二種免許は難しい？二種免許の難易度や取得条件・費用を徹底解説

普通免許を既に持っているものの、より高度な運転スキルと知識が求められる二種免許の取得を検討している人は多い。しかし、二種免許は一種免許よりはるかに難易度が高く、合格に向けた準備が欠かせません。本記事では、二種免許の取得条件から学科・技能試験の難しさ、費用と日数、対策のコツまで、二種免許に関する重要ポイントを徹底解説します。

二種免許とは？一種免許との違い

ここでは二種免許と一種免許の違いや運転できる車両、二種免許の保有者が就業可能な職業を解説します。

二種免許の定義と運転できる車両

二種免許とは、普通免許に加えて取得が必要な資格で、旅客運送を行うための免許のことを指します。一種免許では、一般的なレジャー用の運転しかできませんが、二種免許があれば、タクシー運転手やバス運転手、トラックの運転手などの仕事につくことができます。つまり、車を運転して金銭を得る営業運転が可能になるのが二種免許なのです。

二種免許保有者の主な職業

二種免許を保有していれば、主に以下のような運転職に就くことができます。

・タクシー運転手
・バス運転手
・トラック運転手
・福祉車両運転手

企業に雇用されるほか、個人でタクシー運転手や運転代行の仕事に従事する人も多くいます。

二種免許取得の難易度

ここでは二種免許の取得の難易度について詳しく解説します。

二種免許と一種免許の難易度の違い

二種免許は、一種免許よりも難易度が高い免許だと言われています。理由は主に2つあります。

1つ目は、受験内容の違いです。二種免許の学科試験では、一種免許の内容に加えて旅客運送に関する法規や知識が問われます。また技能試験も、一種免許よりも高度な運転スキルが必要とされます。

2つ目は、合格基準が一種免許より厳しいことです。学科試験・技能試験ともに、合格最低点が90点と高く設定されています。

二種免許の合格率と平均受験回数

こうした二種免許の難易度の高さから、一発で合格できる人はごくわずかです。合格率は35~40%程度と、低い数値となっています。ほとんどの受験者が2回以上の受験を重ねているのが実情です。

二種免許最大の難関は、技能試験の部分だと言われています。合格率は10~20%程度と、かなりハードルが高く設定されているためです。すべての受験生が何度も技能試験を受けていることがうかがえます。

二種免許学科試験・技能試験の特徴と対策

二種免許の学科試験は、一種免許の内容に加えて旅客運送に関する専門的な知識が問われます。例えば、高齢者や障がい者を乗せた際の対応の仕方や、事故時の対処法、運送業界の法規など、普通免許には出題されない問題が多数出題されます。

対策としては、専門的な参考書や問題集を活用して予習・復習に力を入れる必要があります。また、学科教習の内容をしっかり頭に入れておくことも重要です。

一方、技能試験は直角バックや縦列駐車、エイト運転などの難しいコースが用意されています。基本的な運転スキルに加え、安全確認の徹底や的確な車両操作などが問われる難関です。

実際の教習場でくり返し練習に取り組むほか、模擬コースでの事前練習も心がけたいでしょう。また、教官のアドバイスを活かして自分の癖や弱点を克服していくことで、合格の可能性は格段に上がります。

二種免許取得の流れと必要な条件

二種免許を取得するにはいくつかのステップを踏む必要があります。以下で詳細を解説します。

二種免許取得までの5ステップ

二種免許の取得には、以下のステップを踏む必要があります。

ステップ1: 学科教習 (19時間) と技能教習 (21時間) を受講

学科教習では法規や安全運転の知識を、技能教習では実車を使った運転練習を行います。

ステップ2: 学科試験に合格

全95問の筆記試験で、90点以上の得点が必須です。

ステップ3: 技能試験 (校内・路上) に合格

校内と実際の道路での2つの運転試験があり、それぞれ90点以上を取る必要があります。

ステップ4: 応急救護講習を受講

人工呼吸や心肺蘇生、身体障がい者の介助方法などを学びます。

ステップ5: 旅客車講習を受講

旅客運送時の注意点や安全運転のポイントなどを学びます。

受験資格と必要な書類

二種免許を受験するための条件は以下の通りです。

・満18歳以上であること
・普通自動車免許を既に保持していること
・視力や聴力、病気の有無など、一定の身体条件を満たしていること
・必要書類 (写真、住民票の写しなど) を用意できること

