弁当配達がきついと言われる4つの理由！給与やメリット等も併せて解説！

弁当配達の仕事は、単なる食事を運ぶだけではありません。それは、お客様の生活を支える重要な役割を担っているのです。しかし、その裏側には配達員の努力と様々な苦労があることをご存知でしょうか。本記事では、弁当配達の仕事の実態に迫ります。

そもそも弁当配達の仕事ってどんな仕事?

弁当配達の仕事の1日の流れ

弁当配達の仕事は、基本的に弁当店や仕出し店からの注文を受けて、指定された場所へ弁当を届けるのが主な業務です。
1日の流れとしては、まず朝から昼にかけての注文に合わせて弁当を配達し、昼食後は次の日の注文の準備や配達ルートの確認などを行います。夕方から夜にかけては、夕食の注文の配達に動くことになります。
配達以外の時間は、店舗内で簡単な調理の補助や洗い物、清掃なども担当するのが一般的です。

配達エリアと配達件数

配達エリアは、店舗のある場所から半径2〜3キロ圏内に限定されるケースが多いです。都心部なら、もう少し狭いエリアを密にカバーする形になるでしょう。
1日の配達件数は、平均的には50件前後と言われています。繁忙期や大口の注文があれば、それ以上になることもありますが、100件を超えることは稀です。
エリアにもよりますが、1件あたりの配達にかかる時間は10分から15分程度が目安となります。

主に原付バイクを使って配送

弁当配達で最も多く使われる車両は、原付バイクです。排気量50ccまでのバイクであれば、原付免許さえあれば運転できるので、敷居が低いのがメリットです。
次いで自転車が多く、都心部の混雑した道などでは自転車の方が機動力を発揮します。徒歩で配達することも一部ではあります。
配達時には、保温バッグや保冷バッグを使い分けて、できたての状態で弁当を届けられるよう工夫が求められます。
配達用のユニフォームとして、店名の入った帽子やジャケットの着用が必須となるケースもあります。

弁当配達の仕事がきついと言われる理由4選

1: 長時間労働と不規則な勤務

弁当配達の仕事は、ともすれば長時間労働に陥りがちです。
特に繁忙期になると、休みなく連続で働くことを求められるケースが少なくありません。
配達件数が増えれば、それだけ拘束時間も長くなるので、1日12時間以上に及ぶこともザラです。
しかも勤務シフトは非常に不規則で、注文の入り具合によって日々変化します。
そのため、プライベートな予定を入れにくく、一定のリズムで休息を取ることが難しいのが実情と言えるでしょう。

2: 重い荷物の積み下ろしと運搬

配達の仕事では、大量の弁当を一度に運ばなければならない場面が多々あります。
保温バッグに入った状態とはいえ、10キロ以上の荷物を何往復も積み下ろしするのは、体力的にかなりの負担となります。
配達先の多くがオフィス街だったりすると、エレベーターのない建物も多く、階段で重い荷物を運ぶハメになることもしばしば。また、坂道の多いエリアでの配達は、バイクをこぐにも余計な力が必要とされ、足腰に大きな負荷がかかります。

3: 配達先とのトラブル対応

配達先では、注文内容の間違いや品物の不具合などについて、クレームを入れられることがあります。
たとえ店側に非がない場合でも、配達員が謝罪や説明を求められるのが通例です。
配達が遅れたことへの怒りをぶつけられることもしばしば。感情的になった客の対応には、かなりの精神的ストレスが伴います。
トラブルの内容によっては、自腹を切って弁償することすら求められるなど、理不尽な要求を突きつけられるリスクもゼロではありません。

4: 悪天候時の配達業務

弁当の配達は、雨が降ろうが風が吹こうが、予定通り行わなければなりません。
バイクでの配達中に突然の豪雨に見舞われたり、すさまじい暴風の中を走らざるを得ない状況は、日常茶飯事と言えます。
体が濡れるのは余儀ないことですし、路面が滑りやすくなることで事故の危険性も高まります。
真夏の炎天下での配達は熱中症のリスクが伴いますし、極寒の真冬はバイクに乗っているだけで体温が奪われ、ガタガタと震えが止まらなくなることもあるでしょう。

弁当配達の仕事の3つのメリット

自由度の高さと融通の利く働き方

弁当配達の仕事は、アルバイトとして始める人も少なくありません。
その場合、週に2〜3日の勤務から始められるので、学業や他の仕事との両立がしやすいのが大きな魅力です。
1日の配達件数にもよりますが、4〜5時間程度の勤務時間で済むこともあるので、隙間時間を有効活用できるでしょう。
配達件数が少ない日は早めに切り上げることもできますし、繁忙期は長めに働いてその分稼ぐこともできる、といった具合に、ライフスタイルに合わせた働き方が実現できるのは嬉しいポイントだと言えます。

