【徹底解説】タンクローリードライバーの給料事情を大解剖！年収や必要な資格も

タンクローリードライバーは、ガソリンや高圧ガスなどの危険物を運ぶ重要な仕事です。高度な運転技術と安全意識が求められる一方、高い給与水準と社会的意義のあるやりがいが魅力。本記事では、タンクローリードライバーの仕事内容や必要な資格、給与事情、キャリアパスなどを詳しく解説します。転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

タンクローリードライバーの仕事内容と一日の流れ

タンクローリードライバーが運ぶ主な貨物

タンクローリードライバーは、ガソリンや軽油、灯油などの石油製品をはじめ、高圧ガスや化学薬品など、危険度の高い液体や気体を専門に輸送するドライバーです。運ぶ貨物の種類によって大きく以下の3つに分けられます。

タンクローリーの大きさは、小型から大型まで様々ですが、中型や大型の車両を運転することが多いでしょう。運転には細心の注意が求められ、事故を起こした際の被害も甚大です。高い安全意識と運転技術が求められる仕事だと言えます。

タンクローリードライバーの1日の仕事の流れ

タンクローリードライバーの1日の仕事は、以下のような時間の流れが一般的です。

【出社から積み込みまで】

【運行から納品まで】

【納品から帰社まで】

※上記はあくまで一例です。実際の勤務時間や納品件数は、会社や日によって大きく異なります。

朝は早めの出社が求められることが多く、夜の残業もある程度覚悟が必要。ただ、タンクローリーの運転は他のトラックに比べると拘束時間が短めなのが特徴。効率的なルート設定により、比較的定時に業務を終えられるケースが多いです。1日のスケジュールは刻々と変化するため、臨機応変な対応力が問われます。突発的なトラブルにも冷静沈着に対処する必要があるでしょう。同時に、定時運行を守るためのタイムマネジメント能力も重要。限られた時間の中で最大限の成果を出す工夫が求められます。タンクローリードライバーの1日は、時間との戦いと言っても過言ではありません。体力だけでなく、メンタル面の強さも必要不可欠。シビアな条件の中で、安全と効率を両立させるのが、プロドライバーの腕の見せどころなのです。

タンクローリードライバーの給料・必要資格

タンクローリードライバーの平均的な給料・年収

タンクローリードライバーの平均年収は、450万円〜600万円程度と言われています。ただし、これはあくまで平均値であり、個人差が大きいのが実情です。

以下年収を左右する主な要因になります。

一般的に、大型免許を持ち、危険物取扱者や高圧ガス移動監視者などの資格を多く保有しているドライバーほど、高い年収を望むことができます。

また、タンクローリーの中でも、ガソリンや軽油など引火性の高い貨物を運ぶ石油系ローリードライバーの給与が最も高く、粉粒体ローリーが最も低い傾向にあります。

経験を積むごとに給与は上がっていきますが、中小企業の場合は頭打ちになりやすいのが悩みどころ。大手に転職するなど、キャリアプランを考える必要がありそうです。

他のドライバー職との給与比較

タンクローリードライバーの年収は、他のドライバー職と比べてどのような位置づけにあるのでしょうか。

国土交通省の調査によると、大型貨物自動車運転者の平均年収は約450万円。これに対し、タンクローリードライバーの平均年収は500万円前後と、同じ大型車両を運転する職種の中では高い部類に入ります。

特に、石油系や高圧ガスを運ぶタンクローリードライバーの場合、年収600万円以上の求人も珍しくありません。大型免許保有者の中でも、特に高い給与水準にあると言えるでしょう。

ただし、トレーラーやトラクターなど特殊な免許が必要な職種の場合、タンクローリードライバーを上回る年収となるケースもあります。あくまで、同じ車両クラスの中での比較となります。

経験や資格による給与の違い

先述の通り、タンクローリードライバーの給与は、経験年数や保有資格によって大きく変動します。

まず、経験年数が長いほど給与は高くなる傾向があります。新人の場合は年収400万円程度からスタートし、キャリアを重ねるごとに昇給していくイメージです。10年以上のベテランになれば、年収600万円以上も夢ではありません。ただし、これは大手企業の場合の話。中小企業だと、経験を積んでも思うように昇給できないことも多いようです。次に、保有資格による給与の違いについて見ていきましょう。タンクローリードライバーに必須の免許・資格は以下の通りです。

