レンタカー回送ドライバーの仕事はきついのか？正社員とバイトの違いも解説！

レンタカー回送ドライバーは、車が好きで運転に自信がある人にはぴったりの仕事です。しかし、その仕事ぶりは意外と知られていません。回送ドライバーの仕事内容や必要な免許、気になる給与事情など、気になる情報を詳しくお伝えします。

レンタカー回送ドライバーの仕事内容とは

回送の種類と仕事内容

レンタカー回送ドライバーの基本的な仕事は、レンタカー会社の各店舗間や、整備工場などへクルマを移動させることです。回送には、お客様が乗り捨てたクルマを元の店舗に戻す「乗り捨て回送」、各店舗の車両を適正に保つための「定期回送」、予約に合わせてクルマを店舗に配置する「臨時回送」などの種類があります。

回送時にはお客様を乗せることはなく、クルマを運転して目的地に届けるだけなので、接客や営業的な業務は発生しません。

回送ドライバーの役割と求められるスキル

回送ドライバーの最も重要な役割は、安全運転と法令順守に努め、クルマを確実に目的地に届けることです。そのため、高度な運転スキルに加え、不慣れな土地での運転や駐車を適切におこなう能力が求められます。万が一のトラブル発生時には、状況を的確に判断し、適切に対応することも必要不可欠。

また、回送中は車内を清潔に保ち、給油を怠らないなどの基本的なマナーも守らなくてはいけません。単なる運転だけでなく、臨機応変な対応力と責任感が問われる仕事だと言えるでしょう。

レンタカー回送が「きつい」と言われる理由3選

不規則な勤務時間と長距離運転がつらい

回送ドライバーの仕事がきついと言われる理由の一つは、勤務時間の不規則さにあります。お客様のレンタカー利用状況によって回送の依頼が発生するため、早朝や深夜に及ぶこともしばしば。また長距離を一人で運転するため、身体的・精神的な疲労が蓄積しやすいのです。車種が変われば乗り心地も変わってくるため、疲労度はさらに高まります。

駐車トラブルなど回送先でのストレスも

回送先でのストレスも無視できません。到着しても駐車スペースが確保できず、路上駐車せざるを得ないケースもあります。出庫時のトラブルなど、回送先で様々なストレス要因が潜んでいるのです。他にも、ガソリンスタンドでの給油時に窓口対応の順番待ちを強いられるなど、細かいストレスの積み重ねで疲弊してしまうことも。

一人で黙々と運転する孤独感

回送ドライバーは基本的に一人で長時間運転するため、孤独感を感じやすいのも確か。同僚との何気ない会話もほとんどなく、上司とのコミュニケーションも必要最小限で済ませがち。ひとりで黙々と運転する時間が長いため、ラジオを聴いたり景色を楽しんだりと、孤独感を紛らわす工夫が欠かせません。

一人で淡々と業務をこなす孤独感も、回送ドライバーの「きつさ」の一因と言えるでしょう。

レンタカー回送ドライバーの魅力と仕事のメリット3選

1. 車好きにはたまらない！様々な車種の運転を楽しめる

回送ドライバーの一番の魅力は、何と言っても車の運転が好きな人にぴったりの仕事だということです。日々様々な車種を運転できるので、車の乗り心地の違いを存分に楽しめるでしょう。

2. 体力的・精神的な負担が少ない

他のドライバー職と比べると、荷物の積み下ろしや、お客様とのやり取りがないため、体力的にも精神的にも負担が少ないというメリットがあります。一人で黙々と運転するだけなので、人と関わるストレスから解放されます。

3. 運転中のひとり時間を有効活用できる

回送先でのトラブルやストレスはつきものですが、車の運転そのものが好きなら、長距離ドライブも苦にならないはず。移動中にお気に入りの音楽を聴いたり、景色を楽しんだりと、ストレス発散しながら働けるのも回送ドライバーならではの醍醐味です。

回送ドライバーのきつさを乗り越えるコツ

適度な休憩と規則正しい生活リズムを保つ

回送ドライバーのきつさを乗り越えるには、適度な休憩と規則正しい生活リズムを保つことが不可欠です。長時間の運転で疲労が蓄積しやすいため、2時間に1回は小休憩を取るのが理想的。

車を停めて深呼吸したり、軽く体を動かしたりするだけでも効果的です。日頃から十分な睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事で体調管理を徹底することも大切。心身ともに健康な状態をキープすることが、仕事のきつさを和らげる近道になるでしょう。

ストレス発散法を見つけてメンタルヘルスケア

メンタルヘルスケアも重要なポイントです。回送先で待ち時間が発生するなど、ストレスを感じやすい状況に陥ったら、その場で気分転換を図りましょう。お気に入りの音楽を聴いたり、車外に出てストレッチをしたり、その人なりのストレス解消法を確立することをおすすめします。

勤務後は趣味の時間を作り、仕事から完全に離れてリラックスできる時間を確保するのも効果的。プライベートで発散することで、心に余裕を持って仕事に取り組めるはずです。

先輩ドライバーに仕事のコツを教わろう

経験豊富な先輩ドライバーから仕事のコツを学ぶのも、きつさを乗り越える有効な手段の一つ。効率の良い回送ルートの選択や、駐車時のテクニックなど、ベテランならではのノウハウを教わることで、仕事の負担を大幅に軽減できるでしょう。トラブル対応の最適解を知っておくのも安心材料。

悩みを一人で抱え込まずに相談できる、頼れる先輩を見つけておくことをおすすめします。先輩の知恵を借りながら、少しずつ回送ドライバーとしてのスキルを高めていきましょう。

