コープの配送ドライバーがきついと言われる4つの理由！給与事情も併せて解説！

コープ(生協)の配送ドライバーは、一般的な宅配ドライバーとは仕事内容が大きく異なります。ルート配送や営業活動など、特殊な業務も多く、ドライバーの適性が問われる職種だと言えるでしょう。一方で、アットホームな職場環境や、やりがいのある仕事内容など、魅力的な面も少なくありません。この記事では、コープドライバーの仕事の実態に迫ります。

コープ(生協)の配送ドライバーとは？仕事内容や特徴を解説

出典:https://ryutsu-recruit.net/driver/

コープ(生協)という組織の概要

コープ、正式には生活協同組合(生協)とは、消費者が自ら出資し運営する協同組合のことを指します。組合員は生活に必要な商品を一括して購入したり、共済(保険)に加入したりできるなど、さまざまな特典を受けられます。

コープは地域に密着した活動を行っており、組合員の日常生活をサポートしています。食の安全や環境保護、社会貢献なども重視しているのが特徴です。

コープの配送ドライバーの主な仕事内容

コープでは、日用品や食料品を組合員の自宅まで届ける宅配サービスを提供しています。その宅配を担当するのがコープの配送ドライバーです。

一般的な宅配業務と大きく異なるのは、個別の注文に応じて配送するのではなく、ルート配送が基本だという点です。あらかじめ決められた組合員宅を定期的に訪問し、商品を届けていきます。

また、単なる配達だけでなく、おすすめ商品の紹介、共済(保険)への勧誘、新規組合員の勧誘なども配送ドライバーの重要な仕事となります。営業スキルが求められる部分でもあります。

一般的な配送ドライバーとの違い

一般的な配送ドライバーは、荷物を配達することに特化しているのに対し、コープの配送ドライバーは営業的な側面も持ち合わせているのが大きな違いです。

固定の配送ルートを回るため、各家庭との継続的な関係性を築くことが重要になります。そのため、コミュニケーション能力が問われる仕事だと言えます。

一方で、ルート配送のメリットとして、効率的に配達ができるほか、道に迷うリスクが少ないという点があります。

コープドライバーになるには、生協と直接雇用契約を結ぶ場合と、生協から業務委託を受けた運送会社に所属する場合の2通りがあります。必要とされる資格は普通自動車免許のみなので、ハードルは比較的低いと言えるでしょう。

このように、一般的な配送ドライバーとは業務内容が大きく異なるコープの配送ドライバー。関わり方次第では、やりがいを感じられる仕事ですが、営業が苦手な人にとっては厳しい職種だと言えそうです。

コープの配送ドライバーがきついと言われる4つの理由

1. 営業ノルマがある

コープの配送ドライバーには、商品の売り上げ、共済の契約獲得数、新規組合員の勧誘数などのノルマが課せられています。配送業務だけでなく、営業活動も同時にこなす必要があるのです。

ノルマの達成には高いコミュニケーション力が求められます。お客さんとの雑談の中から、ニーズを汲み取ったり、商品の魅力を上手く伝えたりする必要があります。営業が苦手な人にとっては、かなりの負担となるでしょう。

ノルマが達成できないと、ペナルティを課せられたり、場合によっては契約を打ち切られたりするリスクもあります。営業ノルマの存在は、コープドライバーの大きなプレッシャーとなっています。

2. 配達先との煩わしい人間関係

ルート配送では、同じ顧客と定期的に顔を合わせます。良好な関係を築くことが理想ですが、時にはトラブルも発生します。

例えば、商品に対するクレームへの対応は、配送ドライバーの大きな悩みの種です。長年の顧客だからこそ、強気に出られることもあります。こうした感情労働的な側面への対処は、ドライバーにとって大きな負担となります。

また、いくら顧客とは言え、勧誘をことわられることも少なくありません。断られ続けることで、モチベーションが下がってしまうドライバーもいるようです。

3. 時間に追われるルート配送

ルート配送は、一軒一軒回っていく方式なので効率的に見えますが、実際には1日の配達量はかなり多くなります。朝から晩まで、休む間もなく配達を続けなくてはなりません。

各家庭での滞在時間も限られているので、荷物の積み下ろしや商品の説明などをテキパキとこなす必要があります。スピード感が求められる仕事だと言えます。

また、道路の渋滞などで遅れが出た場合、挽回するのは非常に困難です。定刻通りに配達できないと、顧客からの信頼を失いかねません。

4. 体力的な負担が大きい

コープドライバーは、基本的に一人で一日中車を運転し続けます。長時間の運転は、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積しやすくなります。