未経験でも始められるチャンス

弁当配達は、未経験からチャレンジできる数少ない仕事の1つと言えるでしょう。
原付バイクの運転ができるのが大前提ですが、それさえクリアしていれば特別なスキルは求められません。
もちろん飲食店などでの接客業経験があれば、配達先とのやり取りもスムーズにこなせるでしょう。
知識やテクニックよりも、真面目で誠実な対応ができるかどうかが評価されるため、働く意欲さえあれば誰でも活躍のチャンスがあると言えます。
最初は先輩ドライバーに同行して配達の流れを学べるので、徐々に仕事に慣れていくことができるのもメリットの1つです。

チームワークと助け合いの風土

一見すると単独作業のように思える弁当配達ですが、実際には仲間同士のチームワークが欠かせません。
配達エリアが重なるドライバー同士は、お互いの担当分を融通し合うことで、効率的に配達を進めることができます。
先輩ドライバーが培ったノウハウ、例えば最短ルートの回り方や配達先との上手な接し方など、惜しみなく伝授してくれるのも心強いものです。
配達中にトラブルがあっても、仲間に助けを求めやすい環境にあり、1人で抱え込まずに済むのは大きな利点だと言えるでしょう。
楽しみながら働ける職場環境は、仕事を継続するモチベーションにも直結します。

気になる弁当配達の仕事の平均年収は?

平均年収350万円〜450万円程度

弁当配達の仕事に就く場合、気になるのは収入面だと思います。
業界全体の傾向として、正社員での雇用であれば年収350万円〜450万円程度が平均的な水準だと言われています。
アルバイトやパートとして働く場合は、時給換算で1,000円〜1,200円程度が相場となっています。
地域差はありますが、大都市圏の方が若干時給は高めに設定されているようです。
ボーナスが支給される会社もありますが、業績連動型のケースが多く、必ず支給されるとは限りません。

配達件数によって歩合給として反映される

弁当配達の仕事は、経験年数を重ねるほど収入アップが見込めます。
配達ルートを効率的に回れるようになったり、トラブル対応の引き出しが増えることで、1日の配達可能件数が増加するためです。
その分、歩合給として収入に反映されるケースが多いのです。
また、シフトに入る日数や時間、実際の配達件数によって、収入には大きな開きが出てきます。
例えばアルバイトで週3日、1日5時間の勤務であれば、月収10万円程度が目安となりますが、
正社員で1日8時間以上、月20日以上勤務すれば、30万円以上の収入が安定的に得られるでしょう。

弁当配達の仕事のきつさを乗り越える3つのコツ

タイムマネジメントと効率的な配達ルートの作り方

弁当配達の仕事では、限られた時間内にいかに効率よく配達を完了させるかが勝負の分かれ目となります。
そのためにはまず、注文が集中する時間帯を把握しておくことが重要です。ピーク時に合わせて準備を整え、スムーズに配達に移れる態勢を整えましょう。
また、配達ルートを組む際は、渋滞しやすい道や信号の多い大通りは極力避けるのが賢明です。ショートカットできる裏道や、信号の少ない道を選ぶことで配達効率を上がることができます。

ストレス対処法と気分転換の方法

弁当配達は気が休まる間のない仕事。だからこそ、上手にストレスと付き合う方法を身につけておく必要があります。
1日の中で定期的に休憩を取ることを習慣づけましょう。ほんの5分でも、深呼吸をしてリラックスする時間を作ることが大切です。
同僚と愚痴を言い合ったり、悩みを相談したりするのもおすすめ。同じ苦労を共有できる仲間がいれば、ストレスも和らぐものです。上司に相談するのが難しければ、家族や友人に話を聞いてもらうのもいいでしょう。
プライベートでは、趣味の時間を大切にしましょう。仕事とは全く別の世界に没頭できる趣味があれば、気分転換には最適です。スポーツでも、読書でも、ゲームでも、自分なりのストレス発散法を見つけることが重要です。

