セールスドライバーとは何か？年収、メリットデメリットも併せて徹底解説！

トラックの運転だけでなく、営業活動や集金なども行うセールスドライバー。高度なスキルが求められる一方で、やりがいとキャリアアップのチャンスに溢れた魅力的な職業です。本記事では、セールスドライバーの仕事内容や必要な資格・スキル、キャリアステップなどについて詳しく解説します。

セールスドライバーとは？

セールスドライバーの仕事内容

セールスドライバーの主な仕事は、トラックを運転して荷物の集配や配送を行うことです。個人宅や企業に商品を届けたり、荷物を回収したりします。運転がメインの仕事ですが、それだけではありません。営業活動で新規のお客様を開拓したり、荷物の代金回収や集金なども行います。

【セールスドライバーの営業と配送の業務時間割合】 ・配送業務が7割、営業活動が3割程度が一般的 ・会社や役職によって割合は前後 ・配送先での商品提案や集金も営業活動のひとつ ・営業活動の割合が高いほど、高度なスキルが要求される ・配送業務中心の場合は、別の営業担当者と連携することも

配送:営業=7:3の業務割合

セールスドライバーの業務において、営業活動と配送業務の時間配分は、会社や個人の役割によって異なりますが、一般的には配送業務が7割、営業活動が3割程度といわれています。

配送先に商品を届けるのが本来の業務ですから、配送に多くの時間を割くのは当然といえます。ただし、配送先での商品提案や代金回収なども、広い意味では営業活動のひとつ。配送時に顧客とコミュニケーションを取り、ニーズを汲み取ることは、営業成果にもつながるのです。

一方、セールスドライバーの中には、営業活動の比重が高い場合もあります。得意先への定期訪問や新規開拓に時間を割き、積極的に商談を行うことで売上アップを目指すのです。営業活動の割合が高いほど、高度な営業スキルやマネジメント能力が要求されるため、ベテランの域に達したドライバーに任されることが多いといえるでしょう。

逆に営業活動の割合が低いセールスドライバーの場合は、社内の営業担当者と連携を取りながら業務を遂行します。たとえば、営業担当者が商談して受注した案件の配送を担当したり、配送先で得た情報を営業担当者に共有したりと、役割分担をしながら協力し合うことで効率的な営業活動が可能になります。

いずれにしても、セールスドライバーは配送のプロであると同時に、営業マインドを持つことが求められる職種だといえます。限られた時間の中で、配送品質と顧客満足度の両方を高めるためには、臨機応変な判断力と行動力が何より大切なのです。

セールスドライバーの1日の仕事の流れ

セールスドライバーの1日は、早朝の出社にはじまります。倉庫で荷物を積み込んだら配達に出発。午前中は主に配達業務に専念します。昼食休憩をはさんで午後は再び配達と集荷。夕方に営業所へ戻り、集荷した荷物の取りまとめや仕分けをします。その後は伝票整理などの事務作業。1日の業務記録をつけて退社となります。シーズンによって多少流れは変わりますが、基本的にはこのような流れで毎日仕事をこなしています。

セールスドライバーの年収

平均年収は300~400万程度

セールスドライバーの平均的な年収は、300万～400万円程度といわれています。ただし、会社規模や給与体系によってかなりの差があるのが実情です。大手の物流会社などに勤めれば、400万以上の安定した収入を得られるケースもあります。一方、中小企業では300万円を下回ることも珍しくありません。

経験年数、スキルによる年収の違い

セールスドライバーの年収を大きく左右するのが、経験年数とスキルです。たとえばルート配送や集金など、難易度の高い仕事を任されるようになれば、それだけ収入もアップします。運転技術や接客スキル、トラブル対応力などが評価され、役職つきのドライバーになれば年収600万円以上も夢ではありません。
一方、業界の給与体系には大きな特徴があります。大手企業の多くは固定給制のケースが多いのに対し、中小企業では歩合制を導入しているところが少なくないのです。つまり、配送や営業の成果に応じてインセンティブが支給される仕組みです。モチベーション次第では、固定給プラスアルファの収入を目指せるわけです。報酬を上げるも下げるも、自分の頑張り次第といえるでしょう。