さらに、荷物の積み下ろしは重労働です。一日に何度も繰り返すことになるので、腰痛など体に負担がかかります。

車内は、夏場は暑く、冬場は寒いので、体調管理にも気を遣う必要があります。熱中症や風邪を引かないよう、こまめな水分補給や適度な休憩が欠かせません。

このように、コープドライバーは肉体的にきついと感じる人が多いようです。アルバイトなど、一時的な仕事ならともかく、長く続けるのは体力面でもかなりの覚悟が必要そうです。

こちらの記事ではルート配送全般に関して解説してますので、ぜひ参考にしてください。

ルート配送ドライバーの仕事はきつい？メリット、年収も併せて完全解説！

意外と知られていないコープドライバーの3つのメリット

1. アットホームな職場環境

コープドライバーは、基本的に同じルートを定期的に回ります。つまり、毎回同じ顧客と顔を合わせるということです。

配達を重ねるごとに、顧客との距離が縮まっていきます。世間話をしたり、家族の話をしたりと、いつしか友達のような関係になるお宅もあるようです。

顧客から「いつもありがとう」「あなたの配達が来るのを楽しみにしているの」といった心温まる言葉をかけられることも。そうした言葉が、仕事のやりがいにつながっているドライバーは少なくありません。

また、先輩ドライバーとの関係も良好です。営業成績を上げるコツなども、気さくに教えてもらえます。アットホームな職場環境は、コープドライバーの大きな魅力だと言えるでしょう。

2. プライベートとバランスがとりやすい

コープドライバーは、シフト制で働くことが一般的です。平日だけ、あるいは土日だけといった具合に、ある程度希望を聞いてもらえることが多いようです。

プライベートの予定とも両立しやすく、働きやすい環境だと言えます。子育て中の人や、介護をしている人にとってもありがたい制度設計だと言えそうです。

また、担当ルートが固定されているので、業務の予定が立てやすいのもメリットです。おおよその拘束時間が読めるので、働く時間のコントロールがしやすくなります。

ルート配送の合間の時間は、比較的自由に使うことができます。休憩をしっかり取れるので、長時間の運転による疲労も軽減できそうです。

他の配送業と比べると、コープドライバーは働く時間帯や働き方の融通が利きやすい部類に入るのではないでしょうか。

3. 女性や初心者でも活躍できる

コープドライバーになるために必要な資格は、普通自動車運転免許だけです。もちろん、大型免許やAT限定解除などがあれば良いですが、必須ではありません。

また、ルート配送がメインなので、細い路地に入ったり、狭い駐車スペースに停めたりといった高度な運転テクニックも必要ありません。運転に自信がない人でも、十分に活躍できる環境だと言えます。

コープドライバーとして長年働いているベテランドライバーも多く、そうした人たちが未経験の新人を丁寧に指導してくれます。

最近では、コープドライバーを志望する女性も増えつつあります。重たい荷物の配達などがネックになりそうですが、電動台車の活用などで工夫されているようです。

他の運送業と比べると、未経験者や女性でも比較的参入しやすい職場だと言えそうです。やる気と人柄さえよければ、男女問わずチャンスがありそうです。

気になるコープドライバーの給料・年収事情

平均年収は300万円〜450万円程度

コープドライバーの平均年収は、300万円〜450万円程度と言われています。他のルート配送ドライバーと比べると、比較的高めの水準だと言えるでしょう。

ただし、これはあくまで平均値であり、勤続年数などによって幅があります。経験を積めば積むほど、給与もアップしていく傾向にあるようです。

コープドライバーの月収は、基本給が20万〜30万円ほど。これに各種手当が上乗せされ、平均的な総支給額は25万〜37万円程度になります。税金や社会保険料などを差し引いた手取り額は、おおむね20万〜30万円といったところでしょう。

