自販機補充はやめとけと言われる5つの理由！仕事内容やメリットも併せて解説！

自販機補充の仕事は「やめとけ」「きつい」などと言われることがありますが、本当にそうなのでしょうか。この記事では、自販機補充の仕事の実態を詳しく解説し、メリットとデメリットを探ります。自販機補充が向いている人、向いていない人の特徴も紹介するので、この仕事を目指す方は参考にしてください。

そもそも自販機補充の仕事とは?

自販機補充スタッフの1日の流れ

自販機補充の仕事は、その名の通り自動販売機に商品を補充することが主な業務です。出社後、担当ルートの自販機を回る準備をします。1日に20〜30台ほどの自販機を巡回するのが一般的です。

自販機に着いたら、売れ残っている商品を確認しつつ、足りない分を補充します。商品補充と同時に売上金の回収も行います。自販機内や周囲が汚れていれば清掃作業も必要です。

担当ルートの巡回が一通り終わったら、営業活動に移ります。自販機の新規設置に向けて、企業や店舗、施設などに営業をかけ交渉するのです。うまくいけば新規設置につながり、インセンティブがもらえることもあります。

必要な資格は特になし・平均月収20-30万程度

自販機補充の仕事に就くために必要な資格は、基本的には運転免許だけです。ただし運転する車両の種類によって、必要な免許は異なります。

• 小型トラック: 普通自動車免許
• 中型トラック: 中型自動車免許
• 大型トラック: 大型自動車免許

普通免許だけでも務まるため、ハードルは高くありません。経験や資格は不問のケースがほとんどで、未経験から始められるのも特徴の一つです。

気になる給与水準ですが、月収20〜30万円程度というのが相場です。全業界や運送業界全体の平均年収と比べると低い水準だといえるでしょう。経験を積んでキャリアアップしても、大幅な昇給は見込めないのが実情です。

自販機補充スタッフの雇用先は、大手飲料メーカーの専属販売代理店や、自販機の管理・運営を主業務とするオペレーター会社などが挙げられます。正社員での募集が多いのも特徴です。

自販機補充の仕事を「やめとけ」と言われる5つの理由

1. 重労働で体力の限界が試される

自販機補充は、重たい商品を積み下ろしたり運んだりする重労働です。飲料の入ったケースは10〜20kg程度あり、一日に何度も持ち上げる必要があります。膝や腰に負担がかかるため、足腰を痛めてしまう恐れがあります。

また屋外の自販機も多いため、真夏の炎天下や真冬の寒空の下で作業することもあります。体力に自信のない人には厳しい仕事だといえるでしょう。一日中立ち仕事なので、足腰への負担は相当なものです。

2. 不規則な勤務時間で生活リズムが崩れる

ルート配送が基本のため、勤務時間が不規則になりやすいのも自販機補充の特徴です。早朝や深夜の勤務もあれば、勤務時間が大幅にずれ込むこともしばしば。残業や休日出勤も多いと言われています。

担当エリアが広いと、移動時間だけでもかなりの時間を費やすことになります。渋滞に巻き込まれれば、予定していた時間に仕事が終わらない可能性もあります。生活リズムが崩れやすく、プライベートな時間が取りづらいのは確かでしょう。

3. 単調な作業の繰り返しでモチベーションが維持できない

自販機補充は、毎日同じような作業の繰り返しです。マニュアル通りの仕事が多く、自分の裁量で工夫する余地はあまりありません。やりがいを感じにくく、モチベーションの維持が難しいと感じる人も少なくないようです。

商品補充、売上金回収、清掃など、1日のルーティンは基本的に変わりません。単調な作業が続くことで、仕事への意欲が湧かない、スキルアップ出来ている実感が持てないといった不満を抱えるスタッフは多いのではないでしょうか。

4. キャリアアップの可能性が限られている

自販機補充は、経験を積んでもスキルアップが給与に反映されにくい仕事です。管理職になるには限られたポストを競う必要があり、そう簡単ではありません。

他の仕事への転職を考えても、自販機補充で培ったスキルが役立つ場面は限定的。キャリアの選択肢が狭まると考える人が多いのはそのためです。「一生このままでいいのか」と将来に不安を感じるスタッフは少なくありません。