条件さえ満たせば、年齢や性別は問われません。

二種免許取得にかかる費用と日数

ここでは二種免許の取得にかかる費用と日数を詳しく解説します。

合宿免許と通学免許の費用比較

二種免許を取得する方法は、主に「合宿免許」と「通学免許」の2パターンに分かれます。

合宿免許は、自動車学校の宿泊施設に滞在しながら集中して教習を受ける方式です。費用は30万円前後が相場となります。
一方の通学免許は、自宅から自動車学校に通いながら教習を受ける方式で、費用は20万円前後と、合宿より安価です。

合宿のメリットは、短期間で免許が取れる点です。デメリットは高額な費用と、生活のリズムが大きく変わってしまうことです。通学のメリットは費用が抑えられる点で、デメリットは取得期間が長期に及ぶことです。

最短取得日数と効率的なスケジュール

普通免許を既に保持している場合、合宿免許なら最短8日で二種免許が取得可能です。自動車学校に一定期間宿泊しながら、集中して教習を受講することで短期間での取得が可能となります。合宿免許は、仕事や家庭との両立が難しい場合でも、短期間の集中講習を活用できるメリットがあります。

一方、通学免許の場合は最短でも20日程度の期間を要します。ただし、自身のペースで教習を進められるため、仕事や家庭との両立がしやすいというメリットがあります。効率的なスケジューリングとしては、平日は仕事や家事に従事しながら、週末に集中して教習を受けるなどの工夫ができます。

合宿か通学かはライフスタイルに合わせて選択しますが、いずれの方法でも計画的な教習受講が肝心です。学科と技能の両面で集中して実力を伸ばし、無理のない範囲で可能な限り短期間での取得を目指しましょう。

一発試験のリスクと総費用

二種免許取得には、「教習を受けずに直接試験を受ける」一発試験という方法もあります。一発試験の受験料は約6万円と比較的安価ですが、高い合格率は望めません。

事実、一発試験の合格率は10%以下と極めて低い数値となっています。多くの受験者が12回以上の受験を重ねているとされ、合格までに総費用が30万円以上にもなることがあります。

つまり、一発試験は受験料こそ安いものの、実際には高額の総費用がかかるリスクがあります。さらに、試験の合格が極めて難しいという難点もあります。教習を経ずに受験するので、十分な知識と技能が身につかないことが理由です。

合格に向けては、やはり自動車教習所での学科教習と技能教習を経て、着実にスキルを高める方が確実だと言えるでしょう。

二種免許を取得するためのコツ3選

二種免許をスムーズに取得する上で、いくつかのコツがあります。ここでは特に効果的なコツを3点お話します。

コツ1: 効果的な学習方法と教材

二種免許の取得に向けては、効果的な学習が極めて重要です。特に学科試験の対策では、以下のような学習方法が有効でしょう。

・教習所で配布された参考書や問題集をしっかり活用する
・旅客運送に関する法規を詳しく予習・復習する
・自動車学校の教官に質問しながら、理解を深める
・オンライン講座なども利用して視覚的に学習する
・スマホアプリを使って空き時間に小まめに反復学習する

学科試験には、法律や制度に関する細かい内容が出題されます。反復学習による知識の定着が不可欠なのです。教材の活用と効率的な学習方法の組み合わせが、合格への第一歩となります。

