医薬品配送がきついと言われる5つの理由！給料やメリット等も併せて解説！

医薬品配送ドライバーの仕事は、重量物の運搬や時間厳守などの点できつい面があると言われています。しかし、その一方で、安定した業務量や医療現場に貢献できるやりがいなど、魅力的な面もあるのです。本記事では、医薬品配送ドライバーの仕事の実態に迫り、きつさの理由からコツ、向いている人の特徴まで詳しく解説します。

そもそも医薬品配送ドライバーの仕事ってどんな仕事？

医薬品配送の業務概要と流れ

医薬品配送ドライバーの主な仕事は、医療機関や調剤薬局などに医薬品を届けるルート配送業務です。配送先や日程はあらかじめ決まっているため、慣れればルーティン化が可能な仕事だと言えます。
1日の流れとしては、出社後に注文伝票を確認し、医薬品の在庫確認と検品を行います。その後、配送先ごとに医薬品を車両に積み込み、決められたルートに沿って配送を開始します。配送先では再度検品を行い、受取印をもらって次の配送先へ向かいます。1日の配送が完了したら帰社し、受取伝票を提出します。この一連の流れを1日に数回繰り返すのが医薬品配送ドライバーの仕事です。

特別な資格は基本必要ない

医薬品配送に特別な資格は必要ありません。基本的には普通自動車免許があれば問題ありませんが、会社によっては中型や大型のトラックを使用することもあるため、その場合は中型免許や大型免許が必要になります。また、フォークリフトの資格を持っていると重宝される場合もあります。
車両はハイエースや軽貨物車両が一般的ですが、配送量や配送先によっては2tトラックや4tトラックを使用することもあるようです。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2024年6月19日 【2024年最新】2tトラックを運転するのに必要な免許は？普通免許で乗れる人・準中型免許が必要な人の違いを完全解説！

医薬品配送ドライバーの1日のスケジュール

医薬品配送ドライバーの1日のスケジュールは以下のようになります。

1. 出社後、注文伝票を確認し医薬品を検品
2. 配送先ごとに医薬品を車両に積み込み
3. ルートに沿って配送を開始
4. 配送先で検品と受取印をもらう
5. 次の配送先へ移動
6. 1日の配送が完了したら帰社し、受取伝票を提出
7. 1〜6を1日数回繰り返す

配送件数は会社やルートによって異なりますが、1日10〜50件程度が一般的です。多い日は50件以上の配送をこなすこともあるようです。
医療機関が診察時間内のみ受け取り可能であることや、時間指定の荷物が多いことから、限られた時間内で効率よく配送をこなすスキルが求められる仕事だと言えるでしょう。

医薬品配送ドライバーがきついと言われる5つの理由

1: 重量物の運搬と荷扱いの大変さ

医薬品配送では、小さな箱に入った軽量の医薬品だけでなく、輸液などの重量物を運ぶ必要があります。10kg以上ある段ボールを一人で運ぶことも珍しくありません。そのため、ある程度の体力が必要不可欠です。重い荷物を運ぶことに慣れていない人にとっては、きついと感じる要因の一つになるでしょう。

2: 確実な納品と時間厳守のプレッシャー

医療機関は診察時間内しか医薬品を受け取れないため、配送ドライバーは限られた時間内に確実に納品する必要があります。また、時間指定の荷物も多く、遅れると信頼を損ねかねません。道路状況や天候など、予期せぬトラブルに柔軟に対応しながら時間厳守を求められるプレッシャーは、大きな負担になります。

3: 薬品管理の責任の重さ

医薬品の中には、向精神薬のように紛失した場合に法律に基づく届け出が必要なものがあります。また、高額な薬品や冷蔵品など、特別な管理が必要なものも少なくありません。これらを確実に管理し、配送することは大きな責任を伴います。ミスが許されない緊張感が、ドライバーにとってのプレッシャーになります。

