてくれるもの。入社後に一定期間働けば返済が免除される仕組みです。

大型二種免許を持っていなくてもバス運転手になれるチャンスだといえます。ただし途中で退職すると費用の返済義務が生じるため、教習だけ受けて辞めてしまうことは許されません。

バス運転手になる熱意を持った人なら、この制度を活用して夢をかなえることができるでしょう。自分に合った会社を見つけることが大切です。

下記の記事も合わせてご確認ください。

2024年6月19日 二種免許は難しい？二種免許の難易度や取得条件・費用を徹底解説

まとめ：バス運転手の年収アップを目指すには

バス運転手の平均年収は約399万円。しかし担当するバスの種類や勤務地、経験年数によって大きな差があることが分かりました。年収アップのためには、都市部の大手バス会社への転職や、深夜バスなどの手当がつく運行を狙うのが効果的でしょう。

さらにキャリアアップして運行管理者や営業所長になれば、年収600万円以上も夢ではありません。ただしその前提として、大型二種免許の取得が必須。多額の費用がかかりますが、免許取得支援制度を使えば負担を抑えられます。

バス運転手は、人々の生活を支える重要な仕事。乗客の命を預かる責任の重さを自覚しつつ、安全第一で運行することが求められます。その一方で、バス業界のスペシャリストとしてステップアップできるやりがいもあるでしょう。

高い年収を目指しながら、安定した職業としてバス運転手人生を歩んでみてはいかがでしょうか。自分に合ったライフスタイルと理想の年収を両立できる、そんなキャリアプランを描いて挑戦してみてください。