給与はこちらを参考にしてます。

委託ドライバーと直接雇用の待遇の違い

コープドライバーの雇用形態には、大きく分けて委託と直接雇用の2種類があります。

基本的には、直接雇用のドライバーのほうが、給与や福利厚生などの面で恵まれています。安定した収入が期待でき、社会保険なども完備されているケースが多いようです。

一方、業務委託で働くドライバーは、収入面で不安定さがあります。労働時間に対して賃金が支払われるシステムなので、仕事量が少ない月は収入も下がってしまいます。

ただし、生協と専属的に契約を結んでいるケースでは、委託でもそれなりの待遇が保証されているようです。

いずれにせよ、雇用形態の違いは重要なポイントなので、応募の際にしっかりとチェックしておく必要があるでしょう。

他の配送ドライバーと比較して、年収はやや高め！

他の配送業、例えば大手宅配便などのドライバーと比べた場合、コープドライバーの年収はやや高めだと言われています。

ただし、これは単純に金額だけを見た場合の話です。宅配便ドライバーのほうが、1日の拘束時間が長いケースが多いので、トータルの労働時間で考えると、必ずしもコープドライバーが高収入とは言えません。

とは言え、コープドライバーは1日の労働時間が比較的短く、それでいて高めの時給設定がされているケースが多いようです。

つまり、ワークライフバランスを大切にしたい人にとっては、コープドライバーは魅力的な選択肢の一つだと言えるでしょう。

ただし、これはあくまで一般論であり、個別の事情によって異なる部分もあります。自分に合った働き方ができるのか、よく見極める必要がありそうです。

コープの配送ドライバーに向いている人の特徴3選

1. 人との接し方が上手い

コープドライバーは、同じ顧客のもとを定期的に訪問します。つまり、常連客とのコミュニケーションが欠かせない仕事だと言えます。

ただ単に荷物を届けるだけでなく、ちょっとした雑談や近況報告など、さりげない会話を交わせる人が向いているでしょう。相手の話に耳を傾け、気持ちに寄り添える感性も大切です。

また、おすすめ商品の案内など、営業トークも必要になります。売り込みがしつこすぎると嫌がられてしまうので、さじ加減が難しいところ。相手の反応を見ながら、臨機応変に話を進められる能力が求められます。

何より大切なのは、相手の立場に立って考えられる思いやりの心ではないでしょうか。相手のペースに合わせて、円滑にコミュニケーションが取れる人が、コープドライバーに向いていると言えそうです。

2. 体力に自信がある

コープドライバーの仕事は、肉体的にかなりハードです。

例えば、1日の配達軒数は多いときで100件以上。1軒1軒、玄関先まで荷物を運ぶので、その積み下ろし作業だけでもかなりの重労働です。

また、長時間の運転による疲労も無視できません。常に集中力を保ちながら、安全運転を心がける必要があります。

特に夏場は、車内の温度が上がりやすく、熱中症のリスクも高くなります。炎天下で玄関先に立っているだけでも、かなりの体力を消耗してしまいます。

こうした状況下でも、ヘトヘトになることなく働けるのは、体力に自信がある人だけ。疲れ知らずの体力があってこそ、初めてこの仕事はこなせるのです。

3. ルーティンワークが好き

コープドライバーの業務は、基本的に毎日同じことの繰り返しです。

決められたルートを回り、いつもの顧客に商品を届ける。商品の説明や、集金などの業務も、いつも大差ありません。

こうしたルーティンワークが苦手な人は、すぐに飽きてしまうかもしれません。毎日同じことをするのが退屈に感じ、だんだんとやる気を失ってしまうおそれがあります。

一方で、コツコツ働くのが好きな人にとっては、うってつけの仕事だと言えるでしょう。

毎日決まった仕事をこなすことで、着実に顧客との信頼関係を築いていくことができます。ルートを効率的に回れるようになれば、時間に余裕もできます。そうしたちょっとした達成感の積み重ねが、仕事のやりがいにつながっていくのです。

コープドライバーに向いているのは、小さな努力を重ねていくことで、確かな手応えを感じられる人だと言えそうです。

下記の記事でもルート配送全般に関して解説してますので、ぜひ参考にしてください。

ルート配送ドライバーに向いている人とは？メリット・やりがい等も併せて完全解説！

コープドライバーのキャリアステップ・スキルアップ方法

リーダー・管理職への昇進ルート

コープドライバーとして一定の経験を積むと、リーダーや管理職に昇進するチャンスがあります。

例えば、後輩ドライバーの指導係を任されたり、複数のルートを束ねる立場に就いたりと、徐々に責任あるポジションに就けるようになるのです。

さらに、配車管理や人員管理など、マネジメント業務を担当することも。ドライバーの頃には見えなかった、物流の全体像を把握できるようになります。

こうしたキャリアステップを目指すには、日頃からリーダーシップを発揮し、周囲から信頼される存在になることが大切。与えられた仕事をこなすだけでなく、常に課題意識を持って業務に取り組む姿勢が求められます。