セールスドライバーの3つのメリット

高い収入を得られる可能性

セールスドライバーの仕事は、歩合制を採用している会社も多いです。つまり配送や営業の成果に応じて、インセンティブが支給される仕組みがあるわけです。自分の頑張り次第では、固定給プラスアルファの収入が期待できます。成果が正当に評価され、それが報酬に直結するのは大きなメリットといえるでしょう。

アクティブな仕事でストレス発散

セールスドライバーはトラックの運転や荷物の積み下ろしなど、身体を動かす機会が多い仕事です。デスクワークとは違い適度な運動になるので、健康的といえます。ストレスが溜まりにくいのもポイント。外を駆け回ることで気分転換もできて、メリハリをつけて働けます。

人との出会いが多く刺激的

セールスドライバーの業務は、得意先への配送や集金だけでなく、新規開拓の営業活動もあります。人と接する機会が多く、コミュニケーション力が自然と身につきます。配送先の方から感謝されることも多く、やりがいに繋がります。良好な関係を築ければ、仕事だけでなくプライベートも充実しそうです。
また、配送中や移動中は一人で仕事をすることが多いので、マイペースに働けるのもメリット。自由さはありますが、怠けると成果に響くので適度な緊張感は必要です。ダイナミックで飽きのこない仕事なので、同じ職場でも刺激的な毎日が過ごせるでしょう。

セールスドライバーの3つのデメリット

肉体的な疲労がたまりやすい

セールスドライバーの仕事は体を動かすことが多いので、それがメリットにもなりますが、一方で肉体的な疲労はたまりやすいのが悩みどころ。特に重たい荷物の積み下ろしは重労働で、腰痛に悩まされるドライバーも少なくありません。十分な体力と筋力が求められる仕事だけに、日頃からの体調管理が欠かせません。

不規則な労働時間

セールスドライバーは、配送先の営業時間に合わせた勤務形態になります。具体的には早朝から夜遅くまでの勤務や、場合によっては泊まり込みの運行もあり得ます。シフト制の職場が多いですが、休日出勤を求められることもしばしば。この不規則な労働時間は生活リズムを乱す原因になります。プライベートな時間の確保が難しいのもデメリットといえるでしょう。

運転に伴うリスクもある　　　　　　　　　　　　　　

セールスドライバーは、基本的に一日中トラックの運転をします。長時間の運転は体への負担が大きいだけでなく、事故のリスクも伴います。もちろん安全運転は基本ですが、他のドライバーの動向まではコントロールできません。万が一事故を起こしてしまえば、怪我などで働けなくなる可能性もあります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
また、納期に間に合わせるためにスケジュール管理に神経をすり減らしたり、配送先でのクレーム対応に追われたりと、精神　　　　　　　　的なストレスもつきまといます。自分の失敗が売上に直結するプレッシャーは中々厳しいものがあるでしょう。スキルと経験を積んで、少しずつ克服していくしかありません。

セールスドライバーに向いている人の特徴

体力に自信がある

セールスドライバーの仕事は重労働も多く、体力勝負の面は否めません。そのため、自分の体力に自信のある人は適性があるでしょう。過酷な環境下でも集中力を切らさず安全運転ができる体力と忍耐力が求められます。

コミュニケーション能力が高い

接客業の要素が強いセールスドライバーは、コミュニケーション能力の高い人に向いています。配達先では笑顔で挨拶を交わし、ときには世間話に花を咲かせることも。営業では商品説明や提案能力も問われます。物怖じせず明るく振る舞えるコミュニケーション上手な人なら、この仕事ではきっと輝けるはずです。

臨機応変な対応ができる

セールスドライバーは1日の仕事のほとんどを一人で行動します。配送中のトラブルやクレーム対応など、その場その場で柔軟に対処しなければなりません。マニュアル通りにはいかない事態に遭遇しても、臨機応変に切り抜ける判断力と行動力がモノをいうのです。また、スケジュール管理が得意なタイプも歓迎されます。
さらに、どんな状況下でも明るく前向きに仕事に取り組める性格も重要。セールスドライバーには困難が付きものですが、ネガティブに捉えずポジティブシンキングを心がけたいものです。安全運転はもちろん、交通ルールや社内規定をしっかり順守する真面目さも忘れてはいけません。

セールスドライバーに必要な資格とスキル

車種によって必要免許が変わる

セールスドライバーに欠かせない資格は運転免許です。車種によって必要な免許が異なります。軽貨物車なら普通免許で十分ですが、2トン車以上の場合は中型免許が必要。4トン車なら準中型免許、大型トラックを運転するには大型免許の取得が必須です。
出力代わりにAT限定の免許では採用されにくいため、できればMT免許を取得しておくことをおすすめします。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2024年6月19日 普通免許で運転できるトラックは何トンまで？中型・大型免許の取得方法も解説

あると望ましい資格

セールスドライバーの仕事では、運転免許以外にもいくつか資格があると有利です。たとえばフォークリフト運転技能者。配送先や倉庫内での荷役作業に役立ちます。
デジタル式運行記録計（デジタコ）の管理者講習を修了していれば、運行管理スキルをアピールできるでしょう。危険物取扱者の資格を持っていれば、輸送品の幅が広がります。こうした資格をひとつでも持っていると、採用や昇進に有利に働く可能性が高くなります。

求められるビジネススキル

ドライバーとして確かな運転スキルは当然として、セールスドライバーにはさまざまなビジネススキルも要求されます。得意先への集金を滞りなく行う能力や、効率的な配送ルートを選定する力も大切。営業活動では商品知識はもちろん、ヒアリング力や提案力、クロージング力などの接客ノウハウの習得が必要不可欠です。
また、輸送コストを意識した効率的な配車を行うスキルや、車両管理や運行管理に関する知識も身につけておきたいところ。パソコンを使ってデジタコの管理や営業事務を行うことも増えているので、IT スキルを磨くことも忘れずに。セールスドライバーはただ運転するだけの仕事ではありません。物流のプロとしてさまざまな対応力が試される職種だということを認識しておきましょう。

セールスドライバーのキャリアステップ

現場に慣れる

セールスドライバーのキャリアは、まず先輩ドライバーに同行して仕事の基本を学ぶことからスタートします。ひととおり業務の流れを覚えたら、徐々に一人で配送ルートを任されるように。慣れてくれば集金や営業活動も担当します。
数年の経験を積んで一人前のドライバーになると、より難易度の高い配送を任されたり、大口顧客を担当したりするようになります。後輩ドライバーの指導役を務めることも。中にはマネージャーや運行管理者へ昇進するケースもあるでしょう。

免許や資格を取得してスキルアップ

セールスドライバーのスキルアップ方法としておすすめなのが、免許の取得です。準中型や大型免許を取得すれば、運転できる車両の幅が広がります。フォークリフト運転技能者などの資格を取ると、配送先での荷役作業もこなせるように。危険物取扱者免許をゲットすれば、輸送品の種類も増えるでしょう。
こうした資格を取ることで、現場の即戦力となり、ゆくゆくは昇進や昇給にも直結します。日々の仕事の中でもさまざまな経験を積むことが何より大切です。高度なスキルを身につけるためには、講習会への参加や勉強会なども有効でしょう。

関連職種へのジョブチェンジ

セールスドライバーのスキルは、物流業界の中でも応用が効くものが多いです。たとえば、倉庫内のフォークリフトオペレーターや現場の作業スタッフ。事務職では配車担当や運行管理の仕事に就くこともできるでしょう。
ゆくゆくは独立して個人事業主になり、オーナードライバーとして働くこともできます。自分の体験を活かして、物流コンサルタントになる道もあります。セールスドライバーで培ったスキルを武器に、さまざまなキャリアパスを描くことが可能なのです。まずは目の前の仕事に全力で取り組み、着実に経験を積むことが肝心です。

下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2024年6月15日 運行管理者の給料は？仕事内容や年収、未経験からの転職について解説！

まとめ

セールスドライバーは荷物の集配・配送を中心としつつ、営業活動から集金まで幅広い業務を担うお仕事です。体力と運転スキル、コミュニケーション力が求められるハードな職種ですが、その分やりがいもひとしおです。
特に歩合制を採用している企業では成果次第で高収入も望め、スキル次第ではキャリアアップのチャンスも広がります。
重労働や不規則な勤務などのデメリットはありますが、それを上回るメリットもあるのがセールスドライバーの魅力。
体力に自信があり、コツコツ努力を積み重ねられる方にはうってつけの仕事だといえるでしょう。セールスドライバーに興味をもたれた方は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。