良好な人間関係の構築と周囲への感謝の気持ち

弁当配達の仕事は、一見すると孤独な仕事に見えるかもしれません。しかし、実際には様々な人とのコミュニケーションが欠かせない仕事でもあります。
配達先では、少しでも時間があれば、先方の人と何気ない会話を交わすようにしましょう。「いつもありがとうございます」の一言だけでも、関係づくりには大きな意味があります。クレームがあった時も、笑顔を絶やさず、誠実に対応することが信頼につながります。
調理場のスタッフともコミュニケーションを大切にしましょう。美味しい弁当を作ってくれている人たちへの感謝の気持ちを、言葉に出して伝えることが大切です。
配達中にミスやトラブルがあった時は、素直に謝罪し、解決策を提案することを心がけましょう。誠意ある対応は、関係修復にも役立ちます。
良好な人間関係は、仕事のきつさを乗り越える大きな支えになってくれるはずです。感謝の気持ちを込めて、周囲の人たちとの絆を大切にしていきたいものですね。

弁当配達の仕事に向いている人の4つの特徴

弁当配達の仕事は、誰にでも向いているわけではありません。体力、コミュニケーション能力、適応力など、様々な資質が求められる仕事だと言えます。ここでは、弁当配達の仕事に向いている人の特徴を詳しく見ていきましょう。

体力に自信がある

弁当配達は、一日中体を動かし続ける肉体労働です。重いお弁当を何度も運ぶ必要がありますし、長時間のバイク運転も欠かせません。
そのため、自分の体力に自信がある人でないと、続けるのは難しいかもしれません。持久力はもちろん、瞬発力や筋力も必要とされます。
また、早朝からの勤務や不規則な生活になることも多いので、健康管理能力も大切です。バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけられる人でないと、体調を崩してしまうリスクがあります。

コミュニケーション能力が高い

弁当配達は、一見すると一人で黙々と働く仕事だと思われがちです。しかし、実際には様々な人とコミュニケーションを取る必要があります。
配達先のお客様との良好な関係づくりはもちろん、調理場のスタッフとの連携も欠かせません。「いつもありがとうございます」の一言から、ちょっとした世間話まで、笑顔で丁寧に接客できるコミュニケーション能力が求められるのです。
トラブルやクレームの際にも、謝罪と説明を真摯に行える対応力が必要です。相手の立場に立って、誠実に向き合える人でないと務まりません。

臨機応変に行動できる

弁当配達の仕事では、予期せぬトラブルに遭遇することもしばしば。配達先の変更や、注文のキャンセル、交通事情による遅延など、様々なアクシデントが起こり得ます。
そんな時に、臨機応変に対応できる柔軟性が必要とされます。状況をすばやく判断し、最善の行動を取れる人でないと、トラブルを大きくしてしまうかもしれません。
マニュアル通りの対応だけでは解決できない問題も多いので、自分で考えて行動できる力が求められます。想定外の事態にも動じず、冷静に対処できる人に向いている仕事だと言えます。

正確で几帳面な性格である

お客様に届けるのは、注文通りのお弁当でなければいけません。一つ一つ丁寧に確認し、間違いのないように配達することが大切です。
そのため、正確で几帳面な性格の人に向いている仕事だと言えます。品数が多い注文でも、抜け漏れのないようしっかりチェックできる慎重さが必要とされます。
また、衛生管理や配達記録など、書類仕事も欠かせません。数字や文字を正確に記入し、管理できる能力も求められます。
決められたルールを守り、誠実にこつこつと作業を進められる几帳面さは、弁当配達の仕事では欠かせない資質だと言えるでしょう。

弁当配達の仕事に就くために必要な資格は?

弁当配達の仕事は、誰でも簡単にできるわけではありません。安全に配達を行うために、必要な資格や条件があるのです。ここでは、弁当配達の仕事に就くために必要な資格と、選考時のポイントについて解説します。

必須の運転免許と条件

弁当配達の仕事に就くために最も重要なのは、運転免許の取得です。配達に使用する車両によって、必要な免許の種類が異なります。
バイクを使用する場合、排気量50cc以下なら原付免許、50cc超125cc以下なら普通自動二輪免許が必要です。
一方、軽自動車や普通車を使う場合は、普通自動車免許が必須です。
ただし、免許を取得しただけでは、すぐに弁当配達の仕事に就けるわけではありません。ほとんどの企業で、免許取得後1年以上の運転経験が求められます。

あると有利な資格と経験

弁当配達の仕事では、必須の免許以外にも、あると有利な資格や経験があります。
たとえば、250cc以上の大型バイクを使用する場合は、大型自動二輪免許が必要です。中型トラックを運転する際は、準中型自動車免許が求められます。
また、緊急配送などの特殊な業務に対応できる、第二種運転免許を持っていると、より幅広い仕事に就けるチャンスが広がります。
運転免許以外では、飲食店での接客経験や、他の配達業務の経験が評価されやすいです。お客様とのコミュニケーションが多い仕事なので、接客マナーが身についている人は歓迎されます。
アルバイトでの経験でも構いませんので、学生時代から飲食店などで働いておくと、就職に有利になるかもしれません。