4: 医療関係者との難しい人間関係

配送先の医療機関では、医師や薬剤師など専門知識を持った人たちと接する機会が多くあります。中には気難しい人もおり、配送の遅れや間違いが許されない雰囲気があります。医療現場特有の緊張感の中で、円滑なコミュニケーションを取ることは容易ではありません。人間関係の難しさが、ドライバーのストレスになることもあるでしょう。

5: 単調な業務によるモチベーションの維持

医薬品配送は、毎日決められたルートを回る単調な業務です。効率化のために同じ作業を繰り返す必要がありますが、それがマンネリ化し、モチベーションの維持が難しくなることがあります。しかし、確実な配送のためには、高いモチベーションを保ちながら誠実に業務をこなす必要があります。この単調さとモチベーションのバランスを取ることが、ドライバーにとっての課題だと言えます。

以上が、医薬品配送ドライバーの仕事がきついと言われる主な理由です。体力的な面だけでなく、精神的なプレッシャーも大きいことが分かります。単調な業務の中で確実性を求められる点は、他の配送業務にはない難しさだと言えるでしょう。

医薬品配送ドライバーの給料事情

平均年収は300-350万程度

医薬品配送ドライバーの平均年収は、300〜350万円程度(※dodaの求人を参考に自社調べ）です。宅配ドライバーの平均年収が400〜500万円程度(※dodaの求人を参考に自社調べ）であることを考えると、やや低い水準だと言えるでしょう。医薬品配送は、ルート配送という性質上、単調な仕事になりがちです。そのため、他の配送業務と比べて高収入を得にくいのが現状です。

ただし、中には平日のみの勤務で月収40万円を稼げる案件もあるようです。条件の良い案件に巡り合えれば、高い収入を得ることも可能だと言えます。

経験年数や勤務地による給与の違い

医薬品配送ドライバーの給与は、経験年数やスキルによって差が出ることがあります。ベテランドライバーは、効率的な配送ルートを知っていたり、医療機関とのコミュニケーションに長けていたりするため、高い給与を得られる可能性が高くなります。

また、勤務地によっても給与水準に差が出ることがあります。都市部では、配送先の医療機関の数が多く、配送量も多い傾向にあります。そのため、地方と比べると給与水準が高くなる傾向があります。

他の配送業務との給与比較

先述の通り、医薬品配送ドライバーの平均年収は、宅配ドライバーと比べるとやや低い水準にあります。また、長距離トラックドライバーの平均年収が500〜600万円程度であることを考えると、かなり見劣りすると言えるでしょう。

ただし、医薬品配送は、宅配や長距離トラックと比べると、比較的残業が少なく、勤務時間が安定しているというメリットがあります。生活のリズムを崩さずに働けることは、医薬品配送ドライバーの大きな魅力の一つです。

収入面では他の配送業務に劣るかもしれませんが、ライフスタイルに合った働き方ができるという点は、医薬品配送ドライバーの強みだと言えます。自分の優先順位に合わせて、仕事を選ぶことが大切でしょう。

きつさを乗り越える！医薬品配送ドライバーのメリット

1: 安定した業務量と収入

医薬品配送は、配送先と日程が決まっているルート配送業務です。そのため、宅配のように急な増便や長時間労働になりにくいのが特徴です。業務量が安定しているため、収入面でも安定しているのがメリットだと言えます。

予定通りに仕事を進められるので、プライベートの予定も立てやすくなります。ワークライフバランスを重視する人にとっては、大きな魅力になるでしょう。

2: 比較的残業が少ない

医薬品配送は、配送先の医療機関の診察時間に合わせて配送する必要があります。そのため、宅配や長距離トラックと比べると、残業が少ない傾向にあります。

もちろん、交通渋滞やトラブルなどで予定通りに配送できないこともありますが、基本的には決められた時間内で業務を終えられます。プライベートの時間がしっかりと確保できるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。