5. 低賃金で働きがいを感じにくい

きつい割には賃金が見合わないのも、自販機補充の悩みの種です。他の業界と比べると、給与水準は総じて低いと言わざるを得ません。

全業界平均の年収が約457万円、運送業界平均が約392万円なのに対し、自販機補充は年収300万円に届かないケースもあります。将来的に大幅な収入アップは望みにくく、長期的なキャリアプランが描きづらいのが現状です。

自販機補充の仕事は誰にでもお勧めできるわけではありません。求められるハードルの高さに見合った待遇が得られるとは言い難いのは事実。重労働を厭わない体力と、単調な作業を耐え抜くモチベーションが求められる仕事だと言えるでしょう。

自販機補充の3つのメリット

1. 運転スキルが磨ける

自販機補充は、運転スキルを磨く絶好の機会です。業務の大半が車の運転であり、さまざまな道路状況や交通ルールへの対応力が自然と身につきます。駐車スキルや車両感覚も養われるため、運転の腕に自信がつくでしょう。

積載スペースが限られる中で効率よく商品を載せる方法、狭い路地での駐車テクニックなど、経験を重ねるごとにドライバーとしてのスキルが向上していきます。運転の経験を積むことで、他の運送業へのステップアップのチャンスにもつ

なげていけるはずです。

2. 体力が鍛えられる

自販機補充は体力勝負の仕事ですが、それゆえに日常的なトレーニングの機会にもなります。重いドリンクケースを何度も持ち上げることで、自然と筋力がついていきます。一日中体を動かしているため、運動不足になる心配もありません。

ハードな肉体労働をこなすことで、次第に体力に自信がつくはずです。日々の業務をこなすことが、健康維持にも役立つと考えられます。座りっぱなしの仕事よりも、適度な運動習慣が身につくメリットは大きいでしょう。

3. コミュニケーション能力が身につく

自販機補充では、取引先とのやり取りも欠かせません。自販機設置のための営業活動はもちろん、売上金の回収時などにも顧客とコミュニケーションを取る必要があります。営業トークのスキルが磨かれ、対人スキルの向上が期待できます。

もともと人見知りな性格でも、仕事を通じて少しずつ克服できるかもしれません。あいさつや言葉遣い、態度など、ビジネスマナーが自然と身につくのも大きな収穫です。コミュニケーション能力は、どんな仕事でも役立つスキルと言えるでしょう。

自販機補充は体力的にハードな仕事ですが、それだけにやりがいを感じられる部分もあります。未経験から始められ、自分のペースである程度自由に働けるのも魅力の一つ。人間関係のストレスが比較的少ないのもメリットと言えるかもしれません。

自販機補充の仕事に向いている人

肉体労働が得意な若者

自販機補充は重労働なので、まずは体力に自信のある若者に向いている仕事だと言えます。特に20代、30代の体力のある男性であれば、十分にこなせるはずです。重たいドリンクケースを一日中運ぶことになるので、それを厭わない人でないと続けるのは難しいでしょう。

屋外の自販機も多いので、真夏の暑さや真冬の寒さにも耐えられる体力と忍耐力も必要です。風雨の中での作業もあるので、そういった環境下で働くことをいとわない精神力も求められます。

運転が好きでスキルアップを目指す人

何よりも車の運転が好きという人なら、自販機補充の仕事にはまる可能性が高いです。一日の大半を運転に費やすことになるので、運転自体が苦痛だと感じる人には不向きな仕事だと言えます。

ドライバーとしてのスキルを高めたい、将来的に運送業界でキャリアアップを目指しているという人にもおすすめです。自販機補充での経験が、ステップアップのチャンスにつながることもあるでしょう。

短期間で収入を得たい人

正社員雇用が基本の自販機補充は、とりあえず安定収入を得たいという人にもマッチします。未経験でもすぐに働き始められるので、早期に収入を得たい人も歓迎されます。

ただし長期的に見れば、キャリアアップの選択肢が限られるのも事実。あくまで「短期間」で収入を得るための選択肢と割り切るのがいいかもしれません。自販機補充を入り口に、他の仕事への転職を目指すというのも一つの方法でしょう。