このうち、大型免許と乙4資格は、タンクローリードライバーとして働く上で必須中の必須。この2つを持っているだけで、年収アップが見込めます。加えて、以下のような資格を持っていると、さらに優遇されるケースが多いです。

こうした資格を複数持っているベテランドライバーともなれば、年収800万円超えも可能と言われています。ただし、資格を取得するためには、時間と費用が必要。会社によっては取得支援制度があるところもあるので、確認してみると良いでしょう。以上の通り、タンクローリードライバーの給与は、経験と資格によって大きく変動します。ただし、タンクローリードライバーの給与には、もう一つ考慮すべき点があります。それは、季節による変動です。例えば、ガソリンは夏場の需要が高く、灯油は冬場の需要が高い。そのため、季節によって運搬量が大きく変わることがあるのです。運搬量が多ければ、それだけ収入も増えますが、少なければ収入も減ります。安定した収入を得るのは、意外と難しいのがタンクローリードライバーの悩みどころ。荷主との太いパイプを持つ大手では、比較的安定した仕事量を確保できますが、中小企業の場合は厳しいこともあるようです。総じて、タンクローリードライバーの給与水準は高めですが、経験や資格、季節変動など、考慮すべき点は少なくありません。高収入を目指すなら、長期的なキャリアプランを立てることが肝要だと言えるでしょう。

以下の記事に詳しく記載しているため、ぜひご覧ください。

2024年6月19日 タンクローリードライバーに必須の免許と資格を徹底解説｜仕事の幅が広がる資格も紹介

タンクローリードライバーの仕事の魅力

タンクローリードライバーの仕事には、以下のようなやりがいがあります。

高度な運転技術が身につく

タンクローリーの運転には、繊細な車両コントロールが求められます。ブレーキや車間距離の調整など、ハイレベルな運転テクニックが必要とされるため、ドライバーとしての腕を磨くことができるでしょう。

社会インフラを支える重要な仕事

ガソリンや灯油など、私たちの生活に欠かせない燃料を運ぶタンクローリードライバー。まさに、社会を支えるインフラの一端を担う重要な仕事だと言えます。自分の仕事が社会に貢献していると実感できるはずです。

給与水準が高い

タンクローリードライバーの給与は、他のドライバー職と比較しても高水準。危険な貨物を運ぶ以上、それ相応の報酬が得られるというメリットがあります。モチベーションを保つ意味でも、魅力的な点だと言えるでしょう。

定年後も活躍できる

ドライバー不足が叫ばれる昨今、タンクローリードライバーの需要は高く、経験者優遇の求人も多数。定年後に経験を活かして働くことも可能です。体力に自信があるなら、セカンドキャリアの選択肢としてアリだと言えます。

タンクローリードライバーならではの苦労と課題

タンクローリードライバーの仕事には、以下のような大変さもあります。

危険物の運搬に伴うプレッシャー

ガソリンや高圧ガスなど、危険度の高い貨物を運ぶタンクローリードライバー。常に緊張感を持って運転する必要があり、精神的なプレッシャーは相当なもの。ストレス耐性が求められる仕事だと言えます。

事故のリスクが高い

万が一事故を起こしてしまった場合、取り返しのつかない事態を招きかねません。危険物による火災や爆発のリスクもあるため、事故は絶対に避けなければならないのです。その重圧は、他のドライバー以上と言えるでしょう。

体力的な負担が大きい

タンクローリーの運転は、長時間同じ姿勢を取り続けることが多く、腰や肩への負担が大きい。また、荷下ろしの際にはホースを扱う重労働もあり、体力的にはかなりキツイ部類の仕事だと言えます。

不規則な勤務体系

タンクローリードライバーの勤務は、シフト制であることが多く、夜勤や早朝勤務もあります。不規則な生活リズムは、心身の健康を損なうリスクがあるため、体調管理が欠かせません。