3: ルーティンワークによる効率化

医薬品配送は、毎日同じルートを回る業務です。そのため、慣れてくると効率的に配送できるようになります。配送ルートや医療機関の受取場所など、一度覚えてしまえば、スムーズに業務をこなせるようになるでしょう。

ルーティンワークによる効率化は、業務の負担を軽減するだけでなく、ミスを防ぐことにもつながります。安全で確実な配送は、医薬品配送ドライバーに求められる大切なスキルです。

4: 医療現場に貢献できるやりがい

医薬品配送は、医療現場を支える重要な仕事です。医薬品を届けることで、患者の治療に間接的に貢献できます。「自分の仕事が医療を支えている」という実感が得られることは、大きなやりがいにつながります。

医薬品配送ドライバーの中には、「患者さんの治療に役立てていると思うと、きつい仕事も頑張れる」と話す人もいます。目に見えるかたちではないかもしれませんが、医療現場に貢献できることは、医薬品配送ドライバーならではのやりがいだと言えるでしょう。

医薬品配送の仕事は、きつい面もありますが、メリットも多くあります。安定した業務量や残業の少なさ、効率化によるミスの防止、医療現場に貢献できるやりがいなど、魅力的な点が様々あります。きつさを乗り越えられるかどうかは、これらのメリットをどれだけ自分のモチベーションにできるかにかかっていると言えるでしょう。

ベテランドライバーに聞く！きつさを超える3つのコツ！

1: 効率的な荷物の積み方と運搬方法

医薬品配送では、重量物を運ぶ必要があるため、効率的な荷物の積み方と運搬方法を身につけることが大切です。ベテランドライバーに聞いた効率的な方法は以下の通りです。

これらの工夫を取り入れることで、重量物の運搬がスムーズになり、体への負担も軽減できます。

2: 配送ルートの最適化と時間管理術

医薬品配送では、限られた時間内で効率的に配送する必要があります。ベテランドライバーが実践している配送ルートの最適化と時間管理術は以下の通りです。

これらの工夫により、効率的な配送が可能になります。時間管理は、医薬品配送ドライバーにとって非常に重要なスキルだと言えるでしょう。

3: 医療関係者とのコミュニケーションスキル

医薬品配送では、医療機関のスタッフとのコミュニケーションが欠かせません。ベテランドライバーが心がけているコミュニケーションスキルは以下の通りです。

医療機関のスタッフとの円滑なコミュニケーションは、スムーズな配送につながります。明るく丁寧な対応は、信頼関係の構築にも役立つでしょう。

医薬品配送ドライバーに向いている人の特徴

体力があり、きめ細やかな作業ができる

医薬品配送ドライバーに向いている人の特徴の一つは、体力があり、きめ細やかな作業ができることです。医薬品配送では、重量物の運搬や長時間の運転が必要となります。体力がないと、仕事のきつさに耐えられないでしょう。

また、検品作業など、細かい作業を丁寧にこなすことも求められます。器用さがないと、ミスにつながってしまう可能性があります。体力と器用さを兼ね備えていることが、医薬品配送ドライバーに向いている人の条件だと言えます。

正確さと時間厳守を重視できる

医薬品配送では、正確さと時間厳守が非常に重要です。医薬品の取り違いや紛失は、患者の治療に影響を与えかねないため、絶対に避けなければなりません。正確な配送ができるかどうかは、医薬品配送ドライバーの適性を判断する上で重要なポイントです。

また、医療機関への配送は、時間指定が多いのが特徴です。遅れることは許されないため、時間を守ることが求められます。正確さと時間厳守を重視できる人は、医薬品配送ドライバーに向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション能力が高く、柔軟に対応できる

医薬品配送ドライバーは、医療機関のスタッフとのコミュニケーションが欠かせません。配送先ごとの受取方法や注意点を把握し、円滑にコミュニケーションをとることが求められます。コミュニケーション能力が高い人は、医療機関のスタッフとの良好な関係を築くことができるでしょう。