一方で自販機補充は、体力に不安のある人や運転が苦手な人には向かない仕事だと言えます。一日中車を運転するのがつらいと感じるなら、無理に続ける必要はないでしょう。

極端に対人コミュニケーションが苦手な人も不向きかもしれません。顧客との交渉や打ち合わせも発生するので、最低限のコミュニケーション能力は必要不可欠だからです。

勤務時間が不規則になりやすいので、安定した勤務を望む人にはおすすめできません。高収入を目指す人にとっても、魅力的とは言い切れない職種だと考えられます。

自販機補充からのキャリアステップ

トラックドライバーへの転職

自販機補充で培った運転スキルを活かせる最もオーソドックスなキャリアパスが、トラックドライバーへの転職です。自販機補充車両の運転経験を土台に、大型トラックの運転手を目指すことができるでしょう。

長距離輸送や配送業務など、より高度な運転スキルが求められる仕事にチャレンジするチャンスです。大手運送会社や物流会社に転職するのも夢ではありません。ステップアップを目指すなら、大型免許の取得が重要なポイントになるはずです。

下記の記事で大型免許取得に関して、詳しく解説しています。

2024年6月19日 大型免許取得が難しい5つの理由｜実際の取得条件・合格率・費用を解説

配送センターでの管理職

自販機オペレーター企業に勤めているなら、社内での昇進を目指すのも一つの選択肢です。実務経験を積んだ後は、配送拠点の管理業務を任される可能性もあります。

マネジメントスキルを磨くことで、将来的には所長や支店長などの管理職を目指せるかもしれません。部下の育成や業務の効率化など、より高度な仕事にチャレンジできる環境が整っているはずです。

多岐にわたるキャリアパス

自販機補充で培った営業力を武器に、物流会社の営業職に転身するという道もあります。自販機設置のための営業経験は、物流営業でも十分に通用するはずです。

ルート開拓や新規顧客の獲得など、営業活動の最前線で力を発揮できるでしょう。営業成績次第では、将来的に営業のマネージャーになれる可能性もゼロではありません。より高いポジションを狙うためには、営業手法のブラッシュアップが欠かせません。

自販機補充は、必ずしも永遠の職業ではありません。より良いキャリアを目指すなら、自販機補充で得たスキルを武器に、新たなステージに挑戦してみるのも良いかもしれません。

運行管理者や危険物取扱者など、物流業界で役立つ資格の取得を目指すのも一案です。自己投資を怠らず、着実にステップアップを図ることが肝要だと言えるでしょう。

自販機補充は、キャリアアップのための下積み期間だと割り切るのも大切です。この仕事で得たスキルを武器に、新たな目標に向かって頑張ってみてはいかがでしょうか。

下記の記事で運行管理者について詳しく解説しております。

2024年6月19日 統括運行管理者とは？その役割や運行管理者との違いを完全解説！

まとめ

自販機補充は誰にでもお勧めできる仕事ではない

自販機補充の仕事は、重労働ときつさが付きものです。屋外作業も多く、汚れ仕事も避けられません。業界の平均年収と比べると、給与水準は決して高くありません。体力的にも精神的にもハードルが高いため、離職率が高く定着率が低いのが実情です。

誰にでもお勧めできる仕事とは言い切れないのは事実でしょう。向き不向きがハッキリしている職種だと考えられます。自分の適性を見極めることが何よりも大切だと言えます。

一時的な仕事として割り切るならメリットもある

一方で、自販機補充を一時的な仕事として割り切るなら、メリットも見えてきます。未経験から始められ、正社員雇用が基本なので、安定した収入を得られるでしょう。

運転スキルを磨けるのも大きな魅力です。重労働を通じて体力もつけられます。人間関係のストレスが比較的少ないのも、見逃せないポイントかもしれません。

割り切って取り組めば、自販機補充ならではの経験を積めるはずです。