管理職となれば、部下の育成も重要な仕事の一つ。後進を指導しながら、自身の知識とスキルもさらに磨いていくことが必要となるでしょう。

資格取得によるスキルアップ

コープドライバーのスキルアップを支援するため、資格取得のサポート制度を用意している生協も少なくありません。

例えば、大型免許の取得費用を会社が負担したり、取得に向けた勉強会を開いたりなど、さまざまな援助を受けられます。

大型免許を取れば、より大きな車両の運転が可能になるので、配送効率を高められるメリットがあります。

そのほか、フォークリフトの運転資格など、物流の現場で役立つ資格の取得を推奨しているケースもあります。

倉庫内の荷物の積み下ろしなどで重宝するスキルなので、業務の幅を広げるチャンスにもなります。

こうした資格取得の支援制度は、会社によって異なります。自分のキャリアプランに合わせて、積極的に活用していくとよいでしょう。

他部署への異動・転職の可能性

コープドライバーとしてのキャリアを積んだ後、他部署への異動や転職を選ぶ人も少なくありません。

コープの中では、営業職や事務職など、さまざまな部署で働くチャンスがあります。

例えば、ドライバー時代に培った接客・営業スキルを活かし、店舗での販売員に転じる人もいます。

また、コープ以外の会社に転職するケースもあります。宅配便など、他の物流業界でドライバーの経験を買われることも。

長年の配送業務で身につけた、安全運転や効率的なルート設定のスキルは、どんな職場でも役立つはずです。

接客業など、異業種に転職する人もいます。営業トークで培った話術は、多くの仕事で武器になるでしょう。

コープドライバーの仕事は、さまざまな可能性を秘めています。自分の強みを活かせる道を模索しながら、キャリアを切り拓いていくことが大切だと言えます。

まとめ

コープドライバーのきつさとメリットのバランス

コープドライバーの仕事は、体力的にも精神的にもかなりの負担がかかります。荷物の積み下ろしや、長時間の運転などは、誰もが一度は「きつい」と感じるはず。

しかし、その一方でこの仕事には、他にはないやりがいもあります。配達先の方から直接「ありがとう」と言われたときの喜びは、疲れを吹き飛ばしてくれるでしょう。

大変な面とやりがいのある面、両方を天秤にかけて、自分なりのバランスを見出すことが大切。きつさを感じつつも、前向きな気持ちで乗り越えていく心構えを持ちたいものです。

自分に合っているかチェックするポイント

コープドライバーを続けていくためには、自分に合っているかを見極めることも重要です。

まずは体力面。荷物の重量や量をどれだけ扱えるか、自信を持てるかどうか。

次にコミュニケーション力。お客さんとの会話が弾むタイプかどうか、営業トークが苦にならないかどうか。

さらに、ルーティンワークへの適性。毎日決まった仕事の繰り返しに飽きずに取り組めるかどうか。

こうした点をしっかりと自己分析し、自分の性格や価値観とマッチするかを見極めましょう。合っていると感じられれば、仕事を続けていくことができるはずです。

仕事のコツやストレス対処法

きついと感じたとき、どう乗り越えるか。いくつかのコツがあります。

まずは作業の効率化を心がけること。荷物の積み方や、配達ルートの組み方など、少しの工夫で大きな違いが生まれます。

重要なのは、休息をしっかりとること。休憩時間は惜しまず取り、しっかりと体を休めましょう。プライベートでの趣味の時間なども大切に。

精神的なストレスは、上司や同僚とのコミュニケーションで発散するのも良い方法。愚痴を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりすることで、心が軽くなるはずです。

一人で抱え込まず、周りの人に頼ることも必要です。

コープドライバーの仕事は、誰もが「きつい」と感じる瞬間があるでしょう。でも、そのきつさと向き合い、乗り越えていくことが、仕事を続けていくコツなのです。

自分に合ったペースで、できる範囲で頑張ることが何より大切。「きつい」と感じたら、一度立ち止まって、自分の心と体の声に耳を澄ませてみてください。