また、医薬品配送では、トラブルが発生することもあります。そのような場合には、柔軟に対応することが重要です。臨機応変に対応できる柔軟性がある人は、医薬品配送ドライバーに向いていると言えます。

モチベーションを維持し、地道な作業を続けられる

医薬品配送は、単調な業務が多いのが特徴です。毎日同じルートを回り、同じ作業を繰り返すことになります。このような仕事が続くと、モチベーションを維持することが難しくなることがあります。

医薬品配送ドライバーに向いている人は、モチベーションを維持し、地道な作業を丁寧に続けられる人です。忍耐力と継続力がある人は、医薬品配送の仕事に適しているでしょう。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2024年6月19日 ルート配送ドライバーに向いている人とは？メリット・やりがい等も併せて完全解説！

医薬品配送ドライバーのキャリアステップ

配送リーダーや現場管理職へのステップアップ

医薬品配送ドライバーとして経験を積んでいくと、配送リーダーや現場管理職へのステップアップのチャンスがあります。配送リーダーは、配送ルートの管理や後輩ドライバーの指導を担当します。効率的な配送ルートの設定や、ドライバーの育成に携わることができるでしょう。

さらに、現場管理職として、配送業務全体の効率化や改善に取り組むこともできます。医薬品配送の現場経験を活かし、業務の問題点を発見し、改善策を提案することが求められます。管理職としてのスキルを磨くことで、キャリアアップを目指すことができるでしょう。

物流管理や営業職への職種転換

医薬品配送ドライバーとしての経験を活かし、物流管理や営業職への職種転換を目指すこともできます。物流管理職として、医薬品の在庫管理や輸送計画の立案に携わることができるでしょう。医薬品配送の現場経験は、物流管理の業務に役立つはずです。

また、医療機関とのコミュニケーション経験を活かし、営業職に転身することも可能です。医薬品卸売会社の営業として、医療機関に医薬品を提案し、販売することができるでしょう。医薬品配送ドライバーとしての経験は、医療機関のニーズを理解する上で役立つと考えられます。

独立開業や起業の可能性

医薬品配送ドライバーとして、十分な経験とノウハウを積んだ後は、独立開業や起業の選択肢もあります。個人事業主として、医薬品配送の仕事を請け負うことができるでしょう。自分の裁量で仕事を進められるため、やりがいを感じられる可能性があります。

さらに、医薬品配送の会社を立ち上げ、起業するという選択肢もあります。自分の経験を活かし、効率的で質の高い医薬品配送サービスを提供することができるかもしれません。独立開業や起業には、リスクもありますが、大きなチャンスでもあります。

まとめ: 医薬品配送ドライバーはきつい？向いている人の特徴とは

医薬品配送ドライバーの仕事は、重量物の運搬や時間厳守などの点できつい面があることは確かです。体力的にも精神的にも、負担が大きい仕事だと言えるでしょう。しかし、一方で、安定した業務量や残業の少なさ、医療現場に貢献できるやりがいなど、魅力的な面もあります。

医薬品配送ドライバーに向いている人の特徴としては、体力があり、正確で時間厳守を重視できる人が挙げられます。また、コミュニケーション能力が高く、柔軟に対応できる人も適していると言えるでしょう。さらに、モチベーションを維持し、地道な作業を続けられる忍耐力と継続力も必要です。

医薬品配送ドライバーの仕事のきつさを乗り越えるためには、ベテランドライバーのコツを参考にすることが有効です。効率的な荷物の運搬、配送ルートの最適化、医療関係者とのコミュニケーション、ストレス対処と体調管理など、様々な工夫を取り入れることが大切だと言えます。

医薬品配送ドライバーのキャリアステップとしては、配送リーダーや現場管理職へのステップアップ、物流管理や営業職への職種転換、独立開業や起業などの可能性があります。自分の強みや目指す方向性に合わせて、キャリアを築いていくことができるでしょう。