コツ2: 学科試験対策と頻出問題

二種免許の学科試験は、出題範囲が広く知識量も多いため、対策が欠かせません。以下の3ステップで確実に合格力をつけましょう。

1.頻出問題分野を徹底的に学習する

自動車の構造、交通ルール違反、事故対応、高齢者運転など、出題の多い分野に重点を置きます。

2.過去問題集で練習を重ねる

教習所配布の問題集はもちろん、市販の問題集も活用し、反復演習を行います。

3.自身の理解が不十分な分野を補強する

学科試験に関しては、このように計画的に準備を進めることで、着実に得点力をアップできるはずです。

コツ3: 技能試験のポイントと練習方法

二種免許最大の難関となるのが、技能試験の部分です。コースが難易度が高く、合格基準も厳しく設定されています。以下のポイントを意識し、集中して練習を重ねましょう。

技能試験のポイント

・直角バックや縦列駐車、エイトコースは1ミリ単位の精密な操作が必要
・コースには路側帯や縁石があり、わずかな接触でも減点される
・ペーパードライバーにならず、常に安全確認を怠らない習慣を
・スムーズな操作とギアチェンジ、適切な速度コントロールが不可欠

練習方法

・模擬コースを設置している教習所を選び、事前にコース練習をする
・教習中は細かい指摘にも耳を傾け、教官のアドバイスを活かす
・自身の癖や苦手を把握し、その部分を重点的に練習する
・精神的なプレッシャーにも備え、リフレッシュ方法を見つける

二種免許の技能試験は確かに難しいですが、着実な練習を重ねることで乗り越えられます。焦らずに腰を据えて準備を進めましょう。

二種免許取得後のキャリアパスと収入

二種免許取得後のキャリアパスと収入について詳しく解説します。

代表的なプロドライバーの仕事内容と年収

二種免許の取得は、様々な運転職への道を開きます。中でも代表的な仕事と概算年収は以下の通りです。

・タクシー運転手: 300万円前後
客待ち時間が長く、労働時間は不規則になりがち。接客態度が重視される。

タクシー運転手の年収については『タクシー業界の大手企業ランキングTOP5！給与や働き方も解説』の記事で詳しくしております。

・バス運転手: 350万円前後
長距離運転や深夜運転があり、体力が必要。定期運転なので収入は安定。

バス運転手の年収は『バス運転手の年収ランキング大解剖！種類・地域別ランキングを解説』の記事で詳しく解説しております。

・トラック運転手: 400万円前後
長距離運転が中心で、単身赴任も多い。適性と経験によっては年収500万円以上も。

体力と気力に自信があれば、高年収を狙えるでしょう。

トラック運転手で高年収を狙うコツは『トラック運転手で月収100万円は可能？気になる給与の実態と高収入の秘訣』の記事をご確認ください。

ステップアップのための追加資格と経験

二種免許を取得した後は、更なるキャリアアップを目指すこともできます。

大型自動車免許の取得

バスやトラックなど、大型車両の運転が可能になります。年収アップが期待できます。

大型自動車免許の取得は『大型免許取得が難しい5つの理由｜実際の取得条件・合格率・費用を解説』の記事で詳しく解説しております。

自動車教習指導員の資格取得

教習所で新人ドライバーの指導にあたれます。経験を活かせるプロの仕事です。

運行管理者や整備士など、運送業界の資格を取得

マネジメント系や技術系の専門職に転身できる可能性があります。

教習指導員や運行管理者など、運転と並行して様々なキャリアパスが用意されています。興味と適性に合わせて、着実にステップアップを目指しましょう。

運行管理者に関しては『運行管理者のリアルな実態に迫る！デメリットとメリット、キャリアの全て』の記事で詳しく解説しております。

まとめ:二種免許は難しいが計画的に取り組めば取得可能

二種免許は一種免許に比べて難易度が高く、合格へのハードルは高いことがお分かりいただけたでしょう。しかし、計画的に取り組めば必ず取得できる免許でもあります。

学科試験、技能試験にそれぞれ対策を立て、一つひとつ確実にクリアしていくことが重要です。当面の目標は合格そのものに置きつつ、取得後のキャリアにも見据えた準備を怠らないことが大切でしょう。

料金面では合宿か通学かを検討し、自分のライフスタイルに合ったスケジュールを立てましょう。焦らず腰を据えて、着実な対策を続ければ、目標達成は決して難しいことではありません。難関を乗り越え、有望な運転職を手に入れましょう。