弁当配達ドライバーのキャリアステップ

弁当配達ドライバーは、単なる配達の仕事ではありません。実はその先に、様々なキャリアパスが用意されているのです。ここでは、配達ドライバーからのステップアップの可能性と、スキルアップの方法について解説します。

配達ドライバーからの多様なキャリアパス

まず、配達ドライバーから管理職へのステップアップが考えられます。配車係として、ドライバーのシフト管理やルート設定などを担当するのです。
ドライバーの経験を活かしつつ、マネジメントスキルを発揮できる仕事だと言えます。将来的には、配送センター長などの管理職を目指すことも可能でしょう。
また、調理場での業務に移行するキャリアパスもあります。弁当の盛り付けや、食材の仕込みなどを担当するのです。
食への興味や知識を深められるだけでなく、調理のスキルを身につけることができます。将来は、料理長や管理栄養士などを目指すことも夢ではありません。
事務職へのキャリアチェンジも選択肢の一つです。配達で培った顧客対応力を活かし、受注業務や営業活動などに従事するのです。
コミュニケーション能力が高く、臨機応変に行動できる人に向いている仕事だと言えます。将来的には、営業リーダーや事務管理者などへの道も開けています。
さらに、ドライバー教育の担当者や、安全運転指導員などの指導者ポジションも目指せます。後進の育成に携わり、会社の発展に貢献するのです。

スキルアップのための研修制度

キャリアアップを目指すためには、スキルアップが欠かせません。多くの企業では、ドライバーの成長を支援するための研修制度が用意されています。
安全運転や車両点検に関する定期的な講習会は、ドライバーとしての基本スキルを磨くために重要です。事故防止や、車両トラブルへの適切な対処法を学ぶことができます。
接客マナーやクレーム対応などのロールプレイング研修も効果的でしょう。実際の場面を想定して、適切な言葉遣いや態度を身につけることができます。
食品衛生や栄養学に関する勉強会も、調理業務へのステップアップには欠かせません。安全でおいしい弁当を提供するための知識を深められます。
管理職を目指す人には、リーダーシップやマネジメントスキルを磨く研修が用意されているはずです。部下とのコミュニケーションや、業務の効率化などについて学ぶことができます。

ロールモデルから学ぶ仕事術

研修だけでなく、先輩ドライバーや優秀な管理職など、ロールモデルとなる人物から学ぶことも重要です。
ベテランドライバーに同行し、効率的な配達テクニックを教わるのも良い方法でしょう。荷物の積み方や、駐車場の選び方など、実践的なノウハウを吸収できます。
事故やトラブルへの対処法も、先輩ドライバーから学ぶことができます。冷静な判断力や、臨機応変な行動力を身につけることが大切です。
優秀な管理職の仕事ぶりを間近で観察するのも、大きな学びになるはずです。部下とのコミュニケーションや、業務の改善提案など、マネジメントの実際を肌で感じることができます。
会社の理念や目指す姿を体現しているリーダーと対話することも重要でしょう。仕事への姿勢や価値観を共有し、自分の目標を明確にすることができます。

まとめ

弁当配達の仕事は、単なる配達業務ではありません。「食」を通じて、人々の生活を支える重要な役割を担っているのです。
確かに仕事はハードで、体力的にも精神的にもタフさが求められます。早朝からの勤務や、重いお弁当を運ぶ作業は、誰にでもできることではありません。
しかし、その分やりがいも大きいと言えるでしょう。顧客の「ありがとう」の一言が、何よりのご褒美になるはずです。「今日も無事に配達できた」という達成感は、疲れを吹き飛ばしてくれるでしょう。
また、弁当配達ドライバーには、様々なキャリアパスが用意されています。配達員としてのスキルを磨きつつ、管理職や調理、事務など、様々な分野への道が開かれているのです。
スキルアップのための研修制度を活用し、ロールモデルとなる先輩から積極的に学ぶことが大切です。一歩一歩着実に成長を重ね、自分の可能性を広げていくことが求められます。
一方で、仕事のきつさを乗り越えるためには、自分なりの工夫も必要不可欠です。
効率的な配達ルートを考え、タイムマネジメント力を磨くこと。ストレス発散の方法を見つけ、メリハリのある生活リズムを作ること。周囲とのコミュニケーションを大切にし、支え合える関係を築くこと。
一人で抱え込まず、仲間と助け合える環境があってこそ、仕事を続けられるのです。