長時間の拘束時間

1日の拘束時間が長いのも、タンクローリードライバーの悩みの種。運転時間以外にも、荷役作業や書類の処理などで時間を取られるため、家族との時間が取りづらいというデメリットがあります。

このように、タンクローリードライバーの仕事はやりがいもありますが、同時にかなりの覚悟が必要と言えます。プレッシャーの中で高い集中力を維持し、体力を確保し続けなければならない。それだけにストレスとの付き合い方を身につけることが重要だと言えるでしょう。

タンクローリードライバーのキャリアパス

タンクローリードライバーのキャリアパスには、以下のようなステップがあります。

新人ドライバー（見習い期間）

先輩ドライバーに同行し、業務の流れを学ぶ時期。会社によっては、半年〜1年ほどかかることも。

一人前のドライバー

一通りの業務をこなせるようになったら、晴れてプロのドライバーの仲間入り。徐々に難易度の高い運行も任されるようになります。

主任ドライバー

経験を積んで信頼を得ると、主任ドライバーに昇格。後進の指導にあたる役割も担います。

運行管理者

国家資格である「運行管理者」の試験に合格すれば、ドライバーのマネジメントを行う管理職に就くことも可能です。このように、タンクローリードライバーとしてキャリアを積んでいくと、より大きな責任あるポジションに就くチャンスがあります。ベテランの域に達すると、運転以外の業務に携わるケースも。新人教育を担当する指導員や、ドライバーの採用を行う人事担当など、様々なキャリアの可能性があるでしょう。また、独立して個人事業主になるドライバーも少なくありません。自分の車両を持ち、荷主と直接契約を結ぶのです。自営業という道を選ぶのも、キャリアパスの一つと言えます。

ただし、どの道を選ぶにせよ、ビジネスマナーやコミュニケーション力など、ドライビング以外のスキルを身につけることが重要。キャリアアップを目指すなら、日頃から学ぶ姿勢を持っておきたいものです。

タンクローリードライバーの将来性

物流業界の将来性とタンクローリードライバーの役割

国内の物流業界は、今後も安定的な需要が見込まれています。ネット通販の普及により、宅配便の取扱量は年々増加。また、日本経済を支える製造業や建設業でも、物流は欠かせない存在です。その中でも、タンクローリーによる輸送は重要な役割を担っています。ガソリンや灯油など、私たちの生活に欠かせない燃料を届けるのは、タンクローリードライバーの仕事。社会インフラを支える必要不可欠な存在だと言えます。しかも、タンクローリードライバーは慢性的な人手不足の状態。若手ドライバーの減少と高齢化が進む中、需要に見合うだけの供給が追い付いていないのが実情です。その意味では、今後も一定の需要が見込め、雇用が安定している職種だと言えるでしょう。ただし、将来的には自動運転技術の進歩により、ドライバーの役割が変化する可能性もあります。現在、高速道路などを中心に自動運転トラックの実証実験が進められています。法整備などの課題はありますが、遠くない将来、実用化されるのは間違いないでしょう。タンクローリーの自動運転化は、一般トラックより難易度が高いと言われていますが、いずれは実現するはず。そうなれば、ドライバーの仕事は大きく変わることになります。もしタンクローリードライバーを目指すなら、このような業界の将来性を見据えつつ、キャリアプランを考える必要があります。

こちらの記事も参考にしてください。

2024年6月19日 タンクローリーの仕事はAIでなくなるのか？今後の対応策も併せて完全解説！

おすすめの転職サイト2選

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いずれの求人に応募する際も、志望動機を明確に伝えることが重要です。「なぜタンクローリードライバーになりたいのか」「なぜその会社を選んだのか」など、具体的な理由を述べられるようにしておきましょう。また、未経験者の場合は、「体力に自信がある」「安全運転を徹底できる」など、適性をアピールすることが欠かせません。加えて、「将来は運行管理者を目指したい」など、キャリアビジョンを語れると好印象。

タンクローリードライバーへの転職は、「経験」と「熱意」が成功のカギを握ります。必要な免許・資格を取得し、自身の強みを存分にアピールすること。積極的に挑戦すれば、夢への道はきっと開けるはずです。