レンタカー回送ドライバーに向いている人の特徴

車の運転が得意で長距離ドライブが苦にならない人

回送ドライバーに向いているのは、何よりも車の運転が得意な人です。ペーパードライバーではなく、日頃から運転をしている人が望ましいでしょう。車の運転そのものが好きで、一人で長時間ハンドルを握っていても苦にならないタイプは、回送の仕事にもすんなり適応できるはず。もちろん、運転への自信も大切。事故を起こさないよう、常に安全運転を心がけられる責任感の強さも必要不可欠です。

臨機応変に行動でき、ストレス耐性がある人

回送ドライバーは常に定められたルート通りに行動できるわけではないので、臨機応変な判断力が求められます。納車先の道路状況次第では待ち時間が発生することもありますが、ストレスをためすぎないよう我慢強さも必要。トラブルに直面した時にも、冷静に状況を見極めて対応できる精神力の強さが欠かせません。

予定通りにいかない事態にも動じない、ストレス耐性の高さが求められる仕事だと言えるでしょう。

マニュアル通りに正確に仕事をこなせる人

回送で扱う車は、申し込み主の大切な財産。他人の運転で傷つけられないよう、丁寧な取り扱いが不可欠です。また、給油の手順や車内清掃、出発・到着時の管理センターへの連絡など、定められた作業手順を正確に遂行できる几帳面さも重要。ルールをしっかり守り、コンプライアンス意識の高さを発揮できる人でないと務まりません。

マニュアル通りの仕事ができる正確性が、回送ドライバーには求められているのです。

レンタカー回送ドライバーに必要な免許と資格

回送業務に欠かせない普通自動車第一種免許

回送ドライバーとして働く上で最低限必要なのは、普通自動車第一種運転免許です。オートマ限定の免許でも回送業務自体はこなせますが、マニュアル車に対応できるMTオプションがあればなお望ましいでしょう。就職の際、アルバイトも含めて免許取得から3年以上経過していることを求められるケースもあるため、経験年数も重要なポイントになります。

二種免許があればさらに有利に

タクシーやバスなどの旅客運送車両の運転に必要な第二種免許は、回送業務では必須ではありません。しかし、取得していればより就職に有利になります。会社によっては、二種免許保持者を優遇するところもあるため、アピールポイントになるでしょう。将来的に回送だけでなく旅客輸送業務へのキャリアチェンジを考えるなら、二種免許の取得もおすすめです。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2024年6月19日 二種免許は難しい？二種免許の難易度や取得条件・費用を徹底解説

ペーパードライバーでも大丈夫？教習所の活用法

免許は取得しているものの、ペーパードライバー経験が長く運転に自信がない人でも、回送ドライバーへの転職は十分可能です。合宿免許など、短期集中的に運転技術を習得できる教習所の活用がおすすめです。

普通免許を取り立ての頃の運転を思い出し、基礎から学び直せます。地元の教習所の特訓プログラムなども検討してみると良いでしょう。回送ドライバーを志望するなら、まずは運転への苦手意識を克服することが大切です。

正社員とアルバイトで何が違う？回送ドライバーの働き方

正社員の回送ドライバーの待遇と福利厚生

正社員の回送ドライバーは、月給制のため安定した収入が期待できます。また、社会保険の適用もあり、将来に備えた福利厚生も充実。一定期間の勤務で昇給したり、業績に応じて賞与がもらえる可能性もあるでしょう。中にはレンタカーを社員割引で利用できる会社もあり、車好きにはうれしい待遇と言えます。

アルバイトの回送ドライバーの時給相場と働き方

一方、アルバイトの回送ドライバーの時給相場は1000円～1200円程度。シフト制のため、自分の都合に合わせて働く曜日や時間を調整しやすいのがメリットです。空いた時間を有効活用できるので、Wワーク（副業）に適しているでしょう。学生や主婦（夫）が副収入を得る手段としてもおすすめです。

正社員とバイトの仕事内容の違い

正社員とアルバイトでは、任される仕事の内容にも違いがあります。正社員は責任の重い回送業務を任される傾向にあるのに対し、アルバイトは比較的シンプルな回送業務が中心です。また正社員はシフト管理や部下の教育なども担当しますが、アルバイトはその必要はありません。トラブル対応や事故時の責任も、正社員の方が重くなる傾向があります。

それぞれの立場で異なる働き方ができるのが、回送ドライバーの特徴と言えるでしょう。自分のライフスタイルに合った雇用形態を選ぶことが、働きやすさとやりがいに繋がります。

まとめ：レンタカー回送はきついけどやりがいも

自分に合った働き方を選ぼう

レンタカー回送ドライバーの仕事は、きつい部分もありますが、やりがいを感じられる職業でもあります。大切なのは、正社員やアルバイトなど、自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶこと。シフトの融通が利く、昇給・賞与がある、福利厚生が整っているなど、それぞれの雇用形態にはメリットがあります。

回送の仕事では、車の運転が好きなら「楽しい」と感じる瞬間が多いはず。きつさを感じる中にも、それ以上にやりがいを見出せるかどうかが、仕事を続けるモチベーションに繋がるでしょう。ただし、自分に合うかどうかは実際に経験してみないと分かりません。まずは興味を持ったら、一歩踏み出して挑戦してみることが何より大切です。

仕事のきつさに悩んだ時は、上記で説明したコツを試してみると良いでしょう。休憩の取り方やストレス発散法を工夫したり、先輩ドライバーに相談したりしながら、少しずつ自分なりの働き方を見つけていってください。

回送ドライバーとして適性を感じたなら、その仕事で経験を積み、ステップアップを目指すのも良い選択肢の一つ。レンタカー業界で活躍の場を広げるもよし、ドライバーとしてのスキルを武器に独立するもよし。自分に合った働き方を見つけて、回送ドライバーならではのやりがいを感じながら、充実したキャリアを築いていきましょう。