軽貨物ドライバーの手取りはいくら？働き方別の手取り相場を徹底解説

軽貨物ドライバーは、高収入が期待できる魅力的な職業ですが、手取り収入の仕組みは少し複雑です。本記事では、軽貨物ドライバーの働き方別の手取りや、平均的な収入、手取りアップのコツなどを詳しく解説します。

軽貨物ドライバーの働き方別の手取りの仕組み

軽貨物ドライバーとして働く際、主に3つの働き方があります。それぞれ手取り収入の仕組みが異なるため、しっかりと理解しておく必要があります。

委託を受ける場合の手取りの仕組み

委託の場合、運送会社と業務委託契約を結び、売上から一定のロイヤリティや仲介手数料を引いた金額が手取りとなります。税金や社会保険料は個人で納める必要があるため、売上から差し引いて考える必要があります。

個人事業主の場合の手取りの仕組み

個人事業主として軽貨物ドライバーを行う場合、運送会社に属さずに自由に仕事を請け負うことになります。売上から必要経費を引いた金額が手取り収入となりますが、経費としてガソリン代や車両費、保険料などを計上できます。税金や社会保険料は個人で納める必要があります。

ネットワーク型と呼ばれる働き方での手取り

近年、軽貨物ドライバーの新しい働き方としてネットワーク型と呼ばれる形態も増えています。ネットワーク型とは、荷主と運送会社、ドライバーをマッチングするプラットフォームを介して仕事を行う形です。マッチングサイトを経由することで、個人でも比較的大口の案件を受注しやすくなります。ただし、マッチングサイトへの仲介手数料が発生するため、手取り収入はその分減ることに注意が必要です。

軽貨物ドライバーとしての手取り収入を把握するには、売上だけでなく様々な視点から考える必要があります。自身の働き方に合わせ、賢く稼げる方法を選択していきましょう。

軽貨物ドライバーの平均的な手取り収入はいくら？

軽貨物ドライバーの手取り収入を知ることは、この仕事を目指す上で非常に重要です。まずは平均的な手取り収入を見てみましょう。

アンケートで見る軽貨物ドライバーの平均月収

軽貨物ドライバーの平均手取り月収は20〜50万円程度と言われています。実際にアンケート調査でも、回答者の平均月収は30万円前後という結果が出ています。ただし、個人差が大きいのが特徴で、働き方によって手取り収入には大きな開きがあります。

最低限どれくらい稼げれば生活できる？

生活するために最低限必要な月収は、地域差はあるものの25万円程度だと考えられています。ローンや家賃、光熱費、食費などを賄うには、少なくともこのくらいの手取り収入は欲しいところです。軽貨物ドライバーで25万円稼ぐには、かなり効率的に働く必要があるでしょう。

1日の配送件数と手取り収入の目安

月収30万円を目指すなら、1日約100〜150件の配送をこなす必要があります。1日の配送件数が多ければ多いほど手取り収入はアップしますが、自身の体力や時間的制約もあるため、無理のない範囲で目標を立てましょう。
以上の通り、軽貨物ドライバーの手取りは働き方によって大きく変わります。目指す収入に向けて、自分に合ったペースで仕事をしていくことが大切だと言えるでしょう。

軽貨物ドライバーの手取りに影響する要因3点

同じ軽貨物ドライバーでも、手取り収入には個人差があります。一体どのような要因が影響しているのでしょうか。

ここでは主な要因を3つ解説します。

1.エリアによる手取りの違い

軽貨物ドライバーの手取りは、働くエリアによって大きく変わります。基本的に、都市部の方が運送単価は高い傾向にあります。荷物の量が多く、配送先も近いためです。一方で地方では、仕事量自体が少なくなる可能性があるので注意が必要です。

2.車種（2t車or軽車両）による手取りの違い

軽貨物ドライバーの車種は、主に2tトラックと軽車両の2つに分けられます。2tトラックの方が運送単価は高くなりますが、軽車両は燃費が良いのが特徴です。扱う荷物の種類によって、適した車種は異なるため、自身の強みを生かせる車種を選ぶことが賢明だと言えるでしょう。

3.経験とスキルによる手取りの違い

ベテランの軽貨物ドライバーとビギナーでは、手取りに大きな差が出ることがあります。経験豊富なドライバーは、効率的な配送ルートを組んだり、渋滞を回避したりするのが上手いためです。経験を積むごとに手取りが上がっていくと考えておきましょう。

また、荷物の種類や取引先との関係性によっても、報酬単価は大きく変化します。総合的に判断し、自分に合った働き方を見つけることが何より大切だと言えるでしょう。

軽貨物ドライバーの給与から差し引かれる経費・保険・税金

軽貨物ドライバーの給与は、売上金額がそのまま手取り収入になるわけではありません。給与から差し引かれる経費や保険料、税金について理解を深めておきましょう。

仕事で必要な経費の種類と目安

軽貨物ドライバーとして働く上で必要な経費は、主に車にかかる費用です。車の購入・レンタル費用や車検費用、ガソリン代などが挙げられます。また、固定資産税や駐車場代なども経費として計上できます。これらの費用は給与から差し引かれるため、手取り収入を計算する際は注意が必要です。

経費の中でも特に大きな割合を占めるのが、車の修理・メンテナンス費用です。適宜かかる費用なので、ある程度余裕を持った資金計画を立てておくと安心でしょう。

入っておくべき保険とその相場

軽貨物ドライバーは、自賠責保険と任意保険の加入が必須です。万が一の事故の際に備え、しっかりと補償内容を確認して加入しましょう。保険料は車種や年齢によって異なりますが、年間で数万円から10万円程度が相場です。
また、個人で国民健康保険に加入する必要があります。こちらの保険料は、年間で10万円前後が目安となります。

税金の種類と計算方法

軽貨物ドライバーは、所得税と住民税を納める必要があります。個人事業主の場合は、確定申告と住民税申告が必要不可欠です。

税金は、売上から必要経費を差し引いた金額に対して課税されます。所得税の税率は収入によって異なりますが、5％〜45％の7段階に分かれています。住民税は、所得割と均等割を合わせて10％程度です。

収入が多いほど税金の負担も大きくなるため、日頃から正確に記録をつけておくことが大切です。確定申告の際に、経費として計上できるものは漏れなく申告しましょう。

以上の通り、軽貨物ドライバーの手取り収入を正確に把握するには、経費や保険料、税金についての知識が欠かせません。給与から差し引かれる金額を適切に理解し、賢く家計管理していくことが重要だと言えるでしょう。

軽貨物ドライバーが手取りを増やすためのコツ3選

軽貨物ドライバーとして、少しでも多くの収入を得たいと考えるのは当然のことです。ここでは、手取りを増やすための具体的なコツを見ていきましょう。

効率の良い配達ルートを作る

配達ルートの効率化は、手取りアップに直結する重要なポイントです。渋滞を避け、最短距離を走行するルートを選定することが基本となります。

また、配送先の順番を最適化することで、無駄な移動を削減することができます。配送先の位置関係を事前に把握し、効率的な順番を考えましょう。

付加価値の高いサービスを提供

軽貨物ドライバーの仕事は、単なる荷物の配送だけではありません。定時配送や翌日配送など、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、付加価値を高めることができます。

また、大切な荷物を運ぶ際は、丁寧な梱包や取り扱いを心がけましょう。高品質なサービスを提供することで、顧客からの信頼を獲得することができます。リピーターを増やすことが、安定した収入につながります。

副業の場合は報酬単価の高い案件を選んで受注

軽貨物ドライバーの仕事は、本業の合間に副業として活用することも可能です。その際は、報酬単価の高い案件を選んで受注することがコツとなります。

ただし、副業で得た収入にも税金がかかることを忘れてはいけません。年間20万円以上の副収入がある場合は、確定申告が必要です。本業の収入と合算して税額が計算されるため、注意が必要です。

手取り収入を増やすためには、自身の強みを生かしつつ、効率を重視した働き方を心がけることが何より大切です。上記のようなコツを実践し、賢く稼いでいきましょう。

軽貨物ドライバーで年間の手取り600万を目指せる？

「軽貨物ドライバーで年収600万円！」などという謳い文句を見たことがある人も多いのではないでしょうか。確かに、軽貨物ドライバーの中には、年間600万円以上の手取り収入を実現している人もいます。

しかし、それはかなりハードルの高い目標だと言えます。ここでは、年間600万円の手取りを目指すために必要なことを見ていきましょう。

手取り600万を稼ぐために必要な月間売上と配送件数

年間600万円の手取りを実現するには、月の売上を2.5万円程度に設定する必要があります。1日に120個の配送を対応すれば売り上げが約2.5万円程度に到達します。

1日2.5万円×月の稼働日数27日（月3日休むペース）＝67.5万円の売り上げとなり、そこから仲介手数料等を差し引くと、手取りは月50万円程度になります。

年間で12カ月×月50万円=600万円の手取り収入となります。

ガソリン代などの維持費や税金によって変動するので、上記はあくまで参考としてご確認ください。

手取り600万達成のために意識すべきポイント

年間600万円の手取りを達成するためには、経費削減と税務対策も欠かせません。ガソリン代や車のメンテナンス費用を可能な限り抑えることが重要です。

また、青色申告を活用し、経費計上を適切に行うことで節税効果も期待できます。日頃からしっかりと帳簿をつけ、領収書などの証憑類も大切に保管しておきましょう。

手取り600万の軽貨物ドライバーに聞く仕事術

年間600万円以上の手取りを実現している軽貨物ドライバーに、仕事術を伺ってみました。

「配送ルートの最適化には特に気を使っています。どのルートを通れば最も効率的に配送できるかを常に考えるようにしていますね。あとは、無理のない範囲でできるだけ多くの案件を受注することも大切だと思います」

「体調管理には細心の注意を払っています。長時間の運転が続くと、どうしても体に負担がかかるので、適度な休息を取るように心がけていますね。あとは、できるだけ効率的に働くことで、無駄な時間を削減するようにしています」

年間600万円の手取りを目指すのは、誰にでも簡単にできることではありません。しかし、コツコツと努力を重ねることで、不可能ではないと言えるでしょう。自身の働き方を見直し、効率を重視した仕事術を身につけることが成功の鍵となります。

まとめ

軽貨物ドライバーの手取り収入について詳しく解説してきました。働き方によって手取りの仕組みが大きく異なることや、経費や保険料、税金など給与から差し引かれる項目についても理解を深めることができたのではないでしょうか。
手取りを増やすためには、効率的な配送ルートの作成や付加価値の高いサービスの提供など、様々な工夫が必要不可欠です。

ただし、軽貨物ドライバーの仕事は体力勝負の面もあるため、無理のない範囲で少しずつ収入アップを目指すことが賢明だと言えます。

年間600万円以上の手取りを実現するのは簡単ではありませんが、コツコツと努力を重ねることで不可能ではありません。自身の目標に合わせて働き方を設計し、しっかりとキャリアプランを立てることが何より大切です。
本記事が、軽貨物ドライバーとしてのキャリア設計の参考